バイクのプライマリーオイルは代用可能?交換頻度や交換方法、注意点まとめ
バイクには役割や性能が異なるオイルが使用され、各オイルを使い分けることで、パーツの正常な働きが維持されています。しかし、使用頻度の少ないプライマリーオイルは、購入しても使いきらずに余らせてしまいがちです。
そこでこの記事では、プライマリーオイルがほかのオイルで代用できるのか、という点にフォーカスしていきます。プライマリーオイルの役割や交換頻度・交換方法を知り、適切なメンテナンスを実施していきましょう。
プライマリーオイルは代用可能?
そもそもプライマリーオイルとは、どのように使われるオイルなのでしょうか?プライマリーオイルの役割と代用可否について解説します。
プライマリーオイルとは?
プライマリーオイルとは、プライマリーチェーンの潤滑に消費されるオイルのことです。プライマリーチェーンはエンジンの動力をミッションに伝える重要な役割を持ち、この伝達を補助するのがプライマリーオイルの役割です。
ハーレーダビッドソンなど、一部の車種では、プライマリーケース内に摩擦力を必要とするクラッチプレートが収納され、プライマリーオイルにはより高い性能が求められます。
プライマリーオイルは代用可能?
国産車の場合、エンジオイルやミッションオイル、プライマリーオイルを1つのオイルで潤滑させることは珍しくなく、プライマリーオイル自体は、ほかのオイルで代用できます。しかし、ハーレーダビッドソンなど一部の車種では、車体の特性からプライマリーオイルを代用しないことが推奨されています(あくまで推奨であり、代用が不可というわけではありません)。
ハーレーダビッドソンの場合、プライマリーケース内にクラッチプレートが収納されていることから、プライマリーオイルには「プライマリーチェーンのみ潤滑させてクラッチプレートは滑らせない」という、器用な性能が求められています。ハーレーダビッドソン純正のオイルには、ミッションオイル、プライマリーオイル、スポーツトランスフルードの3種類を兼用できる製品(FORMULA+)などもラインナップされています。
プライマリーオイルの交換頻度・交換方法
ここでは、プライマリーオイルの交換頻度と交換方法についてご紹介します。
プライマリーオイルの交換頻度
プライマリーオイルの交換頻度は、3ヶ月に1度もしくは走行距離3,000~5,000kmが目安です。プライマリーオイルをはじめ、バイクの各オイルは走行距離に応じた交換が必要です。走行せず保管したままでもオイルの劣化は進むため、最後に交換した時期から数えて、適切なタイミングで交換することが大切です。
プライマリーオイルの交換方法
プライマリーオイルの交換手順は、以下のとおりです。
出典:XL1200S スポーツスター エンジンオイル・プライマリーオイル交換
プライマリーオイルの交換における3つの注意点
プライマリーオイルを交換する際は、以下の点に注意して作業を実施しましょう。
プライマリーオイルは注入口の溶接部分まで入れる
プライマリーオイルの規定量は、注入口の溶接部分(規定のオイルレベル)までです。900ml~1Lほどのオイルを注油できるので、最低1Lのプライマリーオイルを準備しておきましょう。プライマリーオイルが規定量より少ないとプライマリーチェーンの潤滑がうまくいかず、多すぎるとクラッチが滑る原因となるため注意してください。
注油時は、サイドスタンドで立てていると、車体が傾いて規定量を見ることができません。必ず車体が水平になっているか確認してから作業をおこないましょう。
同時にフィルターも交換する
プライマリーオイルの交換時、2回に1回はフィルター交換をオススメします。フィルター交換をせずにプライマリーオイルの交換だけをおこなっていると、オイル内の不純物を十分にろ過できず、オイル寿命を縮める原因となります。
廃油の処理方法
交換時に抜き取った古いプライマリーオイルは、市区町村が定める廃油の処理方法に従い、適切に処分しましょう。可燃ゴミとして処分したい場合、新聞紙や廃油処理箱に吸収させる方法もあります。
ただし、市区町村によっては吸収させた廃油を可燃ゴミとして処分することを認めていない場合もあるため、作業前は住んでいる地域の廃油に関する規定を確認してください。
まとめ
本記事は、2020年3月27日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。