バイクのタンクを塗装する手順は?塗装のコツをマスター!

バイクのタンクはズボンのチャックが当たったり転倒時に地面にぶつかったりと、何かと傷付きやすい箇所です。傷付いたタンクを新品のように蘇らせるために、再塗装したいと考えたことはないでしょうか?

また、傷の補修だけでなく単純にドレスアップ目的でタンクを塗装したいと考える方もいるでしょう。
どちらにしても、塗装はしっかりとした手順に従っておこなわないとうまく仕上がりません。

そこでこの記事では、「タンクを塗装したいけど、どうやってやればいいんだろう・・・」と悩んでいる方に向けて、バイクのタンク塗装手順を解説します。本記事を参考に、塗装のコツをマスターしてください。

バイクのタンクを塗装するのに必要なもの

タンクを塗装するにあたって、まずは必要な道具を揃えましょう。必要なものと、あったほうが便利なものがありますので、それぞれご紹介します。

必要なもの

①耐水ペーパー

研磨や下地作りに使います。番手は#400〜1,500くらいまでを揃えるといいでしょう。

②サーフェイサー

塗装の下地に吹く塗料です。表面の微妙な凹凸を埋め、塗装の乗りを良くする効果があります。

③塗料

最も重要なのが色を決める塗料です。専門用語ではベースカラーとも呼ばれます。強度的にはウレタン塗料がおすすめですが、ラッカー塗料を使うことも可能です。

④ウレタンクリア

ウレタンクリアは最後の仕上げに吹くトップコートです。普通のラッカークリアだとガソリンで溶けてしまうので、トップコートは必ずウレタン製のものを使用しましょう。

⑤脱脂剤

塗装前に表面の油分を取り去るためのものです。油分があると塗装を弾く原因になるので、必ず脱脂剤で脱脂しましょう。専用品のシリコンオフスプレーを使ってもいいですが、中性洗剤で洗っても同様の効果が期待できます。

あったほうが便利なもの

①ミニサンダー

ミニサンダーは電動で動くヤスリのことです。手作業でも研磨はできますが、ミニサンダーがあれば楽に下地作りができます。

②アセトン

アセトンは塗料のついた器具を洗浄するための溶剤です。缶スプレーで塗装する場合は特に必要ありませんが、スプレーガンを使う場合はアセトンを使って洗浄しましょう。

③剥離剤

剥離剤を使えば古い塗装を簡単に剥がすことができます。古い塗装にヤスリをかけて上から塗装することもできますが、古い塗装が劣化している場合などは剥離剤で完全に除去したほうが確実です。

タンクの塗装前に押さえておきたいポイント

タンクの塗装前に押さえておきたいポイント

必要な道具が揃ったら、塗装をする前に押さえておくべきポイントをチェックしていきましょう。これらのポイントを押さえておけば、塗装で失敗するリスクが小さくなります。

スプレー缶はいいものを選ぶ

「値段も安いしホームセンターで売っている缶スプレーを使おう」と考える人も多いと思いますが、タンクの塗装にホームセンターの缶スプレーを使うのはおすすめできません。

缶スプレー選びは塗装のキモです。少し値は張りますが、車用の塗料を使いましょう。たとえば、ホルツやソフト99などの缶スプレーです。

ホームセンターの缶スプレーと車用の缶スプレー、何が違うかというと、一番の違いは塗料の粘度。ホームセンターの缶スプレーは塗料の粘度が低く、塗装した際に垂れやすいです。

塗料が垂れると修正が大変ですし、リカバリーに失敗すれば仕上がりが汚くなってしまいます。スプレーを選ぶ際は、垂れにくい車用スプレーを使うようにしましょう。

スプレーは最後まで使い切ろうとしない

もったいないのでスプレーは最後まで使い切りたくなりますが、ある程度のところで使用をやめましょう。スプレーは使っているうちに中のガスも減っていくため、使うほどガス圧が下がってしまいます。

ガス圧が下がるとスプレーがダマになって噴射され、塗装がキレイに乗りません。また、塗装の表面に気泡が混ざることもあります。ガス圧が減ってきたと思ったら、そのスプレーを使用するのは中止してください。

脱脂を怠らない

意外と忘れがちなのが脱脂です。油が表面に少しでも付いていると、塗装を弾く原因になります。後から修正することもできますが、余計な手間や失敗するリスクを減らすためにも脱脂は入念におこないましょう。

先ほど必要な道具でもご紹介した「シリコンオフスプレー」を使う場合、塗装するパーツに吹きかけてウエスで拭き取れば脱脂できます。

中性洗剤を使用する場合は、1:100程度で中性洗剤を水で薄め、塗装するパーツを洗浄して水ですすいでください。水滴が残っていると塗装を弾いたり垂れたりする原因になるので、塗装前にしっかりと乾燥させましょう。

なお、基本的にはどちらの方法で脱脂しても問題はありませんが、鉄製のタンクは水で洗うとすぐに錆びてしまうので、シリコンオフスプレーを使うようにしてください。

スプレーは一度で塗ろうとしない(薄く重ねていく)

初心者が塗装で失敗する一番の原因は、一発で塗り切ろうと一度にスプレーを大量に吹き付けることです。これによってムラができたり塗料が垂れたりと、仕上がりが汚くなってしまいます

美しく塗装を仕上げるコツは、薄く塗り重ねていくことです。まずは優しく塗料の粒を乗せるような気持ちで薄くスプレーしてください。1回目の塗装が乾いたら2回目も薄く塗装します。
これを繰り返し、3回目か4回目で完全に色が乗るようなイメージで塗装するといいでしょう。

完全乾燥するまで次の工程には進まない

早く次の工程に進みたくなるところですが、完全に乾燥していないまま上塗りすると表面にヒビのような模様が入ってしまう可能性があります。

これは下地の塗料から揮発する成分が、上塗りの塗料に閉じ込められて行き場を失ってしまうことが原因です。行き場を失った揮発成分が表面に出てこようとする際に、ヒビのような模様が入ってしまいます。

こうなってしまうと、リカバリーするのは非常に大変です。ラッカー塗料であれば10〜20分程度(厚塗りの場合はもう少し置いたほうが安全)で上塗りできますが、ウレタン塗料は乾燥までにかなりの時間を要します。

真夏であれば1日で乾く場合がほとんどですが、真冬は1週間〜2週間程度、乾燥に時間がかかります。トップコートだけでなくベースカラーもすべてウレタン塗料で塗る場合は、乾燥時間に気をつけて作業しましょう。

バイクのタンクを塗装する手順

ここからはいよいよバイクのタンク塗装手順をご紹介します。塗装の手順は人によって若干前後するところもありますが、ここでは一般的な塗装手順をご紹介します。

①下地作り

まずは塗装の下地を作っていきます。剥離剤を使う場合はハケで表面に塗り、しばらく放置すると塗装がめくれ上がってくるので、スクレーパーなどで剥がしてください。これを何度か繰り返し、完全に塗装を剥離しましょう。

剥離剤がない場合は、塗料の食い付きを良くするために古い塗装を耐水ペーパーの#400などで削ってください。削り残しがないように、全体をチェックしながら作業しましょう。

②サーフェイサーを吹く

①で下地ができ上がったら、塗料の下地となるサーフェイサーを吹き付けていきます。サーフェイサーは表面の微妙な凹凸を埋める効果があるため、何度か重ね塗りして少し厚塗りしておきましょう。

サーフェイサーが乾燥したら、耐水ペーパーの#1000などで全体を研磨します。これは専門用語で「足づけ」といい、サーフェイサーに細かな傷を付けることで上塗りの塗料の乗りを良くする効果があります。

③塗装

足づけが完了したら、いよいよ塗装です。先ほどのポイントでも解説したように、薄く塗り重ねていくイメージで塗装していきましょう。

また、塗り重ねる際は焦らずにしっかりと乾燥させてから上塗りしてください。薄く塗り重ねてしっかりと乾燥させることを意識すれば、まず失敗することはないはずです。

④仕上げにクリアを吹く

塗装が完了したら、仕上げにウレタンクリアを吹きましょう。ウレタンクリアも「乾燥→足づけ→上塗り」と、2回から3回重ね塗りをするとキレイに仕上がります。

最後に吹き付けたあと、乾燥させてそのまま完成としてもいいですが、完全乾燥後に耐水ペーパー#2000程度で軽く研磨したあと、コンパウンドで仕上げると美しい鏡面仕上げになります。

まとめ

いかがでしたか?ガソリンタンクはバイクの顔ともいえるパーツです。再塗装することで愛車を美しくしたり、思い通りにカスタムしたりできます。
重ね塗りや完全乾燥など、ポイントをしっかりと押さえることで失敗するリスクはグッと軽減されます。時間をかけて作業することが美しい仕上がりのコツといえるので、作業時間を確保したうえで塗装にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

本記事は、2020年1月30日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。