マリン後輩さんが投稿したバイクライフ

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    わりと早い段階で嫌な予感はあった。
    ウンともスンとも言わないロドスタを前に思案。
    とりあえず一服……
    「……んぁ?」
    アイコスを取り出して気付く。
    ──マジかよ。
    充電切れしていた。
    もう嫌になってドカッと路肩に座り込んで、空を眺める。
    晴れた空に、ワシャワシャとセミの声が響いていた。

    ことの始まりは有給の消化だった。
    貯まっていた有給の為に、平日の水、木なんていう微妙な日程で休みを取る。
    寝て過ごそうとも考えたが、駐車場で寂しそうに佇むロドスタを見て、出掛けることにした。
    「よう、久しぶり」
    カバーを引っ剥がし、久方ぶりに愛車、XL1200CXロードスターに日光を浴びさせる。
    テラテラと艶消しのブラックが輝いていた。
    ────ドドド!ッドッドッド!
    少しばかりの間を置いて、エンジンが始動する。
    思えば、コイツに乗るのはどれくらいぶりだろうか?
    「……?」
    マジで思い出せん。
    上司の課す納期に追われ、雨にお預けをされていたライダーの脳ミソは完全に錆びているようだ。
    ハハハ! 思わず苦笑し頃合いを見て俺はツーリングに出掛けた。

    心地良く弾む愛車にテンションを上げながら走っていく。
    特に目的地は無い。なんとなく彼方の道の駅に行こうかと考えて走っていた。
    ぬるい風が俺を撫でては通りすぎていく。
    季節は7月の下旬、ようやく梅雨が明けてシーズンが始まろうかというところ。
    「夏のバイクは気持ちいいでしょう」
    「風を切って走るってどんなです?」
    会社の同僚や後輩が言う。
    「ああ。良いもんだよ」
    俺は柔和な笑みを浮かべてソレに答えた。
    ……実際は頬を引きつらせているのだが。
    信号待ちで止まる。すると。
    「お?」
    ミラーにフルカウルバイクが映った。
    そして器用にスルスルと車の間を抜けて、信号待ちの先頭へと並んだ。
    フルカウルのライダーが仰ぐように信号を眺める。
    信号が変わる。
    ブアァァァァン!
    けたたましい爆音、一気にライダーが彼方へと加速していった。
    俺も発進する。
    「めっちゃ熱い(気持ち)いいだろうな~」
    そう呟いて、俺は滴る汗を舐めた。

    そんな楽しいツーリングの道中。
    ふと良さげな風景があり、ロドスタを停めて写真を撮ったところで。
    ソレは起こった。
    ─カカカ! チンッ!
    「ん?」
    出発しようとセルを回すと変な音がする。
    「──?」
    バッテリー上がりか?いやでもそれなら回らない筈だし、ならどっかのハーネスか?でもでも……
    動かなくなった愛車を前に悪戦苦闘。
    そして。
    ─────
    ついにウンともスンとも言わなくなかった。

    「…………」
    今さらながら、スマホで似たような不具合を調べる。
    画面が日光を反射し眩しい……
    炒られる肌が痛い……
    てか暑い……あぁ、もうセミがうるせぇよ
    「……あぁ、そもそもが朝の段階で何かヘンだったんだよなぁ」
    チクショウ、これなら部屋で寝とくんだったわ。
    ──なんて、考えてスマホを乱暴にポケットに詰め込んで、ふと気付く。
    「あれ?」
    コイツ、いつガソリン入れたっけ?
    立ち上がり、愛車を左右に揺する。ほんのわずかに水音が鳴った。続いてタンクを開ける。

    「あ」

    タンクの中、乾いたアルミのシルバーがキラリっと光っていた。
    「ダハハハハッッッ!」
    顔を手で覆い爆笑!!!
    おいおいおいおい(笑)
    こいつぁ傑作だ。
    よりにもよって、コレかよ!?
    テメェ何年バイク乗ってんだ?
    マジか引くわぁ。
    「ンフフフフフフフッ」
    頭ん中に幾つもの思いが駆け巡り、笑いが止まらなくなる!

    「おい、兄ちゃん大丈夫かん?」
    ふと道路を見れば
    軽トラに乗ったおじさまが怪訝そうに俺を見ていた。
    「いや、、、んふ!失礼、その─フフフ」
    ダメだ、ツボった。
    「……?。あ、 こりゃアレばい」
    「婆さん、飲みもんば買って来ちゃって。このアンちゃん熱さでヤラれとらすぞ」
    おじさまが何かを感じ、助手席のおばさまと話している。

    「あ、いや、すいません」
    「大したことでは無いんですが」
    俺はプルプルと震える口を引き締めて、毅然とおじさま達に視線を向ける。
    「すいません、この近くにガソスタは有りませんか?」
    俺はおじさま達に尋ねる。

    「え?たまスタ?」
    おじさまが首を傾げる。
    「タマスタなら、この先ばってんが、あ、今日、試合しとらすばい」
    おばさまが前方を指差す。

    「。゚(゚^Д^゚)゚。」
    俺は笑った。
    セミの声がワシャワシャと響く。
    晴れた空、その下に俺の笑い声も響き渡った。


    #XL1200CX #俺RIDE #東◯海平 #欲しい写真見つらず

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