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FCRキャブレターの効果は?セッティング&オーバーホール方法まとめ

走る楽しさを追求したFCRキャブレターには、インジェクション車にない魅力が満載です。「自分でキャブレターセッティングをしてみたい」「もっと走りを追求したい」「とにかく加速を重視したい」という方は、FCRキャブレターを搭載するバイクへの買い換え、またはエンジンの積み替えを検討してみてはいかがでしょうか。

この記事では、FCRキャブレターの概要とメリット・デメリット、セッティングやオーバーホールの方法をわかりやすく解説します。

FCRキャブレターとは?メリット・デメリット

FCRキャブレターには、どのような特徴があるのでしょうか?ライダーにとってのメリット・デメリットと併せて見ていきましょう。

そもそもFCRキャブレターとは?

FCRキャブレターとは、キャブレターメーカーの「ケーヒン(KEIHINN)」が手掛ける「フラットCRキャブレター」の略称で、フラットシーアールと呼ばれます。

CRキャブレター(筒状キャブレター)をフラットに並列させた構造のFCRキャブレターが世に登場したのは1989年、レーシングマシン人気が絶えない時代です。ミニバイクやレースバイクまで、“速さ”や“パワー”を求めるマシンに多く採用されてきました。

FCRキャブレターはスロットルワークでピストンバルブの開閉をおこなう強制開閉式。スロットルを開ければ加速ポンプからダイレクトに燃料を供給できる構造が特徴的です。細かなセッティングやスロットルワークを駆使して、インジェクション車にはないダイレクトな乗り味を楽しめます。

FCRキャブレターのメリット

FCRキャブレターは走行時の操作性やレスポンスの良さが魅力。走行では、以下のようなメリットを得られます。

エンジンをパワーアップできる

FCRキャブレターは混合気を効率よく燃焼させ、エンジンが本来持っているパワーを引き出します。セッティング次第でエンジンのパワーアップをはかることができます。

加速力を増加させられる

加速ポンプから燃料が噴出される機構が採用され、アクセルを開ければ素早く加速することが可能。レースやサーキットだけでなく、街乗りでも走り出しの速さを体感できるようになります。

素早いレスポンス

スロットルワークに応じた素早いレスポンスで、自分だけの走りを実現できます。アクセルを微調整すればエンジン回転や走りに素早く変化が出るため、感覚が研ぎ澄まされます。

FCRキャブレターのデメリット

FCRキャブレターに変えると以下のようなデメリットもあります。適切な対処を施し、理想のバイクへ近付けましょう。

定期的なメンテナンスが必要

FCRキャブレターは純正キャブレターに比べると消耗パーツが多いことから、定期的な点検・交換が必要です。最低でも1年に2回以上(夏・冬)のメンテナンスをおこないましょう。

エンジン寿命は短くなる

エンジンに過度な負担をかけたり、メンテナンス不足のまま走行を続けたりするとエンジン寿命が短くなります。純正キャブレターに比べると走行によるエンジンへの負担は大きくなります。

燃費が悪くなることもある

インジェクション車に比べて丁寧なスロットルワークが求められるため、技術が追い付かないと燃費性能が悪くなることがあります。自分の走りに合わせた適切なキャブレターセッティングをおこない、バイクに最適な状態を維持・実現できるよう工夫することが大切です。

FCRキャブレターのセッティング方法

FCRキャブレターのセッティング方法

キャブレターセッティングは最適な燃焼を生み出すために欠かせません。曖昧なセッティングのままでは走行フィーリングが悪くなるだけでなく、エンストや燃費悪化、パーツの汚損にもつながるため注意してください。FCRキャブレターのセッティングで必要な道具や方法について、以下で見ていきましょう。

FCRキャブレターのセッティングに必要なもの

FCRキャブレターのセッティングに必要な道具は、以下のようなものがあります。

エアスクリュー調整用のドライバー

キャブレター調整用のドライバー、または長いマイナスドライバーでエアスクリューの調整をおこないます。短いマイナスドライバーがあると、パイロットスクリューの調整に使用できます。

排ガステスター

空燃比をデータで分析し本格的にセッティングするには、排ガステスターを使用します。

紙切れ

燃焼状態を確認する際に、テールパイプにあてて使用します。セッティングが適切でなく燃焼にムラがあると排ガスの流れが乱れ、紙切れが一定方向になびかなくなります。また、点火が十分でないと紙切れがテールパイプに吸い込まれます。

交換部品

マニホールドやジェットニードル、スロージェットやメインジェットなど、FCRキャブレターのセッティングパーツは多岐にわたります。燃焼効率や走行時のフィーリングなどを細かく見極めながら調整していく必要があります。

FCRキャブレターのセッティング方法

FCRキャブレターの基本のセッティング手順は、以下のとおりです。

  1. FCRキャブレターを分解し、使用されているセットパーツを確認する
  2. 交換の必要があるセットパーツを入れ替える
  3. FCRキャブレターを組み立てて、車両に取り付ける
  4. 暖気運転をし、回転数が落ち着いたらエアスクリュー、パイロットスクリューを調整する
  5. 実際の走行でアクセル開度の領域(1/8~1/2程度)に合ったニードルの太さを探り、変更する
  6. 実際の走行でパワーの出方や加速具合、吹け上がりを確認して完了

FCRキャブレターのオーバーホール方法

FCRキャブレターはメンテナンスを兼ねたセッティングの際に、オーバーホールが必要となります。理想の走行を実現するには季節(外気温)に応じたオーバーホールをおこない、消耗部品の交換やセッティングを実施していきましょう。

FCRキャブレターのオーバーホールに必要なもの

FCRキャブレターをオーバーホールする際は、整備マニュアルに記載の基本の工具・ツールのほか、以下のようなものを用意しましょう。

交換用の消耗部品

摩耗しやすいゴム系パーツ、ワイヤー類、金属パーツなどを必要に応じて用意します。フロート類はタンクの錆やガスで汚れて腐食しやすいため、長年交換していない場合は新品に交換するのがおすすめです。

洗浄剤(パーツクリーナー)

分解できるすべてのパーツの洗浄に使用します。

トレーやケース

ボルトやネジ、精密部品など、細かな部品を小分けして並べる際に使用します。

FCRキャブレターのオーバーホール方法

  1. FCRキャブレターからエアクリーナーやホース・ダクト類を抜き、バイクから取り外す
  2. FCRキャブレター内のガソリンを抜く
  3. ボトムケース、フロートとバルブ、パイロットスクリューなどのパーツを外す
  4. 各穴にキャブクリーナーを吹いておく
  5. トップカバーを外す
  6. メインジェット、ニードルジェット、スロージェットを外す
  7. スライドバルブ、バルブシートを外す
  8. 加速ポンプを外す
  9. 必要に応じて各部品を洗浄・注油する
  10. 消耗部品があれば新品に交換し、組み上げる
  11. バイクに取り付けてホース・ダクト類、エアクリーナーの接続を確認して完了

まとめ

  • FCRキャブレターとはフラットCRキャブレターのこと
  • FCRキャブレターはパワーと加速力に優れているため、走りを追求するバイクに採用すると効果的
  • FCRキャブレターのメリットはエンジン性能を引き出して自分好みの走りにセッティングできること
  • FCRキャブレターのデメリットは細かなセッティングや定期的なメンテナンス&オーバーホールが必要になること
  • FCRキャブレターのセッティングやオーバーホールには特殊な道具を用意する必要もあるため、信頼できるバイクショップへ作業を依頼することがおすすめ

FCRキャブレターの作業実績一覧はこちら

本記事は、2020年3月27日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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