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数字で見るアッパーミドル
SUZUKI V-STROM650 ABS
SUZUKI
V-STROM650 ABS
中古車相場価格59.8万円〜84.9万円
この5年以内に国内仕様ラインナップに新規追加された機種のひとつ。13年1月発売。66馬力の645cc水冷Vツインエンジンを積む。
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国内4メーカーのアッパーミドル割合(250cc以上)
原付を除く(軽二輪以上の)国内4メーカーのラインナップ数に対してアッパーミドルが占める割合を、5年前と比較。台数だけをみると、10年の7台に対して、15年は21台と3倍増。全体に占める割合も増えている。
国内4メーカーの国産仕様ラインナップにおけるアッパーミドルの台数変化(400cc以上)
国内4メーカーの国内ラインナップで、400ccクラス以上におけるアッパーミドルがどれほどの割合になるかをまとめてみた。上にも書いたが、アッパーミドルはこの5年間で台数が3倍となり、比率を高めている。
GooBike編集部調べ
現行モデル数56台

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5 年3月現在、日本で購入できるアッパーミドルを調べてみると、国内4メーカーの国内仕様車だけでも21機種(ABSの有無やスペシャルエディションなどは同一車種として計算)があることがわかった。さらに、日本で購入できる外国車ブランドのラインナップを数えてみると、一般的にメジャーと考えられるブランドだけで35機種。これだけで、56台ものバリエーションになる。
 さらに、これらに加わっていない、国内4メーカーの海外仕様車についても調査。昔からアッパーミドルが豊富にあるヨーロッパ市場をみてみると、そのラインナップに54台のアッパーミドルを確認できた。この中には、日本仕様が設定されている機種も含まれているが、最低でも33台は海外専用ということになる。
 欧州仕様車については、すべてが逆輸入車として日本に入荷されているわけではないが、アッパーミドルの新車ラインナップは超豊富だ!

新車価格95.3万円

同じく、14年後半に販売台数が多かったアッパーミドル新車について、まずはトップ10の平均価格をベーシックグレードで算出してみると、95.3万円となった。この中には、ホンダのVFR800F(135万円)などが含まれていて、平均を大きく押し上げているが、それでもこの時代で100万円を切るのはまずまずと評価できる。そこでこれを、国内4メーカー各社でもっとも人気がある4機種に絞って算出すると、80.0万円と大幅に下がる。販売台数の多いMT-07(69万9840円〜)やNC750X(72万1440円〜)は、平均価格低減にも大きく貢献している。

車両重量213.6kg

日本で14年末に新車の月間販売台数が多かったアッパーミドルを5台抽出。その車重を平均すると、213.6kgだった。大型二輪新車市場で毎年上位に入っているCB1300スーパーフォアが267kgなので、やはりアッパーミドルは軽めだとわかる。人気機種の中では、MT-07が179kgで圧倒的に軽い。また2位のNC750Xが、ほぼ平均値となる217kgとなる(いずれもABSなしのベースグレード)。ちなみに、昨年の小型二輪クラスで新車販売台数ナンバーワンだったヤマハのMT-09も、846ccというアッパーミドルに近い排気量の恩恵もあり、188kgと軽い。

10年以上前からアッパーミドル推しだった

YAMAHA XJ6N
YAMAHA XJ6N
中古車相場価格39万円〜72.4万円
スチール製ダイヤモンド型フレームに600ccの並列4気筒を搭載。ハーフカウルを装備するディバージョン、フルカウル装備のディバージョンFがある。
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和歌山利宏
和歌山 利宏
【わかやま・としひろ】
メーカーで車両開発の経験もあるモータージャーナリスト。マシンの挙動を科学的に解説できるライダーとして、業界内での信頼も高い。

ストレスがないからこそ真に楽しむことができる

 バイクがどんどん大型化し、限りなく高性能化していく現状に、辟易し始めたのは10年ほど前だったろうか。軽量小型化技術が進歩しても、それゆえに大排気量化も進行。想定された条件下で最高でも、非日常的になり過ぎていった感もあった。

 思い起こすと、90年代までは、車格やパワーを持て余していると感じたことは、あまりなかった気がする。小柄な僕にとって、大きい車体を振り回すことに征服感があったし、パワーを使い切ることがライダー冥利に尽きると思ったことも事実だった。なのに、それが苦痛に感じられるようになってきた。

 自分が歳を取ったせいだろうか。いや、それだけはないはずだ。実際、昔のバイクに乗る機会があると、あれだけデカくて迫力モノと感じたモデルが不思議なくらい身近に感じたこともある。

 非日常的なものを否定する気は毛頭なく、それはそれで凄く魅力的だ。だが、それはハイエンドモデルという位置付けであるべきで、ベーシックモデルとして誰もが楽しむものではない。バイクとは、移動の足として使いながら、気が向いたらどこでも遊べるというのが本来の姿なのである。

 そう考えたとき、600〜800cc程度のアッパーミドルクラスが主流となるのは、当然の流れである。ただ、すでに25年ぐらい前に600ccクラスは人間にジャストサイズと見られながらも、性能的にリッタークラスに後塵を浴びないものが要求され、高回転高出力化が進み、扱いにくい面も出ていた。

 そこで02年にカワサキがZX-6RベースのZX636、04年には4気筒のトライアンフ・デイトナ600の拡大版650、スズキGSX-R600と基本を共用するR750といった600ccモデルのスケールアップ版が相次いで登場し、好評を集めた。

 800ccクラスにも、魅力的なモデルが出現してきた。その流れに大きく影響を及ぼしたのは、06年のBMW F800かもしれない。ストリートモデルとして性能に過不足がなく、ストレスなく扱える大きさであることを、多くの人が認識し始めたのである。

 もちろん600ccだって、09年に登場した写真のXJ6Nのように身のほどにあった特性とすれば最高だ。

 と、こんな具合にアッパーミドルクラスが充実。大型免許を取得した人が、その優越感からリッタークラスに走りがちな傾向はなりを潜め、昨今は実質的に使えるものを選ぶようになっているのは嬉しいことだ。

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