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2ストローク レーサーレプリカを乗り続けるための心得

〜これからも乗り続けるために〜

部品の心配は常にしておこう

 レーサーレプリカ最後のマシンが姿を消してから、既に10年以上の月日が経っている。憧れの車両を手に入れたとしても、少しでも長く愛車の性能をキープするためには、特にエンジン周りを中心とした部品の心配もしておく必要がある。外装や足周りはカスタム化を割り切ってしまえばどうにでもなる場合は多いが、各車両で一番の特徴となるエンジンだけはそうはいかない。新車が数多く売られていた時代では、チューニングパーツも存在したが、今ではチャンバーやCDIが一部残っているくらいだ。それだけに、購入する際には車両の走行距離はもちろん、重要な部品が今でも手に入るのかどうかを購入するショップにもよく確認しておきたい。
 一部のショップではピストンやオイルシールなど肝となる部品をストックしている場合もあるので、そういったショップと仲良くなっておくことも重要だ。また、最近ではネット上でもオーナー達の情報交換が盛んに行われているから、購入前にある程度の下調べをしておく事もできるはずだ。
 いま敢えて2ストロークレプリカに乗る人々の多くは、後世に車両を残したいと考えるアツイ人たちが多いので、車両や部品探しで困ったときには、彼らとコンタクトを取ってみるというのも一つの手段といえるだろう。

部品の心配は常にしておこう 部品の心配は常にしておこう

年式が古くなればなるほど、「壊れたらどうしよう……」という不安は大きくなる。部品の入手状況など事前の下調べも重要だ。

当時人気だったチャンバー

当時人気だったチャンバーなど社外パーツもまだ新品を製造している場合もあるから当時の定番スタイルを再現する事も可能。

マメなメンテナンスが必要なエンジン

2ストロークエンジンはマメなメンテナンスが必要なエンジンでもある。できれば構造に詳しいショップと付き合いたい。

全ては性能のための作り込みだった

 2ストロークレーサーレプリカが活躍した頃はアツイ時代だった。毎年矢継ぎ早でニューモデルが発表され、いつだって最新技術が盛り込まれていた車両には、『最新こそ最高』そんな雰囲気が漂っていた。
 メーカーもWGPという晴れ舞台で凌ぎを削りながら、革新的な技術を次々に試していった。エンジン技術はもちろん、倒立フォークや片持ちスイングアーム、フローティングディスクなどこの時期に各メーカーが吸収した車体作りに関するノウハウや、各種技術は今でもバイク作りに生かされている。
 時代背景としても、恵まれていた。レーサーレプリカが生まれた時代は、空前のバイクブームを迎え、そのまま日本がバブル景気へと突入していく真っ只中。メーカーも潤っていたから、今では考えられないくらい車両開発にお金をかけることができたし、好景気ともあって高額な車両でも飛ぶように売れた時代でもあったのだ。

84年型NSR500 84年型NSR500

2スト全盛の時代は独創的な技術がWGPの舞台でいくつも試された。写真はガソリンタンクとチャンバーの配置が逆になった84年型NSR500。低重心化を狙った末のカタチだった。

日本人ライダーの活躍した時代

日本人ライダーの活躍した時代だった。写真は当時の絶対王者M.ドゥハーンの前を走る岡田選手。マシンは97年式NSR500だ。

骨格だけを見ればレーサーと瓜二つ

骨格だけを見ればレーサーと瓜二つ、そんなマシンが溢れていた。もちろんレーサーとしてサーキットで使うライダーも多かった。

二度と生まれない贅沢なマシンたち

 いま振り返ってみれば、あの時代のレーサーレプリカはとてつもなく贅沢な装備を持っていた。レーサーと同様の技術を投入したマシンで公道を走れることはみんなの憧れだったが、それが現実になっていた時代だった。例えば現代のライダーでも欲しがるマグネシウムホイールや乾式クラッチなどを最初から装備するモデルがあったことは驚くしかない。もうあんなにアツイ車両は二度と出てこないのではないか、実際にそう考える人は今でも多い。
 4ストロークでは決して味わえない圧倒的な加速感と、レスポンスの鋭いエンジン、そして2ストロークオイルが燃える独特の香りと紫煙。当時を知る人もそうでない人も、程度の良い車両が少なくなる前に、レーサーレプリカの世界に足を踏み入れてみてはどうだろう。

当時のマシンをチューニングし続けるフリーク

サンデーレースへ足を運ぶと、今でも当時のマシンをチューニングし続けるフリークたちの姿を見かけることができる。

レーサーレプリカ

速く走ることだけを考えて生み出されたレーサーレプリカ。現代のスーパースポーツがあるのもこの時代の蓄積があってこそ。

※相場価格はすべてGooBike編集部調べ


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