バイクの車検は何ヵ月前から?前倒しのメリットや費用などバイク車検の基本を解説
250ccを超えるバイクに乗っていると必要になる車検。「いつ休めるかわからないから余裕を持って早めに車検を受けたい」という方もいるでしょう。
2025年4月より、車検を「有効期間満了日の2ヵ前から満了日までの間」に受検しても、残存する有効期間が失われないようになりました。この記事では、車検を受けるタイミングや早めに実施するメリット、車検にかかる費用や必要書類までをわかりやすく解説します。
愛車の売却を検討中なら、グーバイク買取の相場検索をご利用ください。無料で簡単に相場をチェックでき、出品や必要書類の準備などの不明点は専門のスタッフがしっかりサポートします。
グーバイク買取はこちら

バイクの車検は250cc超が対象
車検は、正式には「自動車検査登録制度」と呼ばれ、車両が道路運送車両法で定めた保安基準に適合しているかを確認する制度です。
車検の義務があるバイクは、250ccを超える「二輪の小型自動車(小型二輪)」です。一方、排気量125cc以下の「原動機付自転車」や、125cc超250cc以下の「二輪の軽自動車(軽二輪)」は必要ありません。
車検なしのまま公道を走ると、道路運送車両法違反で6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。さらに、道路交通法違反として違反点数6点が加算され、累積違反点数の状況によって変わりますが、最短30日間の免停となります。
自賠責保険も切れている場合は自動車損害賠償保障法違反となり、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と、より重い処罰となるので注意しましょう。
バイク車検の実施場所と持込方法

バイクの車検は、国が運営する陸運局、または国から指定を受けた民間の指定工場で実施されます。陸運局では検査のみを行なうため、事前に点検や整備を済ませておく必要があります。
指定工場には検査設備が整っており、整備から検査までを一括して受けられるのが特徴です。ライダーが車検を受ける方法は大きく分けて2種類があります。
バイク販売店や整備工場などによる車検代行
車検代行は、バイク販売店や整備工場といった専門業者に車検手続きのすべてを任せる方法です。指定工場でなくても、代行で陸運局に持ち込んでもらえます。
点検や整備、検査、書類の作成や搬送まで対応してくれるため、手続きの手間を省ける点が大きな魅力です。経験豊富な整備士が作業を行なうため、不備による不合格リスクも低くなります。
さらに、代車の貸し出しや、バイクの引き取り・納車などの便利なサービスを利用できる場合もあります。ただし、整備費用や代行手数料がかかるため、費用は割高になる点に注意が必要です。
ユーザー車検
ユーザー車検とは、バイクの所有者自身が運輸支局に直接車両を持ち込み、整備や検査手続きをすべて行なう方法です。必要書類の準備から検査ラインの通過まで自分で対応するため、法定費用のみで済む点が大きなメリットです。また、自分で整備を行なうことでバイクへの理解が深まる利点もあります。
一方で、整備知識や経験が不足している場合は、不合格や再検査のリスクが高まります。さらに、陸運局での検査は平日のみの実施となるため、仕事の都合で日程調整が難しい方には不向きです。
バイクの車検を行なう期間とタイミング

バイクの車検は、初回登録から3年後、以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。では、具体的にはどのタイミングで受検するとよいのでしょうか。
バイクの車検は何ヵ月前からOK?
実は、車検を受ける時期に特に決まりはありません。そのため、有効期限から2ヵ月前でも3ヵ月前でも、問題なく車検を受けられます。
残存する車検有効期間が失われないのは「2ヵ月前」から
車検自体はいつでも受けられますが、有効期限の2ヵ月以上前に受けると次回の車検までの有効期限が短くなるため、注意が必要です。
これに対し、有効期間満了日の2ヵ月前から満了日までの間に受検した場合は、残存する有効期間は失われません。従来の道路運送車両法施行規則では、1ヵ月前までが対象でしたが、2025年4月1日から制度が変更され、2ヵ月前の受検でも有効期間が引き継がれるようになりました。
<例:車検有効期間の満了日が2025年9月30日の場合>
このように、2ヵ月以上前に車検を受けてしまうと次回の満了日が繰り上がってしまうため注意が必要です。
参考:国土交通省「 来年4月より、車検を受けられる期間が延びます~年度末を避けて余裕をもって受検をお願いします~ 」
バイクの車検を前倒しでするメリット
車検を前倒しすると「次の車検までの有効期限が短くなる」というデメリットがあることは解説しましたが、一方で、車検を前倒しするメリットもいくつか存在します。
まず挙げられるメリットが、自分の予定に合わせやすくなる点です。実際、海外出張や入院などで有効期限の1ヵ月以内に車検を受けられないという理由から、前倒しで車検を受ける方も大勢います。
また、車検を受ける時期によっては車検場が混雑するため、予定の空いている日に予約が取れるとは限りません。このような場合、あえて繁忙期を避けて車検を前倒しすることで、予約しやすくなるというメリットもあります。
指定整備工場であればさらに15日間早く依頼できる

通常、車検の有効期限を無駄にしないためには有効期限まで2ヵ月以内に車検を受ける必要がありますが、「さらに15日前までなら車検を受けても有効期間が前倒しにならない方法」があります。これを知らずに車検を通すと損をしてしまうので、注意してください。
その方法とは、「指定整備工場を利用すること」です。指定整備工場であれば車検ラインを持っているので、車検場まで行かずとも車検を受けられます。ただし、車検証は陸運支局に書類を提出しないと発行されません。
そのため、指定整備工場でいったん車検を通し、書類を車検場に有効期限まで2ヵ月以内に提出することで、追加で15日前倒しで車検を受けられるのです。
これは、車検を通してから書類を提出するまでの期限が15日間と決まっているからです。有効期限まで2ヵ月以内(60日)+書類の期限(15日)=75日という計算になります。
バイクの車検にかかる費用
バイクの車検に必要な費用には、どのような車両でも必ず発生する法定費用と、整備内容や代行利用の有無によって変わる追加費用があります。
法定費用(どのような方法でも必ずかかる費用)
車検を受ける際に必ず発生する費用は、以下のとおりです。
自賠責保険:小型二輪(251cc以上)2年分で8,760円
重量税:
検査手数料(印紙代):1,800円
合計すると、約1万4,000円となります。これらはユーザー車検でも、業者による車検でも支払う必要がある基本費用です。
整備費用や車検代行に依頼した場合の費用
業者に依頼する場合は、法定費用に加えて整備費用や代行手数料が発生します。車検代行手数料はバイク販売店や整備工場によって異なりますが、一般的には1万~2万円程度が相場です。
さらに、法令で定められた12ヵ月・24ヵ月点検に基づく基本料金が発生し、内容によって変動しますが、こちらも1万~2万円程度かかります。
また、タイヤ・ブレーキパッド・チェーン・バッテリーといった消耗部品の交換が必要になれば、部品代や技術料として1万~3万円ほど追加されるのが一般的です。車両の状態によっては、5万円以上かかるケースもあります。
最終的に、代行を利用した場合の総額は、法定費用に整備費用・手数料を含めて4万~6万円程度になることが多いでしょう。
バイクの車検に必要な書類
バイクの車検を受けるには、あらかじめ必要な書類をそろえておくことが大切です。提出漏れがあると検査を受けられないため、事前に確認しておきましょう。
共通で必要な書類
バイクの車検で必ず求められる基本的な書類は次のとおりです。
自動車検査証(車検証):登録内容が記載された書類で、原本の提出が必要
自賠責保険証明書:加入が義務付けられている保険の証明書
継続検査申請書:運輸支局で入手できる、車検申請に必要な書類
点検整備記録簿(整備記録票):法定点検の結果を記録するもの。自己整備なら自分で記入し、業者依頼なら発行してもらえる
場合によって必要な書類
状況に応じて、以下のような追加書類が必要となるケースもあります。
新しい自賠責保険証明書:ユーザー車検を受ける際は、事前に加入して提出する必要がある
排出ガス試験結果証明書(ガスレポ):社外マフラーを装着した場合に必要。特にフルエキタイプで純正触媒を外している車両が対象
バイクの車検でチェックされる項目は?

バイクの車検では、法律で定められた安全基準や環境基準を満たしているかを細かく確認します。チェック対象は外観や灯火類だけでなく、排ガスや騒音など多岐にわたるため、事前点検が欠かせません。
チェック項目 | チェック内容 |
---|---|
車体の外観・同一性確認 | 車台番号や寸法が車検証と一致しているか。不正改造や破損は不可。 |
灯火類・ホーン | ヘッドライト、ウインカー、テールランプ、ナンバー灯、ホーンが正常に作動するか。ウインカーは橙色で適切に点滅しているか。 |
スピードメーター | 正確に速度を表示できるか。カスタムメーターは基準を満たさないリスクがある。 |
ブレーキ性能 | 前後ブレーキの制動力を検査。パッドやフルードの状態確認。 |
タイヤの状態 | 溝の深さが0.8mm以上あるか、ひび割れや著しい劣化がないか。 |
光軸・光量 | ヘッドライトの向きや明るさが基準内か。LEDやHID化車両は基準を満たさないリスクがある。 |
排気ガス・騒音 | CO・HC量や排気音量が基準値以内か。社外マフラーの場合、認証マークやガスレポの提出が求められる可能性がある。 |
ナンバー・リアフェンダー | ナンバープレートの角度、リフレクターの有無、泥よけ装備の適正を確認。 |
まとめ
バイクの車検は、初回は3年後、以降は2年ごとに義務付けられています。早めに受けると、自分の都合に合わせて柔軟に車検日を選びやすくなります。
2ヵ月前以降に車検を受ければ、残存する有効期限を引き継げるため、そのタイミングと混雑や予定を考慮して日程を選ぶことが賢明です。費用や書類も含めて把握し、余裕を持って計画的に車検を行ない、安心してバイクに乗り続けましょう。
車検の機に愛車の売却をお考えの方は、グーバイク買取へご相談ください。グーバイク買取は、全国約2,100社以上の買取店が参加するオークション形式で、愛車の価値を最大限に評価してもらえるサービスです。まずは、無料で相場をチェックしてみましょう。
本記事は、2025年8月26日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。
グーバイク買取はこちら

最新記事一覧
-
バイクを維持する 2025.10.06 up バイクを長期保管する方法!数年~10年保管時の注意点と再始動時のチェック項目も紹介
-
バイクを維持する 2025.10.06 up バイクの車検は何ヵ月前から?前倒しのメリットや費用などバイク車検の基本を解説
-
バイク買取 2025.10.06 up バイクの書類をなくしたら?売却に必要な書類と紛失時の再発行方法
-
バイク買取 2025.10.06 up YAMAHA SR400を売って後悔・買って後悔する理由は?車体の魅力と価格高騰の背景を解説!
-
バイク買取 2025.09.19 up レブル250は買って後悔する?レブル250が人気の理由や後悔しないためのポイントを紹介
- もっと見る