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汚れたままの走行は危険!バイクのラジエターを洗浄する方法と注意点を解説

バイクのメンテナンスといえば、タイヤの空気圧や溝の残量チェック、エンジンオイルの交換などが思い浮かぶかもしれません。

これらの基本的なメンテナンスに加えて、愛車が水冷式のエンジンの場合は、ラジエターの洗浄も忘れずに行ないましょう。ラジエターはエンジンを守る大切なパーツで、汚れたままにしておくと危険な事故につながる可能性があります。

しかし、ラジエターをどのように洗浄すれば良いかわからないという方もいるでしょう。そこで今回は、バイクのラジエターの洗浄方法や注意点について解説します。

バイクのラジエターを洗浄すべき理由

水冷式のエンジンには、ウォータージャケットと呼ばれる水路があり、冷却水が循環してエンジンから熱を奪う仕組みになっています。しかし、冷却水はエンジンの熱により次第に温度が高くなります。ラジエターは、この冷却水自体を冷やす役割を持つパーツです。

ラジエターがあることでエンジンの温度は一定に保たれますが、ラジエターに汚れがたまってしまうと十分に放熱できず、エンジンの温度は必要以上に上がってしまいます。

ラジエターが適切に機能しないと、エンジンがオーバーヒートを起こし炎上してしまう危険性もあるため、定期的にメンテナンスを行ない、きれいな状態を保っておく必要があるのです。

バイクのラジエターの洗浄

バイクのラジエターの洗浄

バイクのラジエター洗浄は、車体の洗車のタイミングで行なうとよいでしょう。バイクには鍵穴やマフラーなど、水が入らないように気を付けるべき場所がありますが、ラジエターは水洗いが可能です。

ラジエターの洗浄方法と注意点は、以下のとおりです。

洗浄方法

ラジエターは、多くの場合バイクの前方に組み込まれています。ラジエターに付着した汚れは、バイクの前面から水をかけて洗い流しましょう。水洗いでは落ちない頑固な汚れは、やわらかいナイロンブラシでやさしくこすり落としてください。虫やゴミなどの異物が挟まっていれば、丁寧に取り除きます。

洗浄時の注意点

ラジエターを洗浄する際はやさしくゆっくり洗うことが重要です。

ラジエターの表面は効率良く放熱できるように、フィンと呼ばれる薄いアルミニウムの板が並んでいます。フィンによって表面積を大きくしているのです。ですから、フィンがつぶれると、放熱効果が著しく低下します。フィンは非常にデリケートな部分のため、ラジエターを洗浄するときは高圧洗浄機や硬いブラシの使用は避けましょう。

バイクのラジエター内部の洗浄

冷却水の効果を維持するためには、ラジエター内部の洗浄も必要です。エンジンとラジエターの間を循環している冷却水は、経年劣化やエンジン内の金属やサビが混入することで汚れてしまいます。

ここからは、ラジエター内部と併せてリザーブタンクの洗浄方法と、洗浄の注意点を見ていきましょう。なお、ここでは水道から直接ホースを使用できる環境を想定しています。

洗浄方法

大きく4つの工程に分けて説明します。

1. 冷却水を抜く

ラジエター内部を洗浄するには、まずラジエターキャップとドレンボルトを緩めて、古い冷却水を抜く必要があります。ただし、エンジンが熱いままラジエターキャップを外すと、高温になった冷却水や蒸気が噴き出す危険性があるため、必ずエンジンが冷えた状態で作業してください。

ラジエターキャップを緩めるときは、タオルなどをかぶせてゆっくり行ないます。圧力が抜け始めたらいったん止めて、圧力が抜け切るのを待ちましょう。

ラジエターキャップを外し、ドレンボルトを緩めるとすぐに冷却水が流れ出ます。このとき、古い冷却水をためるための容器を用意しておくとスムーズです。なお、ドレンボルトの位置や数は車種によって異なるため、あらかじめ確認することをおすすめします。

2. 内部の洗浄

古い冷却水がすべて抜けたら、次はラジエター内部の洗浄です。

ラジエターキャップ側から水道ホースを差し込んで、勢いよく水を流すと、汚れと一緒に残った冷却水も排出されます。ドレンボルトから流れ出る洗浄水も、古い冷却水と同じ容器にためましょう。排出される洗浄水の色が透明に変わったら水を止め、車体を左右に傾けて内部に残った水を排出します。

3. 冷却水の交換

内部の洗浄水を出し切ったらドレンボルトを締めて、ラジエターキャップ側から新しい冷却水を流し入れます。このとき、満タンになったように見えても内部には空気が残っているため、エア抜きが必要です。ラジエターキャップを閉めて、車体を揺らすことでパイプ内にたまった空気が抜けます。

空気が抜けるとラジエターの水位が下がるので、また冷却水を追加して、水位が変わらなくなるまでこの工程を繰り返しましょう。

4. エンジンをかける

水位が変わらなくなったら、エンジンをかけます。エンジン回りに冷却水が循環すると、再び冷却水の水位が下がるため、一度エンジンを止めて冷却水を追加しましょう。これを繰り返すことで、ラジエターやパイプ内部にまんべんなく冷却水を満たせます。

リザーブタンクの洗浄

冷却水がたまっているリザーブタンク内部は、古くなった冷却水で汚れることがあります。リザーブタンクには冷却水の量を確認できる目盛りがありますが、タンク内の汚れがひどい場合は正確な量を確認できません。

リザーブタンクに水アカやサビなどの着色汚れがあれば、タンク内に洗剤を入れ、つけ置き洗いをして落としましょう。ブラシなどを使って、こすり落とすのも一つの方法です。

洗浄時の注意点

古くなった冷却水は排水口や側溝、地面などに流すと環境へ悪影響を与える可能性があるため、そのまま捨てることはできません。

ウェスや新聞紙に染み込ませることで、可燃ゴミとして処理できるようになります。量が多い場合は、凝固剤を使ったり、紙おむつなどで吸わせたりする方法もおすすめです。

また、料金はかかりますが、ガソリンスタンドや整備工場で引き取ってもらえる場合もあります。不安な方は、お近くのガソリンスタンドや整備工場に相談してみてください。

ラジエターキャップの点検

ラジエターキャップに付いているスプリングには、ラジエター内部の圧力を調整して、冷却効果を高める働きがあります。ラジエターキャップやスプリングに不具合があると、ラジエターが適切に機能せず、冷却水が減りやすくもなるため点検が欠かせません。

ラジエターキャップの点検は、ラジエター内部の洗浄と一緒のタイミングで行なうとよいでしょう。ラジエターキャップを外したら、内側のゴムパッキンに劣化やヒビがないか、スプリングにヘタりはないかなどを確認します。ゴムパッキンやスプリングに異常がある場合は、できるだけ早めの交換をおすすめします。

ラジエターキャップは消耗品のため、定期的に点検してエンジントラブルを防ぎましょう。

まとめ

ラジエターは、バイクの心臓ともいえるエンジンをオーバーヒートから守る、大切なパーツです。ラジエターが汚れたままバイクを走らせていると、非常に危険なトラブルにつながる可能性があります。汚れがないか、ラジエターキャップやスプリングに異常はないかなど、定期的なメンテナンスを行ないましょう。

ただし、ラジエター表面は特にデリケートなため、洗浄の際はやさしく洗い流すことがポイントです。

本記事は、2023年4月24日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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