ハッシュタグ 欲しい写真見つらずのカスタム・ツーリング情報1件

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    「欲しい写真見つらず」の投稿は1枚あります。
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    欲しい写真見つらずの投稿一覧

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    • マリン後輩さんが投稿したバイクライフ

      2021年07月29日

      67グー!

      わりと早い段階で嫌な予感はあった。
      ウンともスンとも言わないロドスタを前に思案。
      とりあえず一服……
      「……んぁ?」
      アイコスを取り出して気付く。
      ──マジかよ。
      充電切れしていた。
      もう嫌になってドカッと路肩に座り込んで、空を眺める。
      晴れた空に、ワシャワシャとセミの声が響いていた。

      ことの始まりは有給の消化だった。
      貯まっていた有給の為に、平日の水、木なんていう微妙な日程で休みを取る。
      寝て過ごそうとも考えたが、駐車場で寂しそうに佇むロドスタを見て、出掛けることにした。
      「よう、久しぶり」
      カバーを引っ剥がし、久方ぶりに愛車、XL1200CXロードスターに日光を浴びさせる。
      テラテラと艶消しのブラックが輝いていた。
      ────ドドド!ッドッドッド!
      少しばかりの間を置いて、エンジンが始動する。
      思えば、コイツに乗るのはどれくらいぶりだろうか?
      「……?」
      マジで思い出せん。
      上司の課す納期に追われ、雨にお預けをされていたライダーの脳ミソは完全に錆びているようだ。
      ハハハ! 思わず苦笑し頃合いを見て俺はツーリングに出掛けた。

      心地良く弾む愛車にテンションを上げながら走っていく。
      特に目的地は無い。なんとなく彼方の道の駅に行こうかと考えて走っていた。
      ぬるい風が俺を撫でては通りすぎていく。
      季節は7月の下旬、ようやく梅雨が明けてシーズンが始まろうかというところ。
      「夏のバイクは気持ちいいでしょう」
      「風を切って走るってどんなです?」
      会社の同僚や後輩が言う。
      「ああ。良いもんだよ」
      俺は柔和な笑みを浮かべてソレに答えた。
      ……実際は頬を引きつらせているのだが。
      信号待ちで止まる。すると。
      「お?」
      ミラーにフルカウルバイクが映った。
      そして器用にスルスルと車の間を抜けて、信号待ちの先頭へと並んだ。
      フルカウルのライダーが仰ぐように信号を眺める。
      信号が変わる。
      ブアァァァァン!
      けたたましい爆音、一気にライダーが彼方へと加速していった。
      俺も発進する。
      「めっちゃ熱い(気持ち)いいだろうな~」
      そう呟いて、俺は滴る汗を舐めた。

      そんな楽しいツーリングの道中。
      ふと良さげな風景があり、ロドスタを停めて写真を撮ったところで。
      ソレは起こった。
      ─カカカ! チンッ!
      「ん?」
      出発しようとセルを回すと変な音がする。
      「──?」
      バッテリー上がりか?いやでもそれなら回らない筈だし、ならどっかのハーネスか?でもでも……
      動かなくなった愛車を前に悪戦苦闘。
      そして。
      ─────
      ついにウンともスンとも言わなくなかった。

      「…………」
      今さらながら、スマホで似たような不具合を調べる。
      画面が日光を反射し眩しい……
      炒られる肌が痛い……
      てか暑い……あぁ、もうセミがうるせぇよ
      「……あぁ、そもそもが朝の段階で何かヘンだったんだよなぁ」
      チクショウ、これなら部屋で寝とくんだったわ。
      ──なんて、考えてスマホを乱暴にポケットに詰め込んで、ふと気付く。
      「あれ?」
      コイツ、いつガソリン入れたっけ?
      立ち上がり、愛車を左右に揺する。ほんのわずかに水音が鳴った。続いてタンクを開ける。

      「あ」

      タンクの中、乾いたアルミのシルバーがキラリっと光っていた。
      「ダハハハハッッッ!」
      顔を手で覆い爆笑!!!
      おいおいおいおい(笑)
      こいつぁ傑作だ。
      よりにもよって、コレかよ!?
      テメェ何年バイク乗ってんだ?
      マジか引くわぁ。
      「ンフフフフフフフッ」
      頭ん中に幾つもの思いが駆け巡り、笑いが止まらなくなる!

      「おい、兄ちゃん大丈夫かん?」
      ふと道路を見れば
      軽トラに乗ったおじさまが怪訝そうに俺を見ていた。
      「いや、、、んふ!失礼、その─フフフ」
      ダメだ、ツボった。
      「……?。あ、 こりゃアレばい」
      「婆さん、飲みもんば買って来ちゃって。このアンちゃん熱さでヤラれとらすぞ」
      おじさまが何かを感じ、助手席のおばさまと話している。

      「あ、いや、すいません」
      「大したことでは無いんですが」
      俺はプルプルと震える口を引き締めて、毅然とおじさま達に視線を向ける。
      「すいません、この近くにガソスタは有りませんか?」
      俺はおじさま達に尋ねる。

      「え?たまスタ?」
      おじさまが首を傾げる。
      「タマスタなら、この先ばってんが、あ、今日、試合しとらすばい」
      おばさまが前方を指差す。

      「。゚(゚^Д^゚)゚。」
      俺は笑った。
      セミの声がワシャワシャと響く。
      晴れた空、その下に俺の笑い声も響き渡った。


      #XL1200CX #俺RIDE #東◯海平 #欲しい写真見つらず

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