バイクのクラッチレバーの注油・メンテナンス方法｜グーバイクマガジン -公式サイト-

マニュアルバイクの走行には欠かせないクラッチですが、「何となく重い」「レバーの遊びが少ない」「半クラの感覚が変」「シフトチェンジが出来ない」等の不調はありませんか？これが高速道路での出来事だったら、大事故を招く可能性があります。今回はバイクのクラッチレバーのメンテナンス方法について説明します。

クラッチレバー交換の目安

バイクを運転する時には、クラッチやブレーキを使用しなければ運転出来ません。特に街乗りの場合は、減速・加速・停止を繰り返すのでクラッチを多用します。クラッチレバーも長期間メンテナンスしないままでいると、ガタ付きが生じますし、遊びの量がおかしくなってしまいます。レバーの交換は車検や定期点検のタイミングで行うことをおすすめします。

しかし、レバーよりも重要なのがクラッチ本体とレバーを繋ぐワイヤーです。ワイヤーの伸びや断裂がバイクの走りを悪くさせてしまいます。こちらは2〜3ヶ月に1度は点検を行い、適宜交換していくようにしましょう。

クラッチワイヤーのグリスアップ

クラッチレバーとエンジンのクラッチを繋ぐケーブルには金属ワイヤーが入っています。この金属ワイヤーが錆びついたり、グリス切れや熱膨張で伸びが生じる等の事象が原因で、クラッチが入らなくなる可能性があります。定期的にクラッチワイヤーのグリスアップを行いましょう。バイク用のスプレータイプのワイヤーグリスを利用するとスムーズです。取扱い説明書等に基づき、アジャスティングボルトからワイヤーを外します。

ノズルが付いたワイヤーグリスが手元にない場合は、ワイヤーへの注油が便利に出来る「ワイヤーインジェクター」という器具があると便利です。グリスをケーブルから注入し、エンジン側のケーブル出口からオイルが出てくればグリスアップは完了ですが、汚れたオイルが出続けるようであれば、しばらくこの作業を続けます。ただし、ケーブルの中に汚れが溜まって閉塞状態を起こしている場合がありますので、販売店にメンテナンスを依頼することも考慮しましょう。

クラッチレバーの調整方法

クラッチレバーには「遊び」と呼ばれる動きの余裕があります。誤って作動させることを防ぐ効果があり、さらに半クラッチがスムーズに行えるメリットがあります。ワイヤーのグリスアップ後は必ず調整を行います。クラッチレバーが軽く、半クラ状態にしにくい等の場合は、都度遊び量を調整しましょう。まずはクラッチレバーを引き、抵抗が感じられるまでの長さを定規で計測します。規定の遊び量は10mm〜20mm程度です。

・規定値より遊びが多い⇒アジャスティングボルトを手前に回して締める
・規定値より遊びが少ない⇒アジャスティングボルトを奥に回して開放させる

このような調整を行います。ただし、クラッチレバー側の問題ではなく、クラッチ機構本体の不調が関わっている可能性も否めません。この調整は車検にも関わってくる項目なので、プロに任せると安心です。販売店にメンテナンスを依頼することをおすすめします。

まとめ

クラッチワイヤーへの注油をすることで、シフトチェンジが円滑に進むようになります。半クラッチでエンストを起こしてしまうこともなくなります。クラッチケーブルはグリスが固着する・煤が溜まるといったトラブルも多発しますので、販売店にメンテナンスを依頼し、ワイヤーの点検と同時にグリスアップ等の作業で閉塞を無くし、クラッチの性能を保つように心掛けましょう。

本記事は、2016年8月17日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。