原付にも保険が必要?自賠責からお得な保険まで徹底解説

原付(125cc以下)というと気軽に乗れるイメージを持たれるため、自賠責以外の保険に加入する必要はないと考えられがちです。
しかし、車と違って身体がむき出しのバイクである以上、事故に遭ったときのダメージは大型や中型のバイクと変わりないといえるでしょう。

自賠責保険では自分のケガや対物賠償については保証されないので、万が一のときに備え任意保険も加入しておくほうが望ましいといえます。

そこで今回は、原付にも任意保険が必要であるかを解説したうえで、原付でも入れる任意保険やファミリーバイク特約についても解説していきます。万が一の備えとして、ぜひ参考にしてください。

原付バイクにも保険は必要?

冒頭でも述べたように、原付に乗っているユーザーには「自賠責保険で十分」と考えている方も多いようですが、自賠責保険はあくまでも最低限の範囲までしか補償されません。
任意保険の必要性を理解するために、まずは自賠責保険の補償範囲について見ていきましょう。

自賠責保険とは?

自賠責保険は別名「強制保険」ともいわれる保険で、自動車(自動二輪車を含む)で公道を走行する際に加入が義務付けられている損害保険となります。

もし自賠責保険の期限が切れたまま一般公道を走行した場合、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が課せられてしまいます。
また、無保険のまま運転すると交通違反となるため違反点数6点、つまり免許停止処分にもなってしまうのです。

参考:
交通違反の点数一覧表(警視庁)
自動車損害賠償保障法第5条、および第86条の3の1号

自賠責保険の補償内容は?

自賠責保険は被害者救済の観点から義務付けられる保険であるため、補償内容は対人賠償のみとなっており、最低限の範囲までしか補償されていません。
そのため、事故で電柱やガードレールを破壊したり、自分の車が廃車になったりしたとしても自賠責保険では保証されず、全額自己負担となります。また、自分のケガも補償範囲外です。

対人賠償の相手への補償内容は以下のとおりです。

  • 相手がケガをした場合=最高120万円まで
  • 相手に後遺症が残った場合=75万円~3,000万円(要介護の重度後遺障害の場合、4,000万円)まで
  • 相手が死亡した場合=最高3,000万円まで

事故の内容によっては上記の金額では到底補えないほどの損害賠償を請求されることもあり、自賠責保険だけでは十分といえないのが実情です。

自賠責保険に加入する際の注意点は?

強制保険である自賠責保険ですが、加入するにあたっていくつかの注意点があります。最悪の場合、自賠責保険が効かないという事態に発展する可能性もあるので確認しておきましょう。

万が一に備えて事故の際の連絡先や補償内容を把握しておく

実際に事故に遭ってしまった際、自賠責保険を利用するためにも連絡先は把握しておかなければなりません。また、どこまでが補償されているかも把握しておくことで、事故後の対応をスムーズに行なうことができるでしょう。

保険証や証書はバイクに搭載し常に携帯する

自賠責保険の証明書は、車やバイクに乗る際に携帯することが義務付けられています。証明書を持たないまま運転した場合、法令違反として取り締まりの対象となります。

自賠責の期間に注意し、期限切れのまま運転しないように注意する

車や250cc 以上のバイクであれば、自賠責保険に加入しないと車検に通らないため、期限切れはまず起こりません。しかし、原付は車検がないため期限切れになっても気が付かないケースがあります。

先ほども触れたように、自賠責保険の期限が切れたまま一般公道を走行すると罰金が課せられるだけでなく免停となってしまいますので、期限切れには注意しましょう。
もし期限が切れそうな場合、バイク(原付含む)はコンビニで自賠責保険に加入できるので、忘れずに更新しておきましょう。

原付は自賠責保険だけで大丈夫?原付でも入れる任意保険について

原付は自賠責保険だけで大丈夫?原付でも入れる任意保険について

ここまでの解説したとおり、自賠責保険は保証範囲が最低限であるため万が一の際を考えると十分な補償とはいえません。
この項目では、万が一に備えた「原付でも入れる任意保険」についてご紹介していきたいと思います。

自賠責保険だけではカバーしきれない?

先ほど「自賠責保険の補償内容は?」の項目でもお伝えしたように、自賠責保険は被害者救済のための最低限の範囲までしか補償されません。
しかも、唯一補償されている対人賠償に対しても十分な補償とはいえず、事故の内容によっては自賠責保険の補償額だけでは足りない可能性もあります。

また、自分自身のケガに対する補償がないというのも問題です。原付に限らずバイクで事故を起こした場合、車よりも重症化する可能性が高く、高額な治療費がかかることもあるでしょう。
これをすべて自己負担するのは、相当な負担になることは間違いありません。

さらには対物賠償もないので、例えば相手の車が高級外車だった場合、数百万円単位の賠償金を全額自己負担しなければならないといったケースも考えられます。

原付でも任意保険に入ることができる?

任意保険というと「車や中型・大型バイクなどが加入するもの」と思われがちですが、原付にも任意保険は存在します。
原付でも加入できる任意保険には「任意保険」と「ファミリーバイク特約」の2種類がありますので、それぞれ以下で見ていきましょう。

任意保険

任意保険はバイクそのものにかけられる保険です。自動車や中型・大型バイクにかけられる任意保険と同じものとなります。

自動車の任意保険に加入している方であればおわかりかと思いますが、予算に合わせて補償内容を変更できる柔軟さが魅力です。
またバイクそのものにかける保険であるため、ファミリーバイク特約よりも保証の範囲は広くなります。

ファミリーバイク特約との大きな違いは、搭乗者傷害と車両保険を付帯できる点です(車両保険は任意設定)。
搭乗者傷害というのは、バイク搭乗者(運転手および後席の人)がケガをした場合に保険金が支払われる補償をいいます。

また、自動車の任意保険と同じく等級制度が適用される点も見逃せません。1年間無事故で保険を使わなければ翌年に1等級上がるので、年を追うごとに保険料が割引されていきます。

さらに、保険会社にもよりますがロードサービスが使えるというのもポイントとなります。
原付ですので遠くまでツーリングに行くといった使い方はあまりしないかもしれませんが、職場までの距離が遠いなど、出先での急なバイクの故障にも対応したい方にはロードサービスは重要なポイントとなるでしょう。

ファミリーバイク特約(原付特約)

ファミリーバイク特約は、自動車保険を契約している場合に、特約として付帯できる保険です。「原付(125cc以下)」と「50cc以下の三輪以上の車」であればこの特約を利用できます。

ファミリーバイク特約の最大のメリットは、原付は何台でも補償対象となる点です。任意保険のようにバイクそのものにかける保険ではないことがその理由となります。
そのため、複数台の原付を所有している場合は非常にお得な保険といえるでしょう。

また、たとえ借りた原付であっても補償対象となる点も特徴です。例えば「友人から借りた原付に乗っていて事故に遭ってしまった」といったケースでも、ファミリーバイク特約では補償の対象となります。

任意保険に比べると補償の範囲は狭くなりますが、複数の原付も補償対象になるなどメリットの多い特約といえます。ちなみに、任意保険とは違いファミリーバイク特約に等級制度は存在しません。

任意保険との違いは?ファミリーバイク特約のほうがお得?

任意保険とファミリーバイク特約について上記でご紹介しましたが、どちらを選ぶかを決めるにはまだ情報が足りないかと思います。
そこでこの項目では、ファミリーバイク特約のメリット・デメリットをご紹介したうえで、任意保険とどちらがお得なのか?ケース別に解説していきます。

ファミリーバイク特約とは?

ファミリーバイク特約の概要については先ほど触れましたが、「補償される人の対象」と「補償範囲」についてもう少し掘り下げたいと思います。

ファミリーバイク特約で補償される人の対象は、以下のとおりです。

  • 記名被保険者
  • 記名被保険者の配偶者
  • 記名被保険者、配偶者の同居の親族(父母、子どもなど)
  • 記名被保険者、配偶者の別居の未婚の子ども

任意保険では「家族限定」など補償対象を任意で設定できますが、ファミリーバイク特約では元からこれだけの人が対象となるので、対象範囲が非常に広いです。
「配偶者の別居の未婚の子ども」も対象になるため、例えば一人暮らしをしている息子さんが原付で事故に遭った際も、ファミリーバイク特約で補償できます。

次に補償範囲ですが、こちらは本契約の自動車保険と同じ範囲になるのが一般的です。
具体的にいうと、

  • 対人賠償
  • 対物賠償
  • 自損事故

が補償されます。

なお、補償額についても自動車保険と同様で、例えば自動車保険で「対人対物・無制限」としていた場合、ファミリーバイク特約でも同じく無制限になります。

ファミリーバイク特約のメリット

ファミリーバイク特約のメリット・デメリットについて、まずはメリットから見ていきましょう。

保険を使っても等級が下がらない

任意保険の場合は自動車保険と同じく使えば等級が下がってしまいますが、ファミリーバイク特約の場合、保険を使っても「ノーカウント事故」として扱われるため等級が下がりません。
本契約である自動車保険の等級に影響しないというのは、大きなメリットでしょう。

利用期間によっては任意保険よりも割安

任意保険の場合、等級制度によって年々保険料が割引されていきますが、逆に等級が低ければ割高になってしまいます。
長期利用によって等級が上がれば任意保険のほうが安くなる場合もありますが、期間が短い場合はファミリーバイク特約のほうが割安になる場合が多いです。

125cc以下のバイクなら何台でもOK

ファミリーバイク特約はバイクそのものにかかる保険ではないため、家庭内に何台バイクを所有していたとしても補償対象となります。
家族がそれぞれ原付を所有していた場合などは、非常に大きなメリットとなるでしょう。

友人や、家族から借りたバイクでも補償の対象となる

ファミリーバイク特約の特徴として、借用してきたバイクでも補償対象となります。何かの拍子に友人の原付を借りたいといったケースでも対応できるのは、うれしいポイントです。

年齢の制限がない

本契約の自動車保険に年齢条件が設定されていたとしても、ファミリーバイク特約では年齢制限がありません。例えば16歳の高校生が原付を運転していても、補償対象となります。

ファミリーバイク特約のデメリット

メリットの多いファミリーバイク特約ですが、もちろんデメリットも存在します。ここでは、おもなデメリットを3つピックアップしてご紹介したいと思います。

等級制度がないため、長期的に考えると割高

等級制度がないことは短期では割安になるためメリットともいえるのですが、長期的に見ると毎年保険料が割引にならないので、割高になってしまう可能性があります。
長期的には任意保険のほうがトータルの保険料が安くなる場合もあるため、加入する前に利用期間を考えておくことをおすすめします。

ロードサービスが付帯しない場合が多い

保険会社によっては、ファミリーバイク特約でもロードサービスが付帯する場合もありますが、基本的には付帯しない場合が多いです。
遠くまで出かける機会が多い方にとっては、不安材料の一つになるかと思います。

ファミリーバイク特約単体での加入はできない

ファミリーバイク特約はあくまでも“特約”で、「ファミリーバイク特約」という保険があるわけではありません。
本契約である自動車保険のオプションという形になりますので、単体での加入は不可能です。

例えば車を手放すなど、自動車保険を解約する場合はファミリーバイク特約も同じように解約となる点を忘れないようにしましょう。

ファミリーバイク特約と任意保険どちらがお得?

実は、ファミリーバイク特約と任意保険どちらがお得か?という疑問に対して1つの答えを出すことはできません。場合によってどちらがお得かは変わってくるためです。

例えば、車を所有していて任意保険をかけている場合はファミリーバイク特約のほうがお得といえますし、原付1台のみ所有していて長期的に乗る場合は任意保険のほうがお得です。

ポイントは「車の任意保険に加入しているか」という点でしょう。車を所有していない場合は任意保険にも加入していないと思いますので、その場合は必然的にファミリーバイク特約が選択肢から外れます。

補償内容そのものは任意保険のほうが手厚いので、搭乗者傷害やロードサービスの有無、等級制度の有無などを考慮したうえで、自分にとって良いと思える選択をすることが大切です。

まとめ

今回は、原付の保険である自賠責保険と任意保険、ファミリーバイク特約について詳しく解説しました。
自賠責保険は強制保険なので加入するか迷う余地はありませんが、任意保険については加入を迷う、もしくは未加入の方が多いのが現状です。

しかし自賠責保険はあくまでも最低限の保証になりますので、万が一のことを考えると任意保険にも入っておいたほうが賢明といえるのではないでしょうか。
加入する際は、任意保険とファミリーバイク特約どちらがお得かをよく吟味したうえで選択するようにしてください。

本記事は、2020年11月30日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。