重曹ブラストとは?環境に優しいバイクの洗浄方法
バイクパーツを傷めにくく、十分な洗浄効果を発揮できる重曹ブラストに注目が高まっています。環境に優しく、使用する場所を選ばないため、レストア作業に重曹ブラストを採用するバイカーやバイクショップも今後増えていくのではないでしょうか。
そこでこの記事では、話題の重曹ブラストの特徴やメリット、バイクショップへ依頼した場合の工賃(目安)について解説します。
重曹ブラスト(ソーダブラスト)とは
重曹ブラストとは、メディア(研磨材)に重曹を使用するサンドブラストのことです。重曹=炭酸水素ナトリウム(重炭酸ソーダ)であることから、ソーダブラストとも呼ばれます。サンドブラストはボディの表面加工に使用されるほか、手作業で磨くことが難しい頑固な錆汚れを落とす際に優れた効果を発揮します。
バイクパーツの洗浄でサンドブラストをおこなう場合、金属系やガラス系のメディアを使用することが一般的です。いずれも高い研磨能力を持ちますが、洗浄するパーツ(素材)によって相性に良し悪しがあるため、「バイクパーツの錆落としならサンドブラストでOK」とは一概に言えません。判断を誤れば、パーツを傷める原因となることもあります。
一方で、メディアに重曹を使用する重曹ブラストは、上記のような懸念点が払拭されつつあります。重曹は炭酸水素ナトリウムから精製される粉末で、家庭や医療現場など多くの場所で使用される身近な薬品。研磨作用や水溶性があることから、重曹ブラストによるブラスト作業はバイクパーツの洗浄において多くのメリットがあります。
重曹ブラストのメリット・デメリットを以下で確認していきましょう。
重曹ブラストのメリット・デメリット
〈メリット〉
〈デメリット〉
重曹ブラストの効果はどれほどのものか?
次のようなシーンでは、重曹ブラストの効果を最大限に引き出せます。
あらゆるパーツの錆落としも楽々
重曹ブラストなら、錆落としが楽におこなえます。研磨力はほかのメディアに劣るものの、錆を落とすのには十分な研磨力を発揮。市販されているスプレー缶の表面印刷程度なら、すばやく剥離する研磨力を持ちます。
パーツ表面にこびりついた頑固な錆も、噴射を当てるだけで落とせるため、作業効率は格段にアップ。エンジンオーバーホールの際は、メディア残りを気にすることなく短時間で洗浄作業ができます。
手が入りにくいスポークの洗浄
アメリカンやクラシックスタイルのバイクで苦戦しやすいスポーク磨き。手が入りにくいスポークホイールの洗浄・錆落としも、重曹ブラストなら楽に作業できます。使用するノズルを選ぶと広範囲に噴射でき、作業効率はさらに高くなります。
重曹ブラストの工賃目安
重曹ブラストの工賃は、スポークホイールの前輪1本あたり5,000円前後、後輪1本あたり、10,000円前後が目安です。作業の所要時間は2時間ほどです。
ただし、重曹ブラストを採用しているショップはまだ少なく、工賃に明確な相場はありません。重曹ブラストによる錆落としや洗浄を依頼する際は、事前に見積もりを取っておくと安心です。
また、一般的な錆取り工賃やサンドブラスト工賃の目安は以下のとおりです。重曹ブラストを検討・依頼する際の比較材料にしてみてください。
錆取りにかかる工賃(目安)
小傷からサビが発生しやすいタンクの錆取りは、10,000円~30,000円が相場です。スクータータイプで15,000円~25,000円、スポーツ・ネイキッドタイプ(カウル付き含む)で15,000円前後が目安となります(※タンク以外のパーツにおいては工賃が変動します)。
サンドブラストにかかる工賃(目安)
サンドブラストはパーツにより工賃が変動します。
まとめ
本記事は、2020年3月27日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。