バイクメンテナンス時のグリスの種類と使い分け方のまとめ
バイクのメンテナンスを自分で行う際、グリスの種類が多くて迷うという人は多いでしょう。グリスはそれぞれ適した箇所ごとに使い分けねばならないため、種類が豊富にあります。このページでは、グリスの種類と使い分け方についてご紹介します。
バイクメンテナンスに必要なグリスの種類は?
グリスには様々な種類がありますが、中でもバイクのメンテナンスによく使われるものをピックアップしてご紹介します。
以上の5種類が、バイクによく使われるグリスとなります。以下でそれぞれの使い分け方を説明します。
それぞれのグリスの使い分け方

それでは、それぞれのグリスの使い分け方を見ていきましょう。
マルチパーパスグリス(ウレア・リチウムグリス)
最も一般的なグリスで、ネジ山からベアリングの潤滑まで幅広い用途に使用できます。ウレアグリスやリチウムグリス、カルシウムグリスと呼ばれることもありますが、これらはすべて増調剤の名前の違いによるもので、基本的にマルチパーパスグリスとしての役割は同じです。
モリブデングリス
極圧性能を重視したグリスで、金属同士の潤滑など強い負荷がかかるような場所に使われます。また、ネジの焼き付きやかじり防止用のグリスとしてもよく使われているグリスです。マフラーボルトなど、高温でかじりついてしまう箇所に塗ると効果的です。
シリコングリス
金属同士の潤滑にはあまり向いていませんが、プラスチックやゴムの潤滑に適したグリスです。最もよく使われるのはブレーキキャリパーやマスターシリンダーのピストンで、パッキンのゴムとピストンを潤滑させるために使います。
チェーングリス
名前の通りチェーン専用のグリスで、チェーンの潤滑に使います。シールチェーンにも対応しているため、シリコングリス同様ゴムや樹脂への攻撃性がないことが特徴です。ちなみに、チェーングリスは塗布してから数時間後に余分なグリスを拭き取ると長持ちします。
カッパーグリス
いわゆるブレーキの鳴き止めグリスです。ブレーキパッドの裏側に薄く塗ることで、キーキーと不快なブレーキ鳴きを軽減します。他にもネジの焼き付きやかじり防止にも使え、モリブデングリスと似た性質も持っています。
グリスアップ時の注意点
グリスアップ時の注意点としては、「適さない場所に塗らないこと」です。例えば、本来シリコングリスを使うはずのブレーキピストンにモリブデングリスを塗ると、ゴムが侵されオイルが漏れて最悪ブレーキが効かなくなります。
逆に、ベアリングなど金属同士の摩擦部にシリコングリスなどを塗ってもあまり効果がなく、十分な潤滑力を発揮できません。上の解説を参考に、それぞれ場所に適したグリスを使うようにしましょう。
他にも、ブレーキローターなど摩擦が必要な場所へのグリスの塗布は絶対に避けてください。命に関わる重大な事故の原因となります。
まとめ
本記事は、2019年6月28日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。