軽量で小柄。このクラスとしては、足着き性も良く前傾姿勢もさほどキツくない。これらは、ライダーへの優しさへとつながる。
クリーンな排ガスだけでなく、国内の加速騒音規制もクリア。これは、社会に対する優しさだ。
だからある意味で、現行600RRは"人に優しい"スーパースポーツと言ってよい。
その一方で、"国内仕様"の足かせは、加速させる楽しさという面に大きな影響を与えている。
単に出力やトルクが少ないということだけではない。加速騒音規制対策から、二次減速比の変更ができないのがもどかしい。結果的に、日本の峠でそれなりのペースのスポーツライディングを楽しむためには、1速を多用することになるが、アクセルを全閉から少し開けたあたりのとき、ちょっぴりドン突くことがあり、コントロールに少し気をつかうことになる。
もっとも、制限された出力のなかで自身の技術を磨くのは、とても重要なことでもある。120馬力を持て余すより、楽しくもある。
だから、国内仕様600RRは、やっぱりイージー&ファンなのだ。
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