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国産スーパースポーツの系譜
KAWASAKI ZX-10R 伝統の900ccから進化したZX 2代目10Rは大きな変更を受けて発進!
誌面で紹介できないほどリニューアルしたZX-10Rの実力は……
アクセルを開けながら駆け抜けるコーナーで実力発揮!
S字コーナーでは軽さのなかに安定した走りがたまらない魅力だ
カワサキならではの戦闘的なデザイン
KAWASAKI ZX-10R ZXーRRのコンセプトを注ぎ込んで生まれたZXー10R。その2代目となる10Rは、初代をベースにしながらも、細部にわたるまで大きな変更をうけている。ジェネレーター位置を背面からクランクの端に移したのをはじめ、車載角度を変更するなど、大きくエンジンは進化。ユーロ3に合致しながら、1、2、3速ではモトGPマシン並のトルクを生み出すという。
 カウルまわりのデザインは、一見してZZーR1400同様、最新カワサキトレンドを取り入れ、細部にわたるまでボディコンタクトのある部分を動的に扱いやすいデザインとしている。また、ステアリングヘッド位置を前進させ、ショートホイールベース、ロングスイングアームという基本を護りながらも、ディメンションの最適化を図っている。マフラー位置の設定変更も最新トレンドとなり、空力、マシンバランス両面ともアップデイトされている。細かな部分まで紹介しきれないほどの変更がもたらされている。
 走り出して感じたいちばんの激変はエンジン特性だ。初代の10Rは「2ストGPマシン、NSR500だってもっと開けやすかったぞ」と思うほどワイルドだったが、このモデルはアクセルを思いのままドンドン開けていけるようになった。ライバルと比較すると中速トルクが薄いような気もするが、速度の乗りそのものは早く、しっかりと伸ばしてゆけば申し分ない加速を見せてくれる。また、アナログ化された大型のタコメーターとデジタル表示の速度計も初代よりもはるかに見やすい。
 伏せるとタンクの質量が感覚から消えるところは先代同様。じつにコンパクトなバイクを操っているように思え、乗り手に余裕が生まれる。やや強めに効いているスステアリングダンパーのせいか、コーナリングでのターンインに鋭さを感じないが、深いバンクアングルまでの到達時間に遅さはない。加速に移行するまでのプロセスは、意のままでねらったライン上で行える。ZX10Rが履くダンロップそのものがGSXーRやCBRが履くブリヂストンよりも、初期レスポンスがやや穏やかなで、R1のミシュランと似た印象だ。
 しかし、美点は3、4コーナーのようにワイドな180度ターン、130Rなどのように加速しながら駆け抜けるコーナーでは、とくに気持ちよく走れた。その先のいっきに切り返すS字では、軽さのなかにしっかりとした安定感が潜み、探ることなくいっきに向きを変えることができた。
 ただし、残念だったのは、持ち込んだZX10がすでに何度かサーキットで酷使されたらしく、フロントブレーキのフェード傾向が強く、途中から攻めきれなかった点だ。しかし、二代目として大幅な進化の過程をしっかりと見いだすことができ、満足のいくテストとなった。
POSITIONING
KAWASAKI ZX-10R KAWASAKI ZX-10R KAWASAKI ZX-10R
跨るとタンクの質量が消え、とてもコンパクトに感じられる10R。ステップ&シート位置は高めなのに対し、ハンドルバーは低く戦闘的。タンク上面のくぼみは前屈時に前方の視認性を上げてくれている。
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SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2045×705×1115(mm)
シート高 825mm
ホイールベース 1385mm
乾燥重量 170kg
エンジン 水冷4ストロークDOHC直列4気筒
排気量 998cc
最高出力 175ps/11700rpm
最大トルク 11.7kgm/11700rpm
タンク容量 17L
タイヤサイズ F:120/70ZR17M R:190/50ZR17M
参考価格 132万3000円
CHECKPOINT
KAWASAKI ZX-10R KAWASAKI ZX-10R KAWASAKI ZX-10R 角度のついたタンクの上面は中央部がくぼみ、低く構えたスクリーンの中にヘルメットを潜らせることを可能にしている。中央に大きく開けたラムエアインテーク。三角のダクトの縁にはわずかにリップが立ち、デザインを印象的にしている。インナーチューブ前につくフェンダーステーの形状にもメーカーの個性がある。
スーパースポーツの系譜 KAWASAKI編
98 ZX-9R
98 ZX-9R
ZX-10R
ZX-10R
94 ZX-9R
94 ZX-9R
 開発が順調に進み、エポックなビッグバイクとなるはずだったZ。そのデビュー間際に、ライバルが放ったCB750と同じ排気量だったため、発売を延期、エンジンを900ccのDOHCとしたことは有名な話。そのカワサキにとって、Zと900ccという排気量は決まりごとになった。83年登場のニンジャでも900ccは再来し、94年にデビューのZX-9Rでも引き継がれた。この9Rはカワサキらしい性能、スタイルのエモーショナルさが特徴で、98年モデルではマグネシウムやチタンを使い、大幅な軽量化に成功。00年モデルではスタイルとともに各部のアップデイトが行われた。そして03年、900ccという排気量を守ってきた9Rは、ZX-10Rとして生まれ変わる。170kgのライトボディーに、175馬力。馬力荷重はわずか0.971kgという驚愕の性能と過激な走りでスーパースポーツ乗りから注目された。そして、05年のフルチェンジで、現行モデルへとさらに進化を遂げている。
進化を遂げるスーパースポーツ Part.4
[空力とマフラー]
空力もしかりだ。ただ、整流効果を高めるだけでデザインされているわけではない。100?/h以上でS字コーナーを切り返すようなシーンでも、ハンドリングの安定性と軽快さを高次元で、バランスさせるために、机上のデータだけでなく、実走テストを繰り返して得たモノが採用されている。また、センターアップマフラーも、空力的に貢献している。つまり、現代のスーパースポーツは、とってもフレンドリーであり、ワイルドなのだ。
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