バイクの燃料タンク凹みの修理方法
思わぬ転倒や物の落下によって、バイクの燃料タンクが凹んでしまう場合があります。タンク部分は、燃料スペースとして確保されているため内側の大部分が空洞となっているケースがほとんどです。そのため、外側からの力が加われば思っている以上に簡単に凹んでしまう特徴があります。今回は、外側から引っ張る力を利用したタンク凹みの修理方法を手順毎に解説します。

手順1:外側の塗装物を剥がす
タンクに凹みがある場合は外側から何らかの衝撃を受けているため、同時にわずかな傷が付いている場合も多いです。その場合は傷部分から錆が出ている可能性もあるので、そういった面での確認も含めて、まずは凹んだ部分周辺の塗装を剥がします。塗装剥がしでは、サンドペーパーやサンドブラシを用いて塗装と一緒に錆も剥がしてしまうのが効率的です。
中古バイク等の場合は塗装を剥がすと過去の凹み修理によるパテが出てくる場合もあるので、必要があれば同時に剥がしても良いです。
手順2:凹みを引き出す
凹み部分を剥き出しに出来たら、凹みを引き出すための準備を行います。数あるタンク凹みの修理方法の中でも、外側から凹み部分を引っ張る方法は多くのベテランライダーやバイク販売店が行う直し方です。引き出しを行うための最低限の道具としては、凹み部分に金具を取り付けるための溶接機、そして取り付けた金具に引っ掛けて、凹みを引っ張る引き出し工具が必要です。
引き出し工具は、ホームセンター等で販売されている車の凹み直しツールを活用出来る場合が多いです。凹み直しでは、凹み部分に取り付けた金具に引き出し工具の先端を引っ掛け、凹み部分と周囲のバランスを見ながらゆっくりとボルトを回し、凹みが平らになるよう該当箇所を引き出していきます。この作業によりタンクを元の滑らかな形状に戻すのは困難ですが、慣れてくれば最低限凹みが目立たない具合にまで修復が可能です。
手順3:再度、塗装をする
凹みの引き出しが出来たら凹み部分周辺の細かな凹凸をハンマーで慣らし、可能な限り凹凸の無い滑らかなタンクに近づけましょう。タンク凹みは、最も凹んでいる部分とそうでない部分の境界線上がやや盛り上がりやすい傾向があります。そのため、凹み部分周辺を隈なくチェックし、気になる凹凸が無くなるまでハンマー作業を行うのがおすすめです。
もしも、手作業では補修出来ないほどの細かな凹凸が気になる際は、パテを薄く塗り伸ばせば、より綺麗に凹凸を隠すことが出来ます。パテが乾いたら、元のタンクと同じ色味の塗装をし、磨きをかけたら補修完了です。
例外:凹み部分全てをパテで盛る方法
引き出すほどではない小さな凹みであれば、手順1の後にパテと塗装のみで凹みを隠してしまうことも可能です。この場合は、凹みそのものは残ってしまいますが、見た目の上では手順2、手順3を辿った場合と変わらない程度にまで修復出来るのではないでしょうか。とは言っても、必要な道具や素材の調達には少なからず費用が発生するので、修理代や手間、仕上がりの綺麗さを考えると販売店へ修理を依頼する方法が安心かもしれません。
まとめ
今回解説したタンク凹みの修理手順は、慣れや経験によって仕上がりも大きく変化します。そのため、修理に自信が持てない場合は無理をせず専門の販売店へ修理を依頼するのがおすすめです。
本記事は、2016年9月16日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。