スーパーシェルパの「シェルパ」とは、大きな荷物を背負ってコツコツと登山をする山岳案内人(山岳荷揚げ人)のことなのだそうだ。そして、このモデルは荷物積載性にも優れるけど、それ以上にオフロードでの走行性能が、「ネーミングどおりだなぁ」と、僕はコレに乗るたびに思うのだ。
エンジンは、低速でとても粘り強く、トコトコと走るのが精一杯の悪路でも、確実に前へと進んでくれる。僕が進みたいぶんだけ助けてくれるその姿勢は、まさに山岳案内人だ。
それでいて本当は、身体能力はとっても高い。いざ全力疾走で山を駆け上がるとなったら、アスリート(バリバリのスポーツ系)には負けちゃうかもしれないけど、いい勝負に持ち込めたりするシーンもある。さすが、カモシカ(セロー)になることを夢見て生まれてきただけのことはある。華奢に見えるけど、ずいぶんとたくましいヤツなのだ。
でも普段は、とっても気さくで、そんな姿をまったく感じさせない。低いシートの恩恵にあずかって、コッチがペタペタと両足を着きながらゆっくりと山道を登っても、「この客、遅せ〜なぁ」なんてイヤな顔もまったくしないし、僕との会話も忘れない。「ここは滑りやすいですよ」とか、「それじゃあトバしすぎですよ」とか、ちゃんと教えてくれる。どこまでも、僕がイメージする“山岳案内人”の姿勢そのものだ。
目を見張るような体つきではないけど、山で必要な要素をまんべんなく取り入れた、とってもバランスのよい山岳案内人。いっしょに旅するなら、こういうヤツがいちばん頼もしいねえ。 |
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エンジン |
空冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ |
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排気量 |
249cc |
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最高出力 |
19kw(26PS)/9000rpm |
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最大トルク |
24Nm(2.4kgm)/7000rpm |
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全長×全幅×全高 |
2060×780×1130mm |
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シート高 |
810mm |
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乾燥重量 |
111kg |
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燃料タンク |
9L |
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タイヤサイズ |
F:2.75-21 R:4.10-18 |
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とにかくコンパクトで、またがった瞬間に「扱いやすいモデルだ」と理解できるライポジ。シート高も低く、シート前半部分はかなりスリムなので、身長167cmでデブだが足は短い僕の場合、両足の裏がガッチリと地面を捉えた。オフ初心者でも遊べる大きさだ! |
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山を下りた普段の山岳案内人は、どんな風に街で遊ぶのか?
その答えは、「縦横無尽」だ。父親(KLX250)譲りとなる心肺能力の高さで、ハイウェイだって難なくこなす。足腰はかなり山岳出身だから、ときにはヨレッとなったりするけど、でもまあ大丈夫。というか、似たような境遇のライバルたちより、よく走れる印象だ。
で、市街地中心部では、山育ちで得たフットワークのよさが、存分に発揮される。体重は軽いし、左右の反復運動も得意だから、クルマの間を縫いつつ市街地道路を走ったり、急に気が変わってUターンしたりもヘッチャラ。もちろん、ちょっとした段差なんてまったく問題にならないし、とにかく自由奔放だ。
だから、本当は街ではなく山の案内人だけど、会社や学校や休暇先へも、僕らを簡単かつ快適に連れて行ってくれる。街だけに閉じ込めておくのはかわいそうだけど、“街でも使える案内人”なのだ。 |
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オフロードバイクのシートは、細くてすぐにお尻が痛くなることも多いけど、スーパーシェルパのシートは、後ろ半分が幅広。しかも前側はスリムで、足着き性もよいのだ! |
前後の足まわりは、さほどグレードが高いわけではないけど、リヤサスはスプリングプリロードに加えて伸側減衰力の調整も可能。サスセッティングの基本も学ぶことができる!? |
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XR250のページで紹介したKLX250のエンジンを、空冷化して搭載。軽量コンパクトで、しかも見た目よりもパワフルだ。大型のアルミ製エンジンガードも標準装備! |
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スタンディングで路面の凹凸を楽々走る
ステップの上に立って走行すれば、悪路通過は楽になる。まずはとにかくステップの上に立ち、ヒザのクッションを使いながら走ってみよう。腕に掛かる力を極力抜いて、足の力で体重を支えるのがポイントだ! |
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走りにあった位置にレバーを調整!
レバー位置ひとつで、走りが大きく変わる。あまり下向き、または上向きすぎだと、適切なライポジが取れなくなることもあるから、好みの位置に必ず調整しておこう。ちなみに僕は、“水平ちょい下げ”です! |
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タイヤの消耗具合は?
このテのモデルは、ノーマルよりオンまたはオフよりのタイヤに変更されていることもある。自分の使い方に合うタイヤなのかをチェックしておきたい。もちろん、極端に減ってないかを確認した後の話ですよ! |
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走行距離と価格のバランスは?
セローと同じくスーパーシェルパも、使いたおされた多走行車をたくさん見かける。走行距離が多い車両は、できる範囲でとくに細かくチェックしたい。ただし、多走行だから悪いというわけではないぞ! |
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70年代のオフロード車をモチーフとしたビンテージモデル。02年にデビュー後、一度も変更が行なわれることなく廃止……。ブレーキは前後ともドラム式。最高出力18馬力、乾燥重量113kg、シート高800mmのスペック。 |
02年型 新車価格 34万9000円 |
中古車平均価格 25万1000円 |
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セロー250のベースになったトリッカーは、厳密に言えばオフ車ではない。ただ、だれが乗っても遊び倒せるフリーライド・プレイバイクなので、ちょっとした未舗装路なら普通に走れる。乾燥重量111kg、シート高790mm。 |
新車価格 42万1050円 |
中古車平均価格 32万1000円 |
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