ステーターコイルの故障原因は?症状や交換方法をご紹介
エンジンカバーの中にあるステーターコイルは、どういった役割を持っているパーツなのか少しイメージしにくいかもしれません。
この記事では、ステーターコイルの役割やトラブル時の症状などについて解説をしていきます。ステーターコイルの交換に向けて準備中の方も、ぜひ本記事をチェックしてみてください。
ステーターコイルとは
モーターなどの回転機、電動機、発電機などには、回転する側(回転子、ローター)と固定する側(固定子、ステーター)があります。さらにステーターは、芯となる「コア」とその外側に巻かれている「コイル」からなっています。ステーターコイルとは、このステーターコアの外側に巻かれたコイルのことをいいます。
バイクのステーターコイルは、強力な磁石とコイルによって3相交流電圧を発生させるのが主な役割で、多くの車種では、20~70Vほどの電圧になります。この3相交流電圧をレギュレーターによって直流にすると、DCおよそ14~14.8Vになります。
普通自動車に乗っている方なら、車のオルタネーターをイメージすると良いでしょう。
ステーターコイルの交換時期
ステーターコイルの交換時期の目安は、走行距離3万km前後に達したときです。この頃には故障し、交換が必要となります。ただし、ステーターコイルは車種やメーカー、使い方によって故障するタイミングが大きく異なり、走行距離が3万km未満でも交換しなければならないことも多いです。
ステーターコイルの故障原因・症状は?

ステーターコイルの故障の原因には、以下のようなものが挙げられます。
ステーターコイルは、突然すべてが故障することは多くありません。走行距離や経過時間に比例して、徐々に故障するというのが一般的です。
ステーターコイルの故障時の症状
ステーターコイルは、発電機の外側の「出力用」であるため、壊れると以下のような症状が起こります。
ただし、これらの症状はジェネレーターやレギュレーターの故障によっても起こる可能性があります。そのため、愛車に上記のようなトラブルが起きたときには、ステーターコイルが原因だと決めつけずに、入念にパーツのチェックをするようにしましょう。
ステーターコイルの交換方法
ステーターコイルの交換は、以下の流れで進めていくのが一般的です。
ステーターコイルはエンジンカバーの裏側にあるため、まずはエンジンカバーを外さなければいけません。エンジン周辺の配線を丁寧に外し、エンジンカバーのボルトを外します。エンジンカバーはガスケットで張り付いているため、マイナスドライバーなどを使って丁寧に取り外しましょう。
エンジンカバーが外れたらステーターコイルを外します。このとき、新しいステーターコイルを取り付ける前に、エンジンカバーについているガスケットを剥がしましょう。ガスケットリムーバーを使うと簡単に比較的取り除くことができます。
エンジンカバーがきれいになったら、新しいステーターコイルを取り付けて戻していきます。エンジン側が分割している場合は、取り付けるとき、繋ぎ面にガスケットを薄く塗っておくと良いようです。カバーから配線が外に出るゴム部分にも液体ガスケットを塗っておきましょう。
エンジンカバーを戻したら、最初と同じように配線を戻していきます。配線は、あらかじめ紐で結んでおくなどすると作業がやりやすくなります。エンジンカバーを戻し、配線を元通りにすれば、ステーターコイルの交換作業は終わりです。
ステーターコイルの交換方法をより詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてみてください。
まとめ
バイクのステーターコイルは、磁石とコイルによって交流電圧を発生させる役割を持つパーツです。一気にすべてが故障するものではなく、走行距離や経過時間が増えるにつれて徐々に故障していきます。一般的には、交換時期の目安は走行距離3万km前後とされていますが、車種やメーカーによって故障のタイミングが異なり、交換すべき時期はまちまちです。
また、ステーターコイルの故障によって生じる症状には、他の部品のトラブルで起こる症状と類似しています。エンストや電圧低下など、トラブルの原因が明確ではない場合は、信頼できるバイクの専門店に相談することをおすすめします。
本記事は、2020年5月28日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。