IMUの搭載がもたらす革新的なコントロール技術
15年型から、リッタークラスの市販スーパースポーツモデルは新たな時代に入った。これにより、一般ライダーがより安全にサーキット走行を楽しめる方向に、大きな進化を達成しているのである。
技術のベースとなっているのは、前後/左右/上下方向の加速度測定ユニット(=IMU)。車体がどのように動いているのかを細かく解析して、そのデータを各種電子デバイスの制御に利用することで、200馬力に達するモンスターマシンは、従順に手なずけられるようになった。
ABSやトラクションコントロール、あるいはウイリーコントロールなど、近年のスーパースポーツには多くの電子制御アイテムが搭載され、ライダーの操縦を助けてきたが、それらは刻々と変化する走行状況に対応する能力は、あまり備えていなかった。しかしIMUの搭載により、その瞬間にもっとも適した制御を実現できる可能性が大きく高まった。
本来は、サーキットにおいてマシンをより速く走らせる技術のひとつとして取り入れられたIMUだが、これはごく普通の一般ライダーが、公道を含めたフィールドでファンライドをより安全に楽しむためのアイテムとしても機能する。いやむしろ、ライディングスキルが高くない一般ライダーだからこそ、電子制御アイテムのフルサポートによる恩恵を受けやすいと考えることもできる。
電子制御によって、リッタースーパースポーツはもっとも扱いやすいジャンルに変貌しようとしている。