XR250は、かなり本格的なオフロード走行もできるバイク。とくに、03年に倒立フロントフォークなどを採用した現在のパッケージングとなってからは、そんなイメージが強くなった。
セローやスーパーシェルパなどの、いわゆるトレッキングモデルと比べると、車体は大柄でシート高もかなりある。それだけに、オフロード未体験者や初心者は、「こんなデカいバイクを、滑りやすい場所で扱えるわけがない」と、たぶん思っちゃうだろう。
でも、これは間違い。XRはただカッコいいから大きくされているわけじゃない。よりオフ走行に適するよう、サスの伸び縮みする量を増やして操縦安定性や衝撃吸収性を高めたり、抑えが効くハンドル位置にしたり、最低地上高を確保しようとした結果、こうなっただけだ。だから、たしかに大きいけど、それと引き換えに、オフロードでの高い走行性能を持っている。つまり、かなりの域でバイクが走りを助けてくれるのだ。
しかもエンジンは、これまたとっても扱いやすい。さらに空冷としてはパワフルだ。きっとホンダは、ダテにこの空冷単気筒に固執してきたわけじゃないのだ。
そう言えばこの型の開発テーマは、「自由自在に操れる扱いやすさ」だった。もちろんだからと言って、これに乗ればだれでも全開で高速コーナーを駆け抜けたり、20mジャンプが跳べたりするわけではないけど、オフロードでコイツに乗れば開発陣の狙いが、すぐに感じられるはずだ。
ずいぶんと尖がったデザインをしているけど、こう見えてオフロードでのXR250は、意外とライダーに優しいのだ! |
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エンジン |
空冷4ストローク単気筒OHC4バルブ |
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排気量 |
249cc |
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最高出力 |
21kw(28PS)/8000rpm |
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最大トルク |
25Nm(2.6kgm)/7000rpm |
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全長×全幅×全高 |
2175×805×1190mm |
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シート高 |
875mm |
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乾燥重量 |
119kg |
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燃料タンク |
9.3L |
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タイヤサイズ |
F:3.00-21 R:4.60-18 |
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本格的なオフ走行を視野に入れた車体は、とっても大柄。オフ走行では、違和感なく楽しめるライポジだ。ただし足着き性は悪く、ある程度の体重か股下の長さがないと、両足の裏がベッタリとはならない。まあ車重がないので、そうそう倒さないとは思いますが……。 |
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じつはこの型のXR250は、前後17インチのロードタイヤを履かせたXR250モタードと、同時に開発された。それはつまり、オンロードでもそれなりに楽しめる車体設計が行なわれたということ。もちろん、ホイール径が違えば車体バランスはまったく変わるし、タイヤのグリップだって低いから、モタードとオフ仕様が同じようにオンロードを走れるわけではないけど、意外とイケるのだ!
とは言え、やっぱりオフロードモデルだから、過信は禁物。ロードバイクと同じ感覚でトバしたら、けっこうな危ないことになる。
ちなみにブレーキングは、ロードバイクのときより早めに、そして柔らかいサスのせいで前のめりにならないよう、リヤブレーキを多めに使って調整するのがコツ。またコーナリングは、このテのモデルは前タイヤのグリップが抜けること(つまりフロントからのスリップダウン)が多いので、グリップ力をうまく感じながら走ってあげるのがポイントだ。 |
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放射状4バルブ方式燃焼室(RFVC)を採用した空冷エンジンは、ホンダが長年改良を積み重ねてきたもの。空冷だが非常にタフで、信頼性は高い。エンジンガードも装備! |
シートやタンクの形状、ハンドルポジションなどは、レーサーに近い。おかげで、中上級者でも違和感なくオフ走行を楽しめ、初心者は本格的オフ走行の基本が学べるのだ。 |
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03年のフルモデルチェンジにより新採用したモノのひとつが、この倒立フロントフォーク。十分なストローク量を誇り、圧側の減衰力調整も可能だ。リヤはフルアジャスタブル式。 |
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空気圧を調整しよう!
極端にぬかるんだ道では、空気圧は低めのほうがグリップしやすい。でも空気圧が低めの状態で、石などの多いダートを高速で走ると、衝撃でパンクする恐れがあるので、状況に応じた空気圧調整が必要ですよ! |
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ペダル位置が高いのには理由が!
オフ走行時に障害物に引っ掛けて、不意にブレーキが掛かったりシフトダウンしたりせぬよう、オフ車のペダル位置は上がっている(ステップと踏面が水平に近い)のが普通。必ずこのポジションで乗ろう! |
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フレームの傷をチェック!
オフ用ブーツはとても頑丈。しかもオフ走行時は頻繁に足を出すため、ブーツに土がつきやすい。よってオフ走行が多かった中古車は、足の当たる部分のフレームが、傷ついているか加修されている場合が多い。 |
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スプロケ&チェーンの摩耗は?
オフ走行では、チェーンに砂や土が付着しやすいため、チェーンは傷みやすく、またスプロケットが削れる(歯が尖がる)ことも多い。オフ走行時間の長そうな中古車の場合は、念のためチェックしておこう。 |
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「闘う4スト」のキャッチコピーでデビューしたKLX250SRをルーツに持つ、水冷4ストの本格的オフロードスポーツモデル。最高出力29馬力、乾燥重量117kg、シート高885mmのスペック。足まわりのグレードも高いぞ! |
新車価格 50万2950円 |
中古車平均価格 40万1000円 |
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大型ヘッドライトやリヤキャリヤ、17Lタンクなどを装備した、ツーリング向きのモデル。06年6月に発売されたモデルを最後に廃止された。エンジンは油冷で、最終型は30馬力、乾燥重量118kg、シート高885mmだ。 |
06年型 新車価格 52万3950円 |
中古車平均価格 36万5000円 |
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