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かつて日本のバイク乗りはパワーと排気量に価値を求めた
SUZUKI GSX1300R HAYABUSA
00年代
200馬力/300km/h
SUZUKI
GSX1300R HAYABUSA
中古車相場価格54.12万円〜320万円
99年型のGSX1300Rハヤブサ(1299cc/175馬力)が、公道用市販二輪車初の実測300km/h超を達成。数年後、メーターでの299km/h自主規制が導入された。写真は、197馬力となった2代目の08年型ハヤブサ1300。
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HONDA CBR1100XX SUPER BLACKBIRD
90年代
150馬力/280km/h
HONDA CBR1100XX SUPER BLACKBIRD
中古車相場価格30万円〜83.8万円
90年代に入ると、150馬力は憧れから現実になった。いっぽうで最高速競争は、カワサキが放った90年型ZZR1100(1052cc/147馬力)以降は沈静化。しかし96年のCBR1100XX(1137cc/164馬力)で再燃!
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KAWASAKI GPZ900R
80年代
130馬力/250km/h
KAWASAKI GPZ900R
中古車相場価格29.9万円〜230万円
先代のGPZ1100からは排気量ダウンだが、エンジンは水冷に。908cc/115馬力で、230km/hに到達したのがGPZ900Rだ。これ以降、80年代は130馬力で250km/hの時代に突入した。
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400より大きな排気量だからアッパーミドル

日本を取り巻くバイク環境だけを考えると、ミドルクラスと一口にいうと400ccも含まれる。もちろんこのクラスには、日本独自の免許ランクである普通二輪免許でも乗れるという、最大のメリットがある。
 ただし、バイクのポテンシャルということで考えれば、現在の400ccクラスは不利な部分も多い。そもそも、国内における販売台数の減少などから、日本独自のクラスに各メーカーが新車をあまり導入しないという実状がある。そして、2気筒エンジンが増えてきた現在はとくに、400ccクラスでは中上級者が乗るには物足りない性能しか発揮できていない機種も多い。
 いっぽうで、400ccよりもワンクラス上、つまり『アッパーミドル』は、グローバルクラスとなっていてラインアップも豊富。同じ車体を使う400ccクラスのモデルと比べれば、出力にも余裕があり、それでいて車格は、400ccクラスと同等なのだ。

2009-2013年の大型二輪免許取者数
ここ数年、普通二輪免許の新規取得者が横ばい状態なのに対し、大型二輪免許の取得者数は増加傾向だ!
出典:日本自動車工業会/2013年度二輪車市場動向調査

矢印

リアサスを車体右側にオフセット配置しているのが特徴的なスチール製フレームに、水冷並列2気筒エンジンを搭載するシリーズ。650をベースに開発された400は、排気量が399ccで最高出力は44馬力。グローバル展開される650は、649ccの排気量で71馬力を発揮する。車体は、基本的には共通だ。

矢印

鋼管トラスフレームに、水冷90度Vツインエンジンを搭載するスタイリッシュネイキッド。国内仕様の400は、399ccの排気量で55馬力。欧州市場などで販売されるグラディウスは、排気量645ccで72馬力。以前の国内騒音規制に対応するカバー類など装備の差から、車重は400のほうが1kg重い。

性能至上主義に市場が疲れてきた!?

 有史以来、モーターサイクルの進化は性能の追求、その中でもスピードへの挑戦によって続いてきた。

 国内4メーカーが躍進する近代史を振り返ってみても、60年代なら市販車で初めて200km/hを超えたホンダのドリームCB750フォア、これに対抗すべく72年に発売されたカワサキのZ1、80年代なら世界最速をめざして開発されたヤマハのFJ1100やスズキのGSX-R1100、90年代にはカワサキのZZR1100と、最高速にこだわった機種は枚挙にいとまがない。最高速の向上には、マックスパワーの増強が必須であり、そのことから最高速の歴史は、排気量拡大とも非常に密接な関係にある。

 そのいっぽうで、ラップタイムとしての速さも、大きなテーマのひとつとなり続けてきた。80年代のレーサーレプリカは、その代表例。92年にはホンダが、公道でのファンスポーツという新たなテーマで、直線番長でもなければレースベース車(当時はナナハン)でもないCBR900RRファイヤーブレードを世に送り出したが、それすら10年ほどの間に、リッタースーパースポーツというラップタイムを重視するクラスに集約されてしまった。

 そしてもちろん、それらの性能競争は、当時のライダーたちを熱狂させてきた。だからこそメーカーも、こぞってハイスペックを追い求めた。

 しかし、80年代以降にミドルクラス以上のメイン市場となってきた欧州では、ライダーの高年齢化が進行。日本もそうだが、この10年はその傾向が特に強く、いわゆる“元気のいいライダー”は減少してきた。また同時に、スピード違反取り締まりの強化など、バイクを取り巻く環境も昔とはだいぶ異なってきた。

 このような状況を考えてみれば、かつてのように重くて大きいけどバカみたいに速いとか、人間の能力が試されるほどハイスペックというバイクから、市場が求めるニーズが変わりつつあることは必然ともいえる。高齢化は、成熟でもある。「扱えなくてもいいから、大排気量でハイパワーで速い」の時代から、「身の丈に合うジャストサイズ」に、トレンドは転換したのだ。

 それを、老化による衰えとするのか、経験による賢者の選択と考えるのかは、人ぞれぞれである。

KAWASAKI Z750
KAWASAKI Z750
中古車相場価格41.8万円〜79.8万円
欧州市場におけるダウンサイジングの先駆者が、ソリッドなスポーツ性を追求したZ1000をベースに開発された05年型Z750。現在はZ800に進化している。
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