レーサーレプリカブームの火付け役となったガンマシリーズ

　国産メーカーが90年代半ばまで繰り広げた激しいレーサーレプリカブーム。その火付け役となったのがスズキのRGγ（ガンマ）シリーズだ。1983年にデビューしたRG250γ は、量産車で初めてアルミの角パイプフレームとフルカウルを採用、そこに並列2気筒エンジンを搭載して華々しくデビューした。当時市場に与えた影響は計り知れず、その後は他メーカーもこぞってレプリカマシンの製作に力を入れたほどエポックメイキングなモデルだったのだ。
　登場から５年ほどは並列2気筒エンジンのままで熟成を重ねていたが、88年にはフルモデルチェンジを受けて、エンジンはV型へと進化。同時に車名もRGV250γに変更された。
　また、80年代のγシリーズには大排気量バージョンの400γと500γも存在した。いずれもスクエアフォー（前後２気筒ずつ）というレーサー同様のレイアウトを持つ4気筒エンジンを搭載しており、RZV500と並び今でも数少ないビッグ2ストロークとしてコアな人気を誇っている。