バイクのガソリンタンク(燃料タンク)の掃除・メンテナンス方法【費用も解説】

中古で購入したバイクや長い間乗らずに放置したバイクのガソリンタンク内には、汚れや錆が溜まっていることがあります。これらは燃料詰まりなどのトラブルを引き起こす原因になるため、掃除して除去しなければなりません。
そこで今回は、「バイクのガソリンタンクの掃除・メンテナンス方法」について解説します。

ガソリンタンクの汚れはトラブルの元

日常的に走らせているバイクでも、ガソリンタンク内は汚れが溜まっている場合があります。ガソリンタンク内のゴミはタンク底に沈んでしまうため、給油の際にも気がつきにくく、意識して点検したい箇所といえます。

また、錆は一度発生すると徐々に広がってしまうため、「ガソリンタンク内が錆だらけ」といった事態もないとはいえません。そのようなガソリンタンクの汚れは、放置しているとキャブレター内のバルブやエンジン部に入り込み、トラブルの原因となってしまいます。

トラブルの具体例としては、「燃料が詰まることでエンストを起こす」「エンジンがかからなくなる」などの症状が挙げられます。

ガソリンタンクの洗浄方法「ゴミ取り編」

ガソリンタンクの清掃をする際は、まずガソリンタンク周りのシートやカバー、ホース等を外し、ガソリンタンクを取り外すところからスタートします。

タンク内のゴミを確認する場合は、取り外したタンクの燃料コックを外し、タンクを傾けながら残ったガソリンを透明な容器に移すことで確認できます。この時、あまりにゴミ等の浮遊物が多い場合はタンク底にゴミが残っている場合がほとんどなので、一度、水やぬるま湯を入れ、再びゴミを流し出しましょう。

水やぬるま湯と一緒に家庭用中性洗剤を適量注ぎ入れてからタンクを振れば、おおよその汚れを取り除くことが可能です。
酸化してタール状になったガソリンがタンク内に固着している場合、水やぬるま湯では除去が難しいため、水を入れる前に油性の液体(ガソリンや灯油)を注ぎ、一度溶かしてから洗い流しましょう。

ガソリンタンクの洗浄方法「錆び取り編」

タンク内のゴミや酸化したガソリンを取り除いたら、錆の有無を確認します。錆はタンク内で茶色く変色しているので、ライトを当てれば簡単に確認できます。

錆び取りを行う際は、市販の錆び取り剤やタンク専用の洗浄剤を使用するのが一般的です。それらは、タンク内で化学反応を起こして錆を浮かす役割を持ち、使用時は希釈する商品がほとんどです。

まず、タンク内に錆び取り剤の原液を注ぎ入れ、続いてお湯を注いで規定量まで希釈していきます。希釈液でタンクを満たしたら、燃料キャップを閉めて半日~丸1日程度放置し、頃合いを見て希釈液をタンクから抜いていきます。希釈液が元の色以上に黒ずんでいれば、錆が浮いている証拠なので抜き取る目安にしてください。

そして、タンク内の錆が取れているのを確認できたら、水やぬるま湯でタンク内を洗浄し、自然乾燥させれば錆び取りは完了です。

錆び取り剤の効果を最大限に発揮させるポイントは、タンク内をできるだけ脱脂すること、化学反応を促進するために温めることです。
ガソリンタンクを洗浄する際に油性の液体を注いだ場合は、その後に念入りに中性洗剤で洗っておくと錆び取り剤がより効果を発揮します。また、希釈に使うお湯は60~80℃程度の温度にしておくと、化学反応が促進され錆び取り効果が高まります。

ただし、熱湯を入れることでタンクが歪むこともあるので注意が必要です。特に、へこんでいるタンクは熱湯によって亀裂が入る可能性があるので、不安な場合はお湯の温度を下げることをおすすめします。

ガソリンタンクの洗浄方法「コーティング編」

ガソリンタンクの洗浄方法「コーティング編」

ガソリンタンクのゴミや錆を綺麗に除去しても、コーティングを施さなければ錆が再発してしまいます。清掃したタンクを綺麗なまま使い続けるために、以下の手順でコーティングを行っていきましょう。

ガソリンタンクのコーティング剤で錆を未然に防ぐ

ガソリンタンクのコーティング剤は、タンクに流し込んで乾燥させることでタンク内に塗膜を形成し錆を防止します。形成される塗膜は非常に強固で、ガソリンなどの有機溶剤によって侵されることはなく、一度施工すれば半永久的に錆びることはありません。

ガソリンタンクのコーティング剤は各メーカーから様々な商品が出ていますが、どれも基本的な施工方法は変わりません。タンクは洗浄済みであることを前提に、コーティング材施工の流れをご紹介します。

  1. コーティングの下準備として、タンクを乾燥・脱脂する
  2. コーティング剤が漏れ出ないよう、給油口以外の穴は全て塞ぐ
  3. コーティング剤を注入。液剤が全体に行き渡るようにタンクを回転させる
  4. コーティング剤が内部に行き渡ったら、余分な液剤を抜き取る

コーティングはタンク全体を覆っていないと意味がないので、液剤が行き渡るように念入りにタンクを回転させてください。その後、余分な液材があると中で固まってしまうのでタンクを裏返して抜き取ってください。

自然乾燥でしっかりと数日乾かす

コーティングが完了したら最後に乾燥させましょう。乾燥させる際は塞いでいた穴を全て開放し、風通しの良いところで3日ほど自然乾燥させてください。
早く乾燥させたい場合は、弱風を送るといいでしょう。ただし、ドライヤーで温風を当てて強制乾燥させるのは厳禁です。コーティング剤が変質してしまいます。

セルフメンテナンスを行う際の注意点

錆び取り時に使用する洗浄剤は、鉄やステンレス製品に対して使用するため、アルミタンクへは使用しないよう注意してください。アルミタンクの場合は、市販の錆び取り剤を使用せず、薄めた中性洗剤での洗浄がおすすめです。

また、タンクの取り外しやガソリン抜き、錆び取りには、作業ができるだけの十分なスペースと、ガソリンを入れるための多くの容器が必要です。それらは自治体が定める区分に沿って処分しなければいけないので、セルフメンテナンスを行う際は事前にガソリンや錆び取り剤、希釈液の捨て方を調べておきましょう。万が一、タンクの取り外しや清掃に不安がある場合は、無理せず販売店へ依頼することをおすすめします。

ガソリンタンクをコーティングする場合は、コーティング剤が意図せぬ形で固まってしまわないよう注意しましょう。一度固まってしまうと溶かすことはほぼ不可能です。もしフューエルラインを塞ぐ形で固まった場合、そのガソリンタンクは使用できなくなってしまいます。
乾燥させる際も、塞いでいた穴が閉じた状態で固まってしまうことを避けるために、必ず解放してから乾かしてください。

ガソリンタンクの錆び取りを業者に依頼する費用相場

ガソリンタンクがひどく錆びていた場合など、DIYでは修復が困難な場合はプロに依頼するのも1つの手です。その場合の費用相場についてご紹介します。

ガソリンタンクの錆び取りの相場は1~2万円ほど

ガソリンタンクの錆び取り料金は、車種や排気量によって価格が変わります。車種と排気量別の料金相場を表にまとめました。

スクーター ~124cc 16,000円~
125cc~ 23,000円~
ネイキッド・カウル付きバイク ~124cc 13,000円~
125cc~399cc 14,000円~
400cc~ 16,000円~

上記の料金にはガソリンタンクの脱着工賃も含まれているので、タンクのみの状態で持ち込んだ場合、車種や排気量に関わらず料金は1万円~程度が相場となります。

錆がひどい場合は他のパーツの点検も

タンクの錆がひどかった場合、錆がキャブレターに流れ込んでしまっている可能性が考えられます。
特に、エンストの症状が見られる場合はその可能性が高いです。
そうした場合は、タンクの錆び取りと同時にキャブレターの点検も依頼しましょう。

ガソリンタンクが錆だらけだった……交換するにはどうすればいい?

ガソリンタンクが錆びだらけで修復が不可能だと考えられる場合、新品への交換が必要になります。ガソリンタンクの交換はそう難しい作業ではないので、自分で行うことも可能です。
もし作業に自信がないという方は、バイクショップに持ち込んで交換してもらいましょう。

自分でガソリンタンクを交換する

自分でガソリンタンクを交換する場合、以下の手順で作業を行ってください。

ガソリンタンクを取り外す:

  1. タンクを外すため、まずはシートを取り外す
  2. タンクの上部にあるボルトを緩めて取り外す
  3. 燃料コックをオフにする
  4. 燃料コックに繋がっているホースのクリップを取り外し、ホースを取り外す
  5. タンクと車体に繋がっているものがないか確認し、タンクを取り外す

ガソリンタンクを取り付ける:

  1. タンクを車体に取り付け、タンク上部をボルトで固定する
  2. シートを取り付ける
  3. 燃料ホースを燃料コックに繋ぎ、ホースクリップで固定する
  4. 最後に燃料コックをオンにする

ホースを取り外す際、硬いからといってペンチで掴むのは厳禁なので注意してください。ホースが傷つくと燃料漏れの原因になってしまいます。
ホースとコックの間にマイナスドライバーなどを差し込み、てこの原理でホースを押し出すようにすると、傷つけずに取り外すことができます。

バイクショップに持ち込んで交換してもらう

自分でガソリンタンクを交換する場合は工賃がかかりませんが、バイクショップに交換依頼をした場合どのくらいの工賃がかかるのでしょうか?
ガソリンタンクの部品代は別として、タンクの脱着のみであれば思っているより工賃は安いです。ショップにもよりますが、相場としては1,080円(税込)程度の費用で作業を行ってもらえます。

まとめ

いかがでしたか?バイクのガソリンタンクは金属製なので、中古で購入したバイクや長い間乗らずに放置していたバイクはタンクが錆びてしまうことがあります。
タンクの錆を放置していると、ガソリンの経路に流れ込みトラブルを起こす原因になります。そのため、錆び取りやコーティングといった処置が必要です。
このページを参考に、ガソリンタンクの復活・交換にチャレンジしてみましょう!

本記事は、2020年2月6日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。