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学生チーム、ホンダ学園DDボーイズ鈴鹿8耐への挑戦
ホンダ学園・鈴鹿8耐6回目の挑戦
 今年で29回目を迎えた真夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース」。これまで数々のエキサイティングかつドラマティックな展開を繰り広げてきたこのビッグレースに挑戦する学生たちがいる。その学生たちとは、プロフェッショナルのエンジニアを育成する『ホンダ学園・ホンダテクニカルカレッジ関西』に通い“二輪車整備同好会”に所属する生徒だ。
 ホンダ学園の生徒たちが鈴鹿8耐への挑戦をスタートしたのは、2001年のこと。「チャレンジ精神の高揚と実践の場を通じた人材育成」という目標と、「モータースポーツ精神を学び、その試練から社会に必要な人材となること」を目的に活動。もちろん、8時間という長丁場をどんなことがあっても走りきることが最大の目標だ。
 そうした二輪車整備同好会の活動に賛同し、生徒たちの挑戦に手助けしているのが、全日本ロードレース選手権などに参戦している大阪の名門チームDDボーイズだ。以来、このホンダ学園とDDボーイズの挑戦は、今年の鈴鹿8耐で6回を数える。
 クルマやバイクなどに関する知識や技術を日々学んでいるとはいえ、生徒たちが活動できるのは授業を終えてからの放課後。レーシングチームに所属し、長きに渡ってレースというハイレベルな戦いの場に携わるプロとの実力の差は明らかだ。ましてや、レース経験などなく、ほとんどの生徒が2年という短い期間で学校を卒業し、同好会のメンバーが入れ替わってしまうホンダ学園の生徒たちにとっては無謀な挑戦と言われても仕方がない。
 しかし、そうした逆境を乗り越え、2004年の鈴鹿8耐では並みいる強豪チームに割って入り、見事3位表彰台を獲得した実績があるというから驚きだ。
 鈴鹿8耐に向け、今年走らせるマシンがやってきた春から本格的に始動した二輪車整備同好会。6月上旬に開催された鈴鹿8耐の前哨戦「鈴鹿300km」での結果は12位。ウエットという難しいコースコンディションのレースだったとはいえ、ピット作業などでミスが生じ、大幅なタイムロス。スプリントレースとは違い、タイヤ交換や給油などの作業を行わなければいけない耐久レースにおいて、ミスのないピット作業はポジションアップをねらえるチャンスでもある。逆にミスが生じてしまえば致命的になってしまうのだ。
 この前哨戦を通じて生徒たちに課題が見つかったことは幸いだといえるだろう。レース本番に向けてテストを繰り返すことで課題を克服するチャンスがあるのだから。
 7月最後の週末、生徒たちの挑戦がいよいよ始まる。
生徒たち自らが制作したチームの横断幕。たとえそれが上手でも下手でも、手作りであるところに優しさが感じられる。 これまで8耐に挑戦してきた先輩たちが残したさまざまな記録が大切に保管され、後輩たちに余すことなく継承されている。
基本的には生徒たちの反省文で、そのとき感じたことが率直に記載されているノート。参考になる情報はまさに必見なのだ。 これはバイクを生徒たちが組み上げる授業風景。ちなみに、このスクーターは組み上げ後に実走チェックが行われていた。
教室での授業を真剣なまなざしで受けている生徒たち。このときはキャブレターの仕組みが細かく教えられていた。 構内に設置された応援メッセージには、全校生徒から二輪整備同好会に寄せられ、熱く、心強い言葉が数多く記載されていた。
実機を使った授業はさまざまなものを使って行われる。このときはブレーキをバラし、その後組み立てるという授業だ。 教室での授業よりも、実機を使った授業のほうが生徒たちの表情はイキイキする。さすが全国からメカ好きが集まる学校だ。
2年生 松隈昌平くん
2年生
松隈昌平くん
8耐を通じて自分の目標を探してみたい
高校生のとき、ホンダのCB400SFを購入して、自分でバイクの整備できるようになりたいと思ったのがホンダ学園に入学したきっかけです。前哨戦の鈴鹿300kmではチームメイト全員の体力が全然ないことを実感しました。それを少しでも補うためにチーム全員で毎朝、声を出す練習をしています。チームの目標は表彰台。そして、過去6年間でいちばん元気のあるチームにしようと決めました。個人的にはレースの魅力を見つけられていないので、その魅力を8耐というレースが終わったときに見つけられたらいいなと思っています。そのためには何事にもベストを尽くさなければいけません。8耐は自分探しの活動ですが、将来はレース関係に仕事をしたいと思っています。
ホンダ学園って何?
ホントのメカ好きのための整備学校
初代校長はなんとあの本田宗一郎氏! ホンダ直営、学校法人の整備士学校。ホンダテクニカルカレッジ関西と関東の2校があり、関西の二輪整備同好会が、8耐参戦のベースメンバーとなっている。全寮制で2年間(3年のコースも有)、みっちりと整備や研究開発を学ぶ。メカ好きが集まるだけに、授業はホントに楽しそう。
ホンダ学園
ホンダのサポートを得て実現した鈴鹿8耐への挑戦
失敗を恐れずに思いきり頑張ってほしい
学校が20周年を迎えるときに、生徒たちだけでレースに出場できないものかとホンダにお願いしまして、人材育成を主目的に機会を与えてみようという話をいただいたのが始まりでした。目標は完走することで、もちろんミスをしないことも大切。しかし、失敗をしても思いきりやれたのであればいいと考えています。人として大きく成長してくれたらいいと願っています。
ホンダ学園校長 六角屋雷太氏
ホンダ学園校長
六角屋雷太
心を鬼にして叱咤激励を行う 顧問の先生たちが願うこと
8耐を成功させることで自信を深めてほしい
今年は2年生4名、1年生11名という構成で今年の鈴鹿8耐に挑戦します。本来は1年生はスーパーカブなどを使って基本的なオートバイの整備を行います。2年生になってから、本格的にレースに対する準備であったり、ミニバイクレースに挑戦することで、レースの知識や経験をすることで8耐に挑戦するというのが活動の流れです。今は8耐を戦えるレベルではないかもしれませんが、本番までの時間で精一杯努力して、レースに臨んでもらいたい。そして、自分たちはやればできるんだという自信を深めてくれるとうれしいですね。
教務課主任 田崎勝三先生 教務課整備  インストラクター  白上貴紀先生
教務課主任
田崎勝三先生
教務課整備
インストラクター
白上貴紀先生
ホンダ学園DDボーイズのスポンサーは毎年ウイダー
暑いレースを10秒チャージで乗りきる!?
学生チームとはいえ、ホンダ学園DDボーイズはいまや8耐の名物チーム。スポンサーだってちゃんとついているのだ。2001年から恒例のパートナーとなっているのは、ウイダー(森永製菓)。すばやいエネルギー供給がウリのウイダーインゼリーで、学生たちが過労と酷暑を乗りきっている、かどうかは定かではないが、イメージぴったりのナイスコンビなのだ。
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