エリック・ビューエルに敬意を表しての投稿検索結果合計:1枚
「エリック・ビューエルに敬意を表して」の投稿は1枚あります。
fireboltXB12R、エリック・ビューエルに敬意を表して、俺RIDE、東○海平、海刊オートバイ などのタグがよくつけられています。投稿されたツーリングスポット情報・カスタム事例などエリック・ビューエルに敬意を表してに関する投稿をチェックして参考にしよう!
エリック・ビューエルに敬意を表しての投稿写真
エリック・ビューエルに敬意を表しての投稿一覧
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2020年04月01日
56グー!
《お前のファイヤーボルト直ったよ》
バイク屋のヒロからラインを貰ったのは、仕事終わりの電車の中だった。
「ふむ……」
どうしたものか?
今、乗っている電車はバイク屋とは逆方向に走っている。
時刻は19時。無論、明日も仕事だ。
「次は~十二本松~十二本松~」
電車のアナウンス。
ああ。覚悟を決める。
「ーー行くか」
バイク屋に向かうことにした。
途中下車し、一度清算を済ませてバイク屋への電車に乗り直す。
「………」
さて、愛車に乗るなんて何ヵ月ぶりであろうか?
ビューエルというメーカーは最早存在していない。
以前はハーレーで看て貰えたが、今ではそれも怪しくなってきた。
特殊な構造、独創的な設計、ショートホイルベースとVツインが織り成す唯一無二といえる乗り味。
これに乗ってはもう他のバイクではーー
「どうしよう」
ツーリング先で見事にSプラグが弾け飛び、完全にE/Gがオシャカになって途方にくれていたあの日。
「大丈夫すかぁ?」
声を掛けてくれたのがアクティーに乗ったヒロだった。
「たちまちウチに持っていきましょう」
ヒロがそう言って慣れた手つきでアクティーの荷台にファイヤーボルトを積み込む。
見れば車のドアにバイク屋の名前が書かれていた。
「~♪~♪」
ヒロが安物のオーディオから流れる洋楽に鼻歌を乗せる。
「あの、ありがとうございます」
「いえいえ」
「俺のビューエル結構めんどくさいと思うんですけど……」
「ああ、忘れてた。自分もビューエル乗ってんすよ~ま、普段乗りはカブの110ですけどね」
ヒロがチラッと荷台のファイヤーボルトを見る。
「見た感じE/Gイワした感じですね。馴染みの店はお持ちで?」
俺は首を振る。
「あちゃー、やっぱり。最早部品も怪しくなってきましたしね」
ヒロの店に到着した。
愛車を店のジャッキに乗せる。
覗き込むヒロが眉をひそめた。
どうやら重症らしい。
「ちょっと待っててもらえます?」
ヒロが店の奥の客間に俺を座らせる。そしてぬるい缶コーヒーを渡してきた。
頼んでもないのに、ファイヤーボルトを分解していく……
「………」
何となく店を見渡す。
狭い店内に並ぶはガチガチに仕上がったKawasaki車2台に、全バラ状態で壁にカウルを釣られた……あれはYAMAHAのR1か?
そして本棚に並ぶのはレースやツーリングの本ばかり。
「なるほど。本当にバイクが好きなんだな」
貰った缶コーヒーを飲み干す。
「ーーあの!」
店先で屈み、苦悶の表情を浮かべるヒロに声をかける。
「俺のビューエルお願いしても良いですか?」
それからというもの、一々確認の電話が来た。
プラグが~、バルブが~、燃料ポンプが~
「分かった! 分かった! もうお前の好きにせぇ!」
もう何か面倒臭くなりヒロに任せることにした。
そして今に至る。
「次は~、四谷口~四谷口~」
最寄りの駅に着いた。
まるで急ぐ子供のように、走ってバイク屋へと向かう。
「うぃ~す」
店先でタバコをふかすヒロが出迎えてくれた。
「すまん。遅くなった」
「良いよ良いよ。さぁ久しぶりの相棒と早ぅ会いんちゃい」
店の中、照明をスポットライトが如く浴びて俺のファイヤーボルトが鎮座していた。
はやる気持ちを抑え、安くない治療費を払ってーー
キュル……ドルンドルン!!
久しぶりの快音に脳まで痺れる。
「ありがとう」
そう言って俺はヘルメットを被り……
「待て待て」
ヒロがそう言って店の裏へと消える。
「ナイツー行こうぜ!」
そして黒いファイヤーボルトと共に躍り出てきた。
「はぁ? 俺はもう帰るぞ」
「固いこと言うなよ~。また壊れるかもしれんだろう?」
「そん時は金返せ!」
「ハハハ!」
しょうがないので走ってやることにした。
「とりあえずサイゼリア行こうぜ」
「おいおい。隣町じゃねえか」
……まぁいいか。
たちまち2台でナイツーを始める。
「ひゃっほう~」
前を走るヒロが、これ見よがしウィリーをやらかす。
「うわぁ……」
ドン引きだ、車間を開ける。でも。
「おらぁ!」
仕方がないので、俺もウィリーをしてやることにした。
俺はビューエルが好きだ。
これまでもずっと
そしてこれからもずっと……
#fireboltXB12R #海刊オートバイ #俺RIDE #東○海平 #エリック・ビューエルに敬意を表して
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