国内外の人気モデル5台をワインディングに持ち込んで
ガンガン走ってみましたよ! 普段は見ることのできない
スクーターたちのポテンシャルをとくとご覧あれ! |
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キビキビ感はナンバー1
変速モード切り替えで
楽しさが倍増! |
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アップダウン&大小さまざまなコーナーが混在するワインディングにおいて、日常では便利なはずのATに苛立ちを感じたことが少なからずあるはず。そうしたスクーターにおけるネガの要素を一掃してくれるのがフォルツァZの6速マニュアルモードだ。低いギアを選択することで勾配のキツイ上り坂でスクーター特有のもたつきが解消され、元気よくグイグイと駆け上っていける。コーナーのアプローチでは握ったぶんだけ効いてくれるリニアなブレーキとシフトダウンを行うことで、確実にスピードを抑制できるというわけだ。この感覚はまさにギア付きバイクそのもの。もちろん、オートマチックモードでも瞬発力の高いライディングが楽しめた。また、リラックス走行できるのだが、わずかながら前目に感じられたポジション。しかし、このポジショニングがライダーの動きを制御し、ムダのない軽快な旋回性能を生みだしてくれた。ステージを選ばずライディングを楽しみたいのなら、間違いなくフォルツァZが最有力候補となるはず。 |
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加速、ハンドリング、
ブレーキング、どれも
ナチュラル。満足度の高し |
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スペックシートをみると200kgに迫る車重から、シャープな走りを想像するのが難しかったグランドマジェスティ。しかし、走りの満足感は相当に高かった。まず、高速での巡航性能と追い越し加速の伸びが今回の5台中ではトップ。空力特性に優れたスクリーンの恩恵で寒い冬も快適に走れることが確認された。その走りの片鱗はワインディングでも見事に発揮された。400同様アルミダイキャストフレームの骨格を持つグランドマジェスティのシャーシは、コーナーへのアプローチへとブレーキングしながら進入し、車体を寝かすまでの一連がとてもナチュラル。しっかりしたグリップ感を楽しめ、フワフワすることがない。また、ブレーキング時のレバータッチと制動が掛かるフィーリングの一体感も感性にマッチしたもの。ライバルたちのなかではロングストローク型となるエンジンの恩恵で、6000回転当たりのトルク感も実に充実している。750mmと高いシート高も、こうした場面ではスクーターを軽々と走らせるための運動性に寄与するようだ。 |
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高回転を好むエンジンと
安定した走りを生む
車体のコンビが絶妙だ |
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たとえスクーターとはいえ、エンジンの個性が走りのキャラクターの大きな核となる。まず、インジェクションを備えた水冷OHC4バルブエンジンは比較的高回転を好み、アクセルを開けるとスムーズに吹け上がるCVTのセッティングもあり、6000回転プラスの位置でタコメーターをとどめ、加速体制に入る。そのフィーリングは、ソリッドでトルクに押し出されるようなフォルツァや、グランドマジェスティとは異なり、じつに軽快。回転パワーが引っ張る印象なのだ。ブレーキのタッチはソリッドで、レバーへの入力で制動力をコントロールするタイプ。グランドマジェスティのようにストローク量でコントロールするタイプとは微妙に異なっていた。コーナリングでは長いホイールベースや車体寸法にもかかわらず、一体感が高くむしろクイックといえるほど。前後13インチホイールを履くハンドリングは安定感も兼ね備え、リヤ回りの接地性にも優れる印象だ。大きさがネガティブにならない走りを楽しめるスカイウエーブSSの特徴といえる。 |
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メガスクーターらしさと
ヨーロッパ仕立ての
ハンドリングを持つキムコ |
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高速道路を走ると、その巡航時のスムーズさに感心する。街中の発進では少々エンジンや駆動系から振動を感じたのとは対照的だ。エンジンは全域フラットなトルク特性で、比較的高い回転で車体を引っ張る加速をみせる。シート高がヨーロッパ向けを意識してか、高めに感じる。相対的に低くセットされたハンドルバーとの位置関係も強調されている。ロードバイクでいえば、ネイキッドと同じ程度の軽い前傾を感じるポジションだ。ワインディングでの走りを期待。ハンドリングは、ヨーロッパのメガスクーター同様、どちらかといえば安定志向。15インチのホイールに履くタイヤの特性もあってか、セルフステアで軽快に旋回を開始するタイプではない。早めに減速を終わらせ、旋回へのモーションへと移るまでの時間を作る、というオーソドックスな乗り方に徹すると素直に曲がることができる。細かいところではブレーキのタッチにもう少し高級感が欲しいのも事実。そんな些細な部分が気になる程度で、国産モデルには強敵出現である。 |
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絶妙なシートデザインと
鋭い加速性能が
走る楽しさを誘発する |
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マディソンRS250にまたがった瞬間、テーブルチェアに腰をかけたような不思議な感覚にとらわれた。これは座面とフロアステップとの間隔が他車よりも大きいために感じられたことで、これまで数多く乗ってきたスクーターたちにはなかった新しい感覚だ。また、シート高は820mmと今回の5台中もっとも高く、停車時の足つきには一抹の不安も……。だが走り出してしまえばそんな不安は一掃される。両足を前方に投げ出さず、下方へしっかり押し付けることでギア付きバイクのようにタイヤから路面の追従が伝わり、コーナリング時に大きな安心感をもたらしてくれた。エンジンフィーリングもまた、国産スクーターにはない活きのよさが感じとれた。搭載されたピアジオ製の新開発250ccエンジンは、発進時こそ他車と大きな変わりはないが、中速域からの伸びが鋭く、ロングストレートやハイスピードコーナーなどで圧倒的な速さを見せつけてくれた。個性的なスタイリングだけにとどまらず、ライディングにも強い個性が光った1台だった。 |
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