ハッシュタグ セローの和訳はカモシカのカスタム・ツーリング情報1件

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    • マリン後輩さんが投稿したバイクライフ

      2020年03月10日

      52グー!

      世界が ぐるんぐるんと回転する。
      左に見えていた地面があっという間に右へ。
      落ち葉と砂利の地面に全身を打ち付け、視界に火花が飛び散る
      「あぁ……」
      スローモーションになっていく世界の中、俺は驚くほど冷静に状況を理解していた
      世界が暗転する……

      WRを買って はや1年。
      今日は念願のハードな林道に挑戦していた
      俗にいう廃道。
      まともな所など無く、落ち葉に砂利に倒木に、様々なモノが俺の行く手を阻む。
      「エルズベルグロデオかよ!」
      などと喜びの悲鳴を上げ、力と知恵を振り絞って、人の管理下から放れたソレに1人で立ち向かう。
      そして。
      想定していた道の約4割を越えたくらいの所でそれは起きた。

      「ちょッ!」
      コーナーを越えた瞬間に急に何かが飛び出してきた!
      「ッま!」
      思わずブレーキレバーを握り込む!
      派手に土煙を上げながらWR共々倒れ、左へと滑っていく。
      左に見えるは崖!
      一瞬で判断。
      強ばる体を無理矢理動かし、乾坤一擲にWRから飛び降りる!
      WRがそのまま左の斜面へとなす術も無く転げ落ちる。
      そして冒頭へ至る。

      気がつけば俺は地面の上に横たわっていた。
      「ーーー」
      興奮に心臓が飛び出しそうになるのを必死に抑えて呼吸。
      「ふぅ……ふぅ」
      とりあえずヘルメットを脱ぎ、上体を起こして呼吸を整える。
      痛みは無い。
      奇跡的にコケ方が良かったのが、全身を砂だらけにしただけで済んでいた。

      ピェ~

      鳴き声が聞こえる。
      見れば数メートル先に鹿が腰を抜かしたように佇んでいた。
      状況を理解。
      俺は鹿と衝突しかけたらしい。
      思わず怒りからヘルメットを投げつけーー
      待て。それはおかしい。
      俺が山に押し掛けているのだ。
      完全なる俺のミス、俺の責任。
      手にしたヘルメットを地面に置く。
      「……怪我は無いかい?」
      ピェ~。
      俺の問いに鹿が鳴き、そして山の中へ飛び込む。
      「………はぁぁ」
      やるせない気持ちを飲み込んで立ち上がる。
      いつまでも座り込んでられるか。
      とりあえず崖下を覗きこむ。

      見れば数メートルの斜面の下、ガレ場の真ん中にWRが転がっていた。
      「良かった」
      安堵。見た感じ、斜面も緩く何とか降りることが出来そうだった。
      茂る木々に掴まりながら下へと降りていく。
      その途中で、体に多少の痛みが走る。
      やはり打撲や擦り傷を負っているのだろう。
      しかし骨折は無いようだ。
      「体の傷は勲章…体の傷は勲章……」
      自己暗示を施す。
      そして、何とかWRにたどり着き、引き起こす。
      「うわ、ZETA無くなってるやん」
      右のナックルガードが無かったり、レバー類が歪んでいるものの、それ以外は落ち葉と砂利に まぶされただけで済んでいた。
      見える範囲の汚れを落とし、E/Gをかける。
      ガ…ジィィ…キュルキュル…
      ドドンッ!
      多少、嫌な音を立てながらもE/Gがかかった。
      「あ……とぉ」
      緊張が解けた為か、思わず膝が崩れる。
      そのまま砂利の上、汚れることも厭わずに仰向けに寝そべる。
      「……やらかした」
      今更ながら後悔。
      WRのデカール貼り直すかなぁ……
      レバーも買い直さないと……
      「ーーあの」
      「え?」
      ふと声がしたので起き上がる。
      「大丈夫ですか?」
      オレンジ水玉のアパレルに身を包んだオフスタイルの女の子が立っていた。

      「へぇ、君も今日チャレンジに来てたんだね~」
      女の子から貰ったコンビニのお握りを頬張りながら喋る。
      「そうなんですよ。あ、お茶飲みますぅ?」
      彼女がボブルビーから水筒を取り出す。
      聞けば彼女、カシマさんも今日セローに乗って林道に来ていたらしい。
      そして。俺やWRの落下音を聞き、ここまで進んできたらしい。
      「あれ? そういえば君のセローは……」
      「……ガレ場にビビって下に置いてきちゃいました」
      カシマさんが恥ずかしそうにする。
      「正解よ」
      俺はおどけて、汚れたパーカーをこれでもか見せつける。
      「ちょ!それ笑えませんよ~」
      カシマさんがケラケラと笑う。
      ーーさて。
      俺は気合いを入れ立ち上がる。
      「色々ありがとう。とりあえず俺帰るわ、下まで送るよ」
      「ええ! 良いですよ~」
      カシマさんが遠慮する。
      「いやいや。そうもイカンでしょ……。てか、君のセローの所まで送るわ」
      俺はWRに火を入れ、跨がる。
      「……良いんですか?でも……」
      カシマさんが渋る。
      見れば彼女の荷物はボブルビーだけ。
      なるほど、ヘルメットをセローに置いてきたのか。
      「じゃ、悪いけど俺のヘルメット被ってくんね? あ、大丈夫!今綺麗にするから」
      俺はバックの中のウェットティッシュでメットの内と外を拭きあげる。
      「じゃ失礼して……」
      カシマさんが俺のメットを被り、ちょこんと俺の後ろに乗る。
      「じゃ行くよ」
      俺の言葉にカシマさんが頷く。
      ガレ場を慎重に進んでいく。
      途中、案内に聞きながら山を下っていく。
      「ー次は?」
      「このまま まっすぐ!」
      カシマさんの存在を感じながら、しかし風圧や枝に顔をしかめながらノーヘルで林道を走っていく。
      しばらくして。
      「む」
      見れば茂る木々の間に何かが見えた。
      「ここで良いですよ!この先、歩かなきゃ無理なんで!」
      WRを止める。
      「ありがとうございました」
      カシマさんがペコッと頭を下げる。
      「いやいや! それは俺のセリフよ! 君のお陰で助かったわ! いやホントマジで!」
      俺は身ぶり手振りで感謝を伝える。
      「また会おうね」
      「……ですね」
      彼女が笑う。
      天使か、この子は!
      何度も会釈し、木々の中に入っていくカシマさんを見送る。
      俺はカシマさんが見えなくなるまで、千切れんばかりに手を振った。
      「じゃ俺も帰っか」
      俺は自分のメットを……
      これ、カシマさんが被ったんだよな?
      へへへ。しゃーない、しゃーない。
      メットを被り、息を吸う。
      メットから濃厚な森の香りがした。
      そしてすぐ横にあった国道へと目をーー

      「……ん?」
      ふと疑問に気付く。
      あの子、どうやってガレ場まで来てたんだ?
      WRで走っても中々の距離が有ったぞ。それを歩いて来たのか?
      わざわざ?
      そもそも何で あんなタイミング良く会えて……
      カシマ、、、かしま、、、
      セロー、、、セロー?
      「ーーあッ!!」
      思わずカシマさんの消えた先を見る!
      そこは ただ木が茂っているだけ。
      「……ははは」
      万感の思いで笑いが出る。

      「○追う者は山を見ず。なるほど、出来すぎてらぁな」
      また来るよ。
      誰に語るでもなく呟く。
      「前方良し!」
      国道を走り帰っていく。

      ふと聞こえる草笛は誰だったか。
      答えるようにアクセルを吹かす。


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