マリン後輩さんが投稿したバイクライフ

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    「ステイ!」
    私の言葉にボーダーコリーのシューぺリアと、バーニーズのトラバントが伏せて私の顔を伺う。
    「ジャンプ!」
    私は高く手を掲げる、2匹が勢いよく立ち上がり、ピョ~ン♪と跳ねて、私の手にタッチを行う。
    「バンッ!」
    私は指でピストルを作り、2匹に向けて放つ。
    (ワフッ)(ウォフ)
    2匹がコロンと寝転がる。
    シューぺリアとトラバントが流し目に私を見る……

    「良し!」
    (ワンッ!)(ンフッ!)

    私の言葉を聞くやいなや、ピョンピョン跳ねながら、2匹がじゃれついてくる。
    「グー! ベリーグーね♪良し良~し♪」
    ご褒美の生ジャーキーを配りながら2匹を撫でる。
    「流石っすね~。見事なもんですわ」
    近くに居た同僚のポンタが顔を、柴犬のラオウに舐められながら喋る。
    「そりゃドッグトレーナーですから──っぁ!」
    大型犬の2匹にじゃれつかれ、私は倒れて。
    「キャ~!!!」
    ここぞとばかりに、顔や手を舐められてベロンベロンになった。

    「シュペ~、トラ~」
    気品のある飼い主さん夫婦が現れて、2匹を呼ぶ。
    2匹がそれに気付き、飼い主さん達の元へ走っていく。
    リードを優しく付けられ、2匹の尻尾が嬉しそうに揺れる。
    「では、また木曜日に」
    「はい。今日もありがとうございました」
    にこやかに飼い主さん夫婦が笑う。
    (ワフッ♪)(ウォフ♪)
    シューぺリアもトラバントも笑った。

    私はドッグトレーナーだ。
    昔から犬が好きだった。
    小さい頃から、たくさんの家族を飼ってきた。
    そんな中で、訳有りな わんこと会った。
    暴れん坊だった、気にはなっていたけど、、、
    自分や家族が噛みつかれるのが恐くて手が出せなかった。
    しばらくして、その子は飼い主に噛みついてしまった。
    ──救えなかった。
    だから、次は救いたいと思った。

    「ところで姐さん」
    ポンタが私を愛称で呼ぶ。
    「週末楽しんできて下さい」
    ポンタが言って笑う。
    「そうね。久しぶりだもんね~」
    私も週末のことを考えて笑った。

    「ども~、予約してた──」
    新たなお客様がやって来て
    ワンワンワンワン!!!
    ワンコが弾丸のように飛んできて
    「わぁ~~!!!」
    「おぉ~~!!!」
    2人でタジダジになった。

    ドドドドドドドド!!!!!
    4台で連なって走っていく。
    今日は仲間内のツーリングだ。
    愛車は皆、イントルーダー400クラシック。
    マシンは一緒だがカスタムは様々、ナローやインスパイアなど4台4人で思い思いのスタイルを作っていた。
    「到着~」
    先頭を走る私は言って、後方に手信号を出し、道の駅へと入る。
    「ふぃ~」「お疲れッす」「あ、豚串美味そ~」
    みんなでガヤガヤしながら楽しむ。
    楽しい。
    みんなも楽しそうだ。
    仕事でもプライベートでも世話を焼く。
    性分なのだろうか。たまらなく、それが楽しかった。
    そして。
    また連なって走っていく。
    そんな時に
    「うおっ!」
    仲間の1人の声がインカムを遠し聞こえた。
    それと同時に。
    ───ヒュイン!!!
    「きゃっ!」
    凄まじい速さで、私達を何かが追い抜いて行った。
    それは、さらに前方でテールランプを光らせて追い抜いていく。
    少し古いスポーツバイクだろうか?
    「あっぶねぇ」「頭沸いてんか?」
    インカムで愚痴が飛び交う。
    「だね~」
    私も愚痴った。

    そんなある日。
    「あの、よろしくお願いします!」
    バイクのチームに新たな仲間が加わった。
    小柄な可愛らしい女の子がペコペコと頭を下げる。
    「うんうん!」「ひゅ~♪」「俺、マサヒコ」
    野郎達が色めき立つ。
    「スミレです!」
    彼女、スミレちゃんも勿論、インクラ乗りだ。
    大きな車体に小柄な彼女、とても微笑ましかった。
    どう言ったら伝わるだろうか、、、
    「ポメラニアンみたい」
    仲間内の1人が呟く。
    なる程、言い得て妙だなと思った。
    ツーリングに出かける。
    野郎達がインカムを通してスミレちゃんに話しかける。
    あぁ姫よ、蝶や花よ、といった感じだった。
    「アハハ」
    思わず乾いた笑いが出た。
    現金なものである。

    少しずつチームの形が変わっていく。
    今までは私が皆を引っ張る感じだった。
    ──それが。
    「ねぇスミレちゃん知ってる?」
    「あのね、スミレちゃんこれはね」
    「あ、そうだスミレちゃん」
    スミレちゃん スミレちゃん スミレちゃん

    「…………」
    気が付けば私は1人で温泉街に来ていた。
    足湯に浸かりながら景色を眺める。
    「……たのしいな」
    誰に言うでもなく呟く。
    ふと、湯槽の水面を見る。
    映るのは、据わった眼力と力仕事に鍛えられたソレ。
    ロットワイラーがそこには居た。
    「あの」
    話しかけられる。
    「隣いいすか? 」
    言われて相手を見る。
    「あっ」
    相手が声を上げる。
    「え」
    私も声を上げた。
    「姐さん」「ポンタ」
    カジュアルライダーな姿のポンタが、そこには居た。

    「やっぱ~、みんなソッチの方が良いよね~」
    私は何となく、思ってたことを素直にポンタに喋る。
    「あぁ~、ですかね~」
    ポンタがバツが悪そうに目を伏せる。
    「………」「………」
    お互いそれ以上は話が続かず、足湯に浸かり、温泉街を眺める。
    「姐さんはどうしたいんです?」
    ポンタが尋ねる。
    「……分かんない」
    私は答えられなかった。
    「ポンタはどうしたら良いと思う?」
    今度は私がポンタに尋ねる。
    「う~ん。俺の口からは何とも」
    ポンタはそう言って。
    「っでも!」
    勢い良く立ち上がった!

    「俺は好きですよ」

    「……え?」
    私は思わず思考が止まる。
    「あの、その……何て言うか」
    ポンタが改まる。
    「俺は愛玩犬より頼れる番犬の方が好きです」
    「………」
    「あ、中でもロットワイラーとか大好きですね」
    言うが先か、ポンタの顔がみるみるうちに赤くなっていく──

    「じゃそういうことなんで!あの姐さん、お大事に!」
    ポンタが急いで靴を履き、足早に走っていく。
    そして遠くに止まっていたバイクに跨がった。
    ──あれはGSX-R400だろうか。

    ブォン! ブォブォブォブォッ!
    ペコペコと幾度も私に会釈をして
    ブォォォォォォオン!!!
    ポンタは去っていった。

    「ふーん、なるほどね」
    私はそう呟いて。
    「よいしょ」
    立ち上がる。そして。
    クンクン!
    私は鼻を使い辺りの匂いを嗅ぐ。

    ふむふむ、なるほどね
    香る硫黄の香り、その中に仄かに漂うアイツの匂い。

    「ワンワンワォーン!」
    愛車のインクラに跨がり、愛車を起こす。
    ドドン! ドドドドドドド!
    ゆっくりと、匂いを追って走り出す。

    鼻と耳をそばだてる。
    待ってなさい、きっとすぐに捕まえてあげるから。

    「逃がさないからね」
    絶対に逃がさないんだから!


    #イントルーダークラシック400 #俺RIDE #私RIDE #東◯海平 #これじゃ番犬じゃなくて狂犬だよ

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