グーバイクアフター

【バイク】タイヤの皮むきとは?具体的な方法を解説

  •       

「タイヤを購入したらしなければならない」とされるタイヤの皮むきは、具体的にどのような必要性があるかご存じでしょうか?

皮むきの方法としては、一般的な慣らし運転以外に、より手軽にタイヤの皮むきを行なう方法もあります。

この記事では、タイヤの皮むきの必要性や、皮むきの具体的な方法を解説します。新品タイヤへの交換を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

タイヤの皮むきを行なう必要性

それでは最初に、そもそも「タイヤの皮」とは何なのか、およびタイヤの皮むきをする必要性・メリットを見ていきましょう。

タイヤの皮とは?

タイヤの皮とは、タイヤの表面に塗られている、ワックス状(主成分はシリコン)の薬品を指します。ツルツルとして滑りやすいため、皮が残ったままではタイヤの性能が十分に発揮されないばかりか、場合によってはスリップや転倒の危険すらあるのです。

では、なぜタイヤには皮が付いているのでしょうか?タイヤが新品の場合と中古品の場合に分けて、その理由を説明します。

新品のタイヤの皮

新車購入やタイヤ交換をしてタイヤが新品の場合、製造工程で型抜きをしやすくするために、タイヤの表面には離型剤などの薬品が塗られています。

タイヤの製造工程では、タイヤの表面模様が彫ってある型のなかに、まだ固まっていないタイヤのゴムを入れ、内側から膨らませて固めることでタイヤを作ります。その際、固まったゴムが型に張り付いて取れなくなってしまうのです。

そこで、タイヤが型に張り付かないよう、滑りやすいワックス状の薬品を塗っておきます。これが離型剤で、新品のタイヤにはこの離型剤が付いたままになっているというわけです。

それなら、メーカーで離型剤をぬぐい取ってから販売してくれれば良いのでは?と思うかもしれませんが、そういうわけにもいきません。なぜならば、この離型剤は製造後の運送中や保管中にタイヤを保護し、品質を保つ目的もあるからです。

このような理由から、新品のタイヤには製造工程で塗られた離型剤が、いわゆる皮としてそのまま残っています。

中古品のタイヤの皮

中古品のタイヤの場合は、製造時に付いた離型剤は基本的に残っていません。しかし、タイヤの見栄えを良くするため、中古品のタイヤにも表面にワックスが塗られているケースがあります。

中古品のタイヤは茶色に変色していることが多く、そのままだと見栄えがあまり良くありません。そこで、ワックスで黒々としたツヤを付けることがあるのです。

購入した中古タイヤに黒々としたツヤがある場合には、新品タイヤと同様に、そのままでは滑りやすく危険だといえるでしょう。

タイヤの皮むきをする必要性・メリット

以上のように新品・中古品とも、購入したばかりのタイヤの表面には多くの場合、ワックスなどが付いていて滑りやすくなっています。タイヤの皮むきとは、このワックスなどを除去し、滑りやすい状態を解消するために行なうものです。

皮むきを行なって初めて、タイヤ本来のグリップが発揮されます。皮むきを行なわずに通常通りの走行を続けていると、スリップや転倒の危険もあります。

そのため、タイヤを購入した際には、皮むきを行なう意味でも慣らし運転をしたほうがよいでしょう。

特に新品タイヤの場合、タイヤ内部の構造がまだ安定していません。慣らし運転で徐々に熱を入れることにより機能が安定し、タイヤの寿命を長持ちさせることが可能です。

また、慣らし運転にはタイヤとホイールをなじませる意味もあります。慣らし運転なしで通常走行した場合、タイヤとホイールの位置がずれてバランスが崩れ、タイヤの性能を十分発揮できなくなることがあるのです。

慣らし運転の必要性については、以下の記事でも詳しく解説しています。

新車のバイク、慣らし運転とオイル交換が必須って本当?

慣らし運転でタイヤの皮むきを行なう方法

慣らし運転でタイヤの皮むきを行なう方法

慣らし運転によるタイヤの皮むきは、タイヤメーカーも推奨している方法です。ここからは、慣らし運転の具体的な方法や、注意点を見ていきましょう。

速度と距離の目安

慣らし運転でタイヤの皮むきを行なう際の、速度と距離の目安は以下のとおりです。

  • 夏用タイヤ・・・時速80km以下で100km以上走行
  • 冬用タイヤ・・・時速60km以下で200km以上走行

慣らし運転初期の注意点

慣らし運転を始めてすぐのときの注意点は、「急発進や急ブレーキを控えること」「できる限りバイクを倒さないこと」の2つです。

先述のとおり、皮むきが終わっていないタイヤは滑りやすいため、スリップ・転倒のリスクがあります。スリップ・転倒を避けるためには、急発進・急ブレーキをかけないこと、およびバイクを倒さないことが重要です。

バイクを倒さないと、当然カーブは曲がりにくくなります。したがって、速度も通常の走行より大幅に控えることが必要です。感覚的には、通常走行の半分程度のスピードと思っておいてください。

なお、カーブの途中でブレーキをかけると、スリップによる転倒のリスクが高まります。そのため、カーブの手前では大幅に速度を落としてからゆっくりと曲がりましょう。カーブを抜ける前の加速も、やはり転倒リスクがあるため控えます。

この状態で数十km走れば、タイヤのセンター付近にあるワックスはだいたい取れているでしょう。その後は、バイクを傾けすぎないことを意識しつつ、徐々に通常通りのブレーキングや加速をするようにしていきましょう。

慣らし運転中盤以降の注意点

上記の点に気を付けて数十km走れば、最も転倒しやすい時期は過ぎます。
慣らし運転中盤以降は、徐々にバイクを倒していきましょう。タイヤのセンターだけでなく、その周辺への接地部分を増やしていくことがポイントです。ただし、コーナリング中のブレーキングや加速はまだ控えてください。

バイクを倒す・タイヤの接地面を増やすの2点を意識した状態で、十分慣らし運転をしたら、次はコーナリング中のブレーキングや加速も徐々に試していきましょう。クローズ環境での8の字走行を繰り返すと、効率的に行なえます。

以上のようにして100辧弊莉劼量椣臓砲曚描れば、タイヤ皮むきのための慣らし運転は完了です。

なお、皮むきを完了しても、タイヤの端に皮が残っていることもあるかもしれませんが、あまり気にする必要はありません。そもそもタイヤの端は、一般的な走り方ではあまり使うことがない部分です。慣らし運転で100kmほど走行しても接地していない部分は、その後も使うことがないと考えられるため、安心してよいでしょう。

慣らし運転以外でタイヤの皮むきは可能?

タイヤの皮むきは、慣らし運転以外にも、クレンザー・洗剤・パーツクリーナー・ヤスリなどを使って行なうことも可能です。

慣らし運転で皮むきする場合は、前述のとおり100卍度を走行しなければなりませんので、ある程度の時間がどうしてもかかります。その点、クレンザーなどを使えばそれほど時間をかけずに皮むきが行なえます。

注意点

クレンザーなどを利用しての皮むきは、ひび割れなどタイヤが劣化する原因となる点に注意が必要です。タイヤには、ゴムの劣化を防ぐ老化防止剤などの油分が含まれており、クレンザーなどを使うと、このように必要な成分まで落としてしまうことがあります。

タイヤメーカーも、クレンザーなどを使っての皮むきは推奨していません。行なう場合は自己責任となることに留意しましょう。

ここからは、クレンザー・洗剤・パーツクリーナー・ヤスリを使った、4つの方法についてそれぞれ詳しく説明します。上記の注意点を踏まえたうえで、ぜひ参考にしてください。

クレンザーを使って落とす

クレンザーは、しつこい汚れを落とすためにあるものです。強力な研磨剤が含まれているので、タイヤの皮むきにも使えます。

クレンザーを使っての皮むきの方法は非常に簡単で、たわしにクレンザーと水を付け、タイヤの接地部分を擦るだけです。

ただし、擦りすぎると老化防止剤などタイヤに必要な油分まで落としてしまうので、擦りすぎないように注意しましょう。

タイヤの皮むきができたかどうかは、水をかけてみれば判断可能です。皮むきをする前は、表面にワックスが残っているので、水をかけたタイヤは水を弾きます。一方、表面のワックスがなくなると、水をかけてもタイヤは水を弾かなくなるので、皮むき完了の目安となるでしょう。

クレンザーによるタイヤの皮むきは、以下の記事でも解説しています。

バイクの新品タイヤは皮むきが必要!皮むきでクレンザーを使うのはアリ?

洗剤を使って落とす

タイヤの皮むきは、スーパーなどで売っている、一般的な台所用洗剤を使って行なうこともできます。ただし、タイヤ表面のワックスを落とす力は、クレンザーと比べると洗剤は弱めです。そのため、洗剤で皮むきをしようと思うと、時間がかかるかもしれません。

また、洗剤が強すぎると、有効な油分を落としすぎてしまう可能性があるため、洗剤は必ず水で薄めて使います。

やり方は、洗剤を付けたスポンジでタイヤを擦るだけと、シンプルです。ワックスが取れたかどうかは、クレンザーの場合と同様、水をかけて弾くかどうかで確認してください。ワックスが取れたら、洗剤がタイヤに残らないよう、十分な水で洗い流しましょう。

パーツクリーナーを使って落とす

こちらは、パーツクリーナーを吹きかけたウエスなどでタイヤを拭いて、タイヤの皮をむくやり方です。たしかにこれで、タイヤの皮を落とすことはできます。実際にやってみれば、使ったウエスはワックスで茶色くなり、水も弾かなくなることが確認できるでしょう。

しかし、パーツクリーナーが油分を落とす力は、クレンザーや洗剤の比ではないほど強力なため、パーツクリーナーでの皮むきは決しておすすめしません。

強力に油分を落とすパーツクリーナーは、タイヤに必要な油分を落としすぎる可能性が極めて高いと考えられます。特に、パーツクリーナーがタイヤのゴムに染み込んでしまった場合は、タイヤに大きな悪影響を与えることもありえるでしょう。

タイヤメーカーでも、「タイヤには油脂類を付着させないように」と注意しています。「どうしてもパーツクリーナーを使いたい」という場合には、タイヤに直接吹きかけるのは絶対やめ、必ずウエスなどに吹きかけてから、軽く拭くようにするのがよいでしょう。

ヤスリを使って落とす

タイヤの皮はヤスリを使っても落とせます。ヤスリはクレンザーや洗剤、パーツクリーナーなどと違って、油分を落とす成分が含まれません。そのため、老化防止剤などの有効成分を落としてしまう心配がないのがメリットといえるでしょう。

使用するヤスリは「3M™スポンジ研磨材」がおすすめです。この製品はスポンジの表面に研磨粒子を塗布・接着したもので、弾力性があるために、タイヤなどの曲面を磨くのに向いています。

研磨粒子の番手も豊富にラインナップされています。最初は粗目の番手で削り、その後に細かい番手で仕上がれば、滑らかに仕上げられるでしょう。

ただし、汚れを落とすクレンザーや洗剤、パーツクリーナーなどと比べると、ヤスリは力ずくで表面を削っていくことになります。そのため、全体を均一に削るのは、体力的に大変かもしれません。

まとめ

「タイヤの皮」とは、製造時に付いた離型剤などのワックス類がタイヤの表面に残ったものです。基本的には新品のタイヤに付いているものですが、中古品でも、見栄えを良くするためにワックスがタイヤ表面に塗られていることがあります。

タイヤにワックス(皮)が残っているとツルツルと滑りやすいため、スリップや転倒が起こる可能性も高まります。したがって、タイヤの交換後は十分に皮むきを行なって、スリップ・転倒を予防することが大事です。

皮むきにはいくつかの方法がありますが、タイヤメーカーが推奨しているのは、慣らし運転によって行なう方法です。最初はバイクをあまり傾けず、緩やかな速度でスタートし、徐々にバイクを倒してタイヤの側面を削っていきます。

また、クレンザー・洗剤・パーツクリーナー・ヤスリなどによっても皮むきは可能ですが、タイヤに必要な油分まで落としてしまわないよう、十分注意しましょう。

本記事は、2021年12月27日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。