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見事、イシヅは峠まで無転倒。休憩のタイミングでギャップと戦わないことを伝授してみた。これはベテランほど使うギャップよけの術で、初心者オフローダーに伝授したい極意のひとつ。オフロードとはいえ、ジャンプしないとラップタイムを短縮できないモトクロスとは違い、避けられるものは避ける、避けられないなら、もっとも路面コンディションのいい場所を通過する、という簡単なロジック。たとえばワダチに石がなく、赤土、しかも霜がとけて滑りそうという場合、ワダチを外してすぐ脇の草の生えた場所や、路肩の砂利の上を通過したほうがグリップがよかったりする。
また、踏み固まったワダチよりも、逆に柔らかい土の上のほうがタイヤのブロックが土を噛んでグリップがあるなど、ケースバイケースだ。怖いと思うと体に力が入り、バイクのハンドリングの自由度が下がり、アクセルを閉じるからバイクは不安定な状態に。それよりは安心して通れる場所を探す「技」をナビ役から伝授しておきたい。
後半、岩盤が露出し、水で削られたようなレールが複雑に走る路面にも出くわした。イシヅはトリッカーのコンパクトさと覚えたてのギャップからの「抜け道走法」でクリア。わずか数時間でいっぱしのオフロードライダーへと成長をしつつあるのを実感したのか、イシヅは林道から出ると快心の笑顔。
「さ、また林道戻るぞ」との揺さぶりに軽く固まるイシヅ。ウソ、今日はココまで。ナビ役はイビリも忘れずに(笑)。無事、麓に下ったら、舗装路を移動する段階で抜いたタイヤの空気を補充することも忘れずに。
こうしてみると、林道ツーリングは、ライダーを成長させる要素を含んだ栄養サプリともいえるのである。 |
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対向車がないのを確認したら、ワダチを越えてギャップや石を避けるのも楽々走行法のひとつ。その後、すぐに左側に戻るのは常識。林道ツーリングはやはり誰かといっしょが心強いし楽しいと思う。あとで笑い話がたくさんできるのも特典。 |
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ギャップと戦う必要はない
ワダチは避けていこう
安全を確保できる場合、ナビ役は慣れるまでビギナーの前でギャップを通過しないラインを先導したい。ビギナーはギャップに視線クギ付けになるので、バランスを崩しやすい。イシズの場合、最初はこんなギャップでも止まりそうになるほど緊張。 |
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落石、路肩のくずれ……
前方を見て状況判断を
山の斜面を切り通して道を作る林道は、雨の後など、落石があることが少なくない。また、落石のある場所は山側に地盤が軟弱な部分があるので、そこで休息などはしないように注意する。 |
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ハードな路面は
スタンディングでクリア
雨水などが流れた跡は低いほうにゆくほどギャップが深くなる傾向がある。スタンディングポジションで、レールに対して角度をつけて通過する。アクセル、ブレーキの操作ができる位置を意識してステップに立つ。ハンドルにしがみつくと思わぬ加速をするから注意。 |
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