主流ではないが、一部ではコアな人気のマシンたち
2ストロークレーサーレプリカの市場では、いまも昔もホンダ・ヤマハ・スズキの3社のマシンが人気。しかしそれ以外にもレプリカと呼べる贅沢な作り込みをしたマシンがあった。珍しいところでは、イタリアのアプリリアが販売していたRS250だろう。実はこのマシンのエンジンはスズキのRGV250γのものを搭載していたのだ。しかし車体側はアプリリアオリジナルということもあって、日本のマシンとは一味違った雰囲気を持つ。
また、カワサキもレプリカマシンを作っていた。それがKR250Sだ。エンジンはレーサーKR350/250譲りのタンデムツインというレイアウトで、唯一無二の存在感を放っていたが、程なくして並列2気筒のKR-1Sへとバトンタッチし、数年後にはその短い歴史に幕を下ろすことに。カワサキの場合は他のメーカーと違って、早い時期にWGPから撤退したために世の中の全盛期にレプリカマシンを作る意味もあまりなかったといえるだろう。
アプリリア RS250
スズキRGV250γのエンジンを積むイタリアンマシン。日本車とは違う雰囲気と高級感溢れる作りが魅力的だ。
アプリリア RS50
比較的最近まで製造されていたRS50。フルサイズの50ccレプリカとして人気は高い。価格は比較的高めといえる。写真は最終型。
カワサキ KR250S
図のようにピストンが前後に二つ並ぶタンデムツインという珍しいレイアウトを採用していたKR250S。しかし販売面では振るわず……。
根強い人気の2ストオフ!
かつては、オフロード車にも2ストロークエンジンを搭載した過激なモデルが存在した。ホンダのCRMやカワサキのKDX、スズキのRMXなどがそれで、実は今でも程度の良い車両は高値で取引されていたりする。特に軽さを求めるオフライダーにとっては2ストマシンの軽快さとパンチのある加速は今でも十分に魅力なのだ。
ただ過激な性能が魅力だった2ストオフもレーサーレプリカ同様に90年代の終わりに全てのモデルが製造中止となってしまった。
カワサキ KDX220SR
レーサーKXの技術を随所に盛り込んで大ヒットを記録したKDX220SR。性能はお墨付き。やはり最終型の人気が高い。
ホンダ CRM250AR
2ストオフの中でも一番人気と言えるホンダCRM250。中でも最終モデルのARは今でも高値安定傾向の人気モデルだ。
いま新車で買える2ストって!?
もはや原付スクーターですら4ストエンジンを積む現在。現在購入できる、公道走行可能な2ストロークの新車はほぼないと言っても過言ではない。現代は完全に4ストロークエンジンの時代なのだ。どうしても新車に乗りたいというのであれば下のようなコンペマシンに乗るしかないのが実情だ。
もちろん、これらのコンペ車両もいつまで販売を続けるかは誰にもわからない。来年になって突如生産が止まってもなんら不思議はない。いまのうちに乗っておく?
KTM 125EXC
未だに2ストオフを作り続けているKTM。エンデューロでは125EXCも人気車両だ。年式によってはナンバーの取得が難しいかも。
ヤマハ YZ250
モトクロッサーも4スト化が進み、国内メーカーではもはやヤマハしか新型モデルを作っていない。写真は2011年型のYZ250。
※相場価格はすべてGooBike編集部調べ