オフロードをスポーティに楽しみたいなら、本格的な装備の250ccモデル(一部はもうちょっと排気量が少なかったりするけど)が、ベストだと思う。
このクラスは、たしかに高出力
ではないけど、オフロードスポー
ツに必要な馬力は十分に満たして
いる。しかも、高速道路はともかく、
市街地走行なら納得できるくらい
のパワーもある。
それでいて、車重が抑えられて
いるし、最低地上高も多めだし、
足まわりのグレードも高いから、オフロードでの運動性はとても高
い。
最近はあまり人気がなくなって
きているが、かつてエンデューロ
レース(オフロードの耐久レース)
が流行っていたころは、このクラ
スの市販車にタイヤだけ、よりオ
フ系のモノを装着したマシンで、
みんなブイブイ言わせていた。そ
んなくらいだから、林道はもとよ
りモトクロスコースでスポーティに
走ることだってできてしまう。
ただスポーティなぶん、自然の
深い林道なんかでは、足着き性が
悪いというデメリットもある。ス
ポーティな走りが前提の設計だけ
に、ゆっくりとした速度で両足を
着きながら荒れた道を行く性能で
は、ちょっぴり劣るというわけ。
まあ、ガタイがいいライダーなら
大丈夫だけど。
じゃあ、なにを持って"本格派"
とするか。これは難しいんだけど、
まずはここ
20年くらいのモデルな
ら、ホイール径がフロント
21インチ、リヤ18インチであること。そ
れから、前後サスペンションのス
トロークが長めで、多少なりとも
調整機構があること。とくにフロ
ントフォークは、高剛性の倒立タ
イプか、しなやかな正立タイプで
もフォークブーツ(インナーチュー
ブを隠すパーツ)が装着されてい
ること。このあたりが、基準にな
ると思う。
とは言え、いわゆるトコトコ散
歩系のなかにも、これに当てはま
るモデルはあるから、やっぱり「車
高が高い」というのが、決め手に
なったりもするけど……。
ともかく、装備が充実した本格
派250オフなら、スポーティな
ファンライドはお手の物。きっと、
新しい遊びが見つかるはず!
オールニューとして開発され、昨年秋に発売が開始されたオフロードスポーツ。エンジンはDOHC4バルブで、燃料供給にはFIを採用。フレームは、鋳造と鍛造のアルミ製メイン部と、鋼管製のダウンチューブを組み合わせている。倒立フロントフォークとリンク式リヤサスは、いずれもフルアジャスタブル。液晶メーターも非常に高機能だ。
ライポジチェック
シート高はかなりあり、よほど体格に恵まれたライダーでないと、両足の裏が同時に接
地することはない。ただしこのクラスは車重が少なめなので、片足ツンツン状態でもけっ
こう支えられる。車体は、デカすぎず小さすぎず、オフロードでスポーツする際にも非
常にしっくりくる。自由度が高い、積極的な走りをうながす設定だ。
WRタイヤ紹介
このクラスの純正タイヤは、ほとんどがオー
ルマイティなオン/オフ用を装着。WR250R
はブリヂストンのTW301/302で、まずまず
のオフ走破性だ。よりオフ走破性に優れるモ
ノ(舗装路ではノイズが大きかったり、減り
が早い場合もある)や、舗装路走行に適した
タイヤ(オフ走破性は落ちる)も、各ブランド
から発売されている。
「闘う4スト」として、90年代に誕生したKLXシリー
ズの現行型。モデルチェンジにより、今年春にデ
ビューした。この際、スチール製フレームやエンジ
ンの基本部分などは従来型から受け継ぎつつ、前後
の足まわりやブレーキ、FI化を含めた吸排気系、ギ
ヤ比、外装類などに変更を受けた。従来型よりも少
しオンロード寄りの味付けだ。
ホンダ
XR250
54万6000円
39万5000円
昨年で生産中止となってしまった、XR
のフルサイズ250。エンジンは伝統の
空冷4ストだが、なかなかにパワフル。
大幅刷新された03年以降のモデルは、
とくにスポーツ性が高い。
ヤマハ
ランツァ
44万9000円
32万9000円
97年からわずか3年弱しか新車販売さ
れなかった水冷2ストモデル。排気量
は224ccで、コンパクトな車体と250
並みの出力(最高出力40馬力)を両立
させた。セル付きだ。
ホンダ
CRM250AR
47万9000円
51万9000円
水冷2ストの公道オフスポーツ代表格
がCRMシリーズ。その最終型となった
のが、クリーン排気と低燃費も実現し
た、97年登場のARだ。軽量ハイパワー
で、運動性は最高レベル。
スズキ
ジェベル250XC
52万3950円
34万6000円
油冷4ストオフスポーツのDR250Rを
ベースに、大容量燃料タンクや大型
ヘッドライト、ハンドガードなどを装備。DRの中止以降もラインアップに残った
が昨年で生産中止となった。
ホンダ
XRバハ
49万9000円
34万円
XR250に、大型デュアルヘッドライト
や大容量燃料タンクを装着するなどし
たモデル。03年にベースモデルが刷
新された以降も旧型のままだった。血
筋の良さが走りに現れている。
カワサキ
KLX250
50万2950円
44万3000円
KLX250の先代。カタチはちょっぴり
古臭いが、走行性能では、むしろ現行
を上まわる。それもそのはず、最高出
力は30馬力で、車重は先代より10s
以上軽い。ハンドガードも装備。