いかにも迫力のあるスタイリングが話題となり新たなカテゴリーを構築。いまもなお根強い人気を誇るロングセラーモデルとして有名なV-MAX。昨年の東京モーターショーでは次期デザインスタディモデルが展示され、これまた大きな話題になったのも記憶に新しい。
搭載エンジンは横置きV型4気筒。DOHC水冷16バルブの1.2Lだ。じつはこのパワーユニットのもととなったのは、ベンチャーロイヤル用に開発されたものだったのだ。ホンダ・ゴールドウイングのライバルとして投入した豪華トランスアメリカンツアラーだ。
このエンジンを黒く化粧し、シリンダーフィンサイドを輝かせ、Vバンクに挟まれたダウンドラフトキャブを搭載する。迫力のある加速性能と官能的ダイナミズムを演出したのが始まり。
そして、V-MAXといえばVブーストが有名だ。Vブーストとは回転数に応じて一気筒当たりに二つのキャブレーターから燃焼ガスを導入し、強烈な加速をもたらす。
操縦性に優れるハンドリングマシンをリリースするヤマハの、また一方の異なる強烈な個性を主張。当初は怒濤のエンジンパワーに車体の性能(剛性)が追いついていないほどで、ズ太い加速力には強烈なキャラクターが込められていたのだ。
4気筒マルチは並列(直列)が一般的であることに変わりはないが、V4は幅が狭くできるのが特長。大排気量でも横方向には広がらないボリューム感を誇っているのもデザインアイデンティティといえ、発売から20年以上経った今でも、そのデザインに古さは感じられない。
もととなったベンチャーロイヤルはすでに絶版となってしまったが、このV4エンジンは、V-MAXを象徴するパワーユニットとして健在。V4のイメージアップにも貢献するだろう。 |
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ある回転数からツインキャブになり、猛烈な加速感をみせる。ただし海外モデルの場合はつねにフルブースト! どちらを選ぶかはキミ次第だ。 |
一見エアダクトに見えるが、実際はダミー。燃料タンクもシート下にあるのだ! 造形にこだわってデザインされただけあって、細かいところの演出がにくい。 |
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多くのライダーから支持されているV-MAX。ストリートドラッガーをコンセプトに、初代のモデルからスタイルを崩さずに現在まで受け継いでいる。135馬力を発揮するエンジンは今でも刺激だ。 |
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どちらかといえばダークカラーがラインアップに並んでいるV-MAXのなかで、過去にはイエローなども存在していた。どのようなカラーでもバッチリ決まるのは、普遍的なスタイルを持つからにほかならない。 |
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