エステル系バイクオイルのメリット・デメリットとは?
バイクのエンジンオイルにはさまざまなメーカー・種類があるため、成分の違いによる性能の差を理解しておくことが大切です。そこで今回は、一長一短の特徴を持つエステル系バイクオイルのメリット・デメリットについて解説します。オイル交換を控えている方は、ぜひオイル選びの参考にしてください。
エステル系バイクオイルとは?
エステル系バイクオイルとは、ベースオイルに化学合成油のエステルを配合したエンジンオイルをいいます。配合率は1%〜100%までさまざまですが、エステル100%のものを「化学合成油」、鉱物油とエステルを混ぜたものを「部分化学合成油」と呼びます。
エステルは水分に弱い反面、鉱物油に比べて潤滑油としての純度が高く、配合率が高くなるほどエンジンオイルとしての洗浄効果は高まるのが特徴です。
エステル系バイクオイルはパッキン(ゴムシール)などとの相性に偏りがあるため、旧パーツが用いられやすい旧車よりも、新型車に適したエンジンオイルといえます。
エステル系バイクオイルのメリット
エステル系バイクオイルを使うと、次のようなメリットがあります。
エンジン内の保護、洗浄効果が高い
高純度なエステル系バイクオイルはエンジンにかける負担が少なく、エンジン性能をより発揮できます。鉱物油からエステル系に変えた場合、始動性や燃費の向上につながるでしょう。
耐熱性能が高く劣化しにくい
エステル系バイクオイルは優れた耐熱性能で、長時間・長距離の走行でも劣化しにくい特徴があります。エンジン周辺の消耗パーツなど、適切なメンテナンスをおこなったうえで走行を続ければ、オイルの交換頻度を少なくできるでしょう。
商品のバリエーションが豊富
エステル100%から鉱物油とブレンドされているものまで、エステル系バイクオイルは商品のバリエーションが豊富です。とくに、ブレンドタイプ(部分化学合成油)は価格と性能のバランスが良く、自分のバイクに合ったオイルを選びやすいなどの利点もあります。
エステル系バイクオイルのデメリット
エステル系バイクオイルは高純度・高性能なバイクオイルに変わりありませんが、使用するシーンによってはデメリットも考えられます。
コストパフォーマンスが低い
エンジンオイルはエステルの配合率が高くなるほど価格も高くなるため、頻繁なオイル交換を行う方の場合、メンテナンスによる費用面のデメリットがあります。
エンジンオイルの価格:
鉱物油<部分化学合成油<化学合成油
高温多湿な日本の気候では劣化しやすい
耐熱性に優れ、走行だけでは劣化しにくいエステル系バイクオイルですが、走行環境によってはエンジン内で水分が発生し、鉱物油よりも早く劣化してしまう場合があります。たとえば、短距離の走行を頻繁に行うとオイルが暖まる前に空気中の水分がオイルに混入し、オイルの劣化を招きます。
旧車など車種・パーツによっては不向き
エステル系バイクオイルは、鉱物油の使用を想定した設計のバイクには不向きです。これらのバイクにエステル系バイクオイルを使用するとゴムシールの劣化によりオイル漏れが発生する可能性が高いため注意してください。
まとめ
本記事は、2019年7月29日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。