|
 |
POWER RACE
バイクと地面を結ぶ唯一の接点であるタイヤ。バイクの進歩はタイヤの進歩をなくしては語れない。とくに、ここ数年におけるバイクのハイパワー化はとどまることを知らず、いかに効率よくパワーを伝えるかということが至上命題となっている。
しかし、パワーを伝えるためにタイヤをハイグリップ化すれば、耐久性が犠牲になる。二律背反というこの問題に対してのひとつの回答が、今回発表された「パワーレース」だ。
パワーレースはモトGP用タイヤと同じように明確に区別された2つのゾーンを持っている。タイヤのセンター部分には硬めのコンパウンドを使用し、急加速や減速の強い力にも耐えられるようになっており、ショルダー部分に柔らかめのコンパウンドを用いることでフルバンク時のグリップを向上させている。
以前にもこのようなタイヤは存在していたが、注目すべきは「公道とサーキットの両方での使用が認められた」マルチコンパウンド・レーシングタイヤという点だ。この技術は、04年モトGPで使われたタイヤと同じもの。トップレベルのライダーでしか体感できなかったカスタムタイヤパフォーマンスを、一般ライダーでも楽しめるようになったのだ。
このように製造されたタイヤは、市場でもっとも軽量なフロントタイヤをも実現させた。また、フロントとリヤの合計重量も、公道走行可能なレーシングタイヤのなかでは最軽量となる。バネ下加重の軽減は、圧倒的なアドバンテージを生み出す。
二輪世界選手権の最高峰クラス29年間のうち、24回もの世界チャンピオンになったミシュランの技術を体感して欲しい。 |
|