初心者必見!バイクのメンテナンス7項目と使う工具、注意ポイント
バイクのメンテナンスはショップに任せることもできますが、できるだけ自分でやったほうが、愛着が湧くものです。
また、自分でメンテナンスをしていればバイクの異変にも気づきやすくなるため、より安全な走行に繋がるともいえます。
しかし、初心者となるとメンテナンスの仕方はもちろん、必要な工具が分からない人も少なくありません。
そこで今回は、最低でもやっておくべきメンテナンスや必要な工具、メンテナンス時の注意点についてご紹介します。
メンテナンスに最低限必要な工具
バイクのメンテナンスではさまざまな工具を使用しますが、ここでは必要最低限の工具を5つご紹介します。これらが揃っていれば基本的なメンテナンスは可能なので、それぞれの特徴や使用するメンテナンスについて見ていきましょう。
スパナ
六角ボルトやナットを締める際に使用する工具です。ボルトやナットを締める工具は他にもありますが、スパナは約15°の傾きがあるため、締めたいボルトやナットが狭い場所にある場合はとても便利です。
しかし、サイズが合っていない状態で使用するとボルトの角が削れてしまうため、サイズ違いのスパナをセットで用意しておくとよいでしょう。
コンビネーションレンチ
片側がスパナ、もう片側がメガネレンチになっている工具です。メガネレンチとは、ボルト頭やナットにマッチする円形型のレンチをいい、これもボルトやナットを締める際に使用します。メガネレンチは、スパナよりも確実にボルトやナットを固定することができますが、ある程度まで回したらはめ直す必要があります。
コンビネーションレンチの場合、両側の口径部が同じサイズになっているため、必要なサイズによってはスパナとレンチを別々に購入する必要がなくなり、工具の本数を少なくすることが可能です。
ドライバー
ドライバーはネジを締めたり緩めたりする工具で、バイクのメンテナンスはもちろん、カスタムでも頻繁に活躍します。ただし、ネジのサイズに合ったドライバーを使用しないと、ネジ頭を潰してしまう可能性があるため注意が必要です。
基本的には2番ドライバーを使うことが多いですが、1~3番までをセットで用意しておくと便利でしょう。
六角レンチ(延長ハンドルが付いたもの)
六角穴付きのボルトやネジを固定・緩めるための工具で、T型とL字型の2種類があります。差し込んだ際にレンチとボルトの接触面性が大きいうえ、ボルトと同じサイズのレンチを使用するため、ボルトが壊れにくいのがメリットです。
L字型の場合は「L字」の短い方がハンドルになりますが、ハンドルが短いと力が入りにくいため、延長ハンドルが付いているものを購入するとよいでしょう。
プライヤー
プライヤーはモノを掴むための工具で、支点のボルト部分を調節すればかなり大きなモノも挟むことができます。そのため、バイクのメンテナンスではペンチよりもプライヤーを使うのが一般的です。
初心者向けバイクメンテナンス

初心者向けのメンテナンス項目は主に7つです。いずれも難しい作業はありませんので、ぜひやってみてください。
チェーンの掃除
チェーンは、エンジンからの駆動力をリアタイヤに伝える重要な部分になります。ここが汚れているとパワーダウンや燃費の低下に繋がるため、定期的に掃除をしましょう。
<手順>
<頻度>
1,000kmに1回程度
<工具/用品>
ブラシ、チェーンクリーナー、チェーンオイルなど
チェーンの調整
バイクで走行し続けると、徐々にチェーンが伸びて緩んできます。これを放っておけばフリクションロスが発生するため、こちらも定期的に調節する必要があります。
<手順>
<頻度>
<工具/用品>
メガネレンチ、ソケット、六角レンチなど
オイル交換・オイルフィルター交換
オイル交換はやや難易度が高いですが、落ち着いて行えば問題ありません。ただ、オイルをこぼしてしまうと後処理が面倒なので、こぼさないように気をつけましょう。
<手順>
<頻度>
3,000kmごと(排気量による)
*オイルフィルターはオイル交換2回に1回のペースで交換
<工具/用品>
オイル、オイルフィルター、ドレンワッシャー、廃油受け、オイルフィルターレンチなど
タイヤの空気圧調整
タイヤの空気圧が減ると、燃費が低下したりコーナリングに悪影響が出たりするので、適正に保つことが大切です。エアゲージや空気入れはガソリンスタンドに置いてあるので、ガソリンを入れるついでにチェックするとよいでしょう。
<手順>
<頻度>
1,000kmごと
<工具/用品>
空気入れ、エアゲージなど
バルブの交換
バルブ交換は主にヘッドライト、ウィンカー、テールの3箇所になります。特に振動の多いバイクはライトバルブが切れやすい傾向にあるため、いつでも交換できる準備をしておくと安心です。
<手順(ヘッドライト)>
<頻度>
切れたら交換
<工具/用品>
ドライバー、バルブ、シリコンスプレー(掃除用)など
ケーブル類のグリスアップ
電気式のスピードメーターやタコメーターを使用している場合はケーブルがありませんので、フロントホイールやエンジンからケーブルが伸びているバイクが対象です。また、アクセルワイヤーやクラッチワイヤーも切れたら大事故に繋がりますので、定期的にメンテナンスを行いましょう。
<手順>
<頻度>
5,000kmごと
<工具/用品>
パーツクリーナー、グリスなど
バッテリー関係のメンテナンス
セルの回りが弱いと感じた際は、バッテリー液の補充や充電といったメンテナンスを行いましょう。また、バッテリー充電器は比較的安く購入できるため、あらかじめ1つ用意しておくと安心です。
<手順(密閉型)>
*開放型の場合はガス排出口があるため、すぐにキャップを締めても問題ありません。
<頻度>
随時
*バッテリー液は5,000km程度で確認
<工具/用品>
バッテリー液、バッテリー充電器など
メンテナンスで注意すべきポイント
今回紹介した7項目は、初心者でも比較的簡単に行えるメンテナンスになりますが、メンテナンス時の服装や場所を間違えると大きなトラブルになる可能性があります。ここでは、メンテナンス時に注意すべき6つのポイントを見ていきましょう。
アクセサリーは外しておく
バイクには塗装されたパーツや金属がたくさん装備されています。こういったデリケートな部分にアクセサリーが当たれば当然傷になります。特にタンク部分の塗装は傷つきやすく、修理するのにも苦労するため注意しましょう。
バイクの取扱説明書はしっかり読む
「バイクの取扱説明書を読んだことがない」という人もいますが、知識や経験がない状態でメンテナンスをするのは危険です。近年はインターネットで調べればいろいろな情報が得られますが、自分のバイクを知るうえでは取扱説明書が最も有効になりますので、しっかり読むようにしましょう。
メンテナンスの場所を考える
バイクのメンテナンスでまず必要になるのが場所の確保です。公共のスペースを占領すれば迷惑になりますし、排水溝の近くではボルトなどを落とした際に困ります。また、万が一オイルがこぼれた場合は地面が汚れるので、それでも問題がない場所を選ぶ必要があります。
工具はサイズの合ったものを使う
ネジを締めたり緩めたりする際、サイズの合わない工具を使うとネジ山をナメてしまったり、ネジにハマってしまったりする可能性があります。そうならないためにも、サイズの合った工具を使うことが大切です。
もしネジ山の大きさが分からない場合は、大きいサイズの工具から試していくようにしましょう。
エンジンを切って作業する
エンジンをかけたままのメンテナンスにはさまざまな危険が潜んでいます。特に、駆動部分を触る際はかなり危険になるので、必ずエンジンを切ってから作業するようにしましょう。
メンテナンス後は各部のチェックを
メンテナンス後は水濡れや洗剤、ケミカル類が付着していることがあるため、そのまま走行するのは危険です。走行前はブレーキの利きや灯火類のチェックなどを行い、問題ないことを確認してから走行するようにしましょう。
まとめ
バイク初心者にはハードルが高そうに見えるメンテナンスですが、基本的なメンテナンスであれば手軽且つ短時間で行うことができます。また、今回紹介した5種類の工具があれば大抵のメンテナンスは可能なので、ぜひチャレンジしてみてください。
ただし、方法を間違えるとバイクの故障やケガにも繋がるため、分からない状態で進めるのは大変危険です。そのため、バイクの仕組みはもちろん、メンテナンス時の危険性などをしっかりと理解したうえで、安全にメンテナンスを行っていきましょう。
本記事は、2020年2月6日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。