ウェットサンプ・ドライサンプ、2種類のエンジン潤滑方式の違い｜グーバイクマガジン -公式サイト-

バイクエンジンは、エンジンオイルを潤滑させることによって正常な働きが出来るよう設計されています。今回は、2つの異なるエンジンオイルの潤滑方式である「ウェットサンプ」と「ドライサンプ」の特徴について解説します。

それぞれのメリット・デメリットを知って、バイク知識を向上させましょう。

ウェットサンプとは

ウェットサンプとは、オイルパンと呼ばれるエンジンオイルの受け皿に溜まったオイルをポンプで吸い上げながら循環させる潤滑方式です。オイルパンはエンジン底部に取り付けられているため、ウェットサンプを採用する車種に搭載されたエンジンは比較的大型であるのが特徴です。

車種によっても異なりますが、ポンプによる吸い上げを行わない場合はオイルパンに溜まったエンジンオイルをクランク等でかき混ぜることで、エンジンに付着させている場合もあります。

ドライサンプとは

ドライサンプとは、エンジンから離れた部分に取り付けられたオイルタンクからエンジンオイルを注油し、エンジンとオイルタンクを循環させることでエンジン潤滑を行う潤滑方式です。

ドライサンプは、主にオフロードバイクや外国車に多く見られ、循環には注油・排油ともに専用のポンプが使用されます。ウェットサンプと比較すると、ドライサンプを採用することで必要なパーツは多くなりますが、エンジン底部にオイルパンを必要としないことから、エンジン自体のサイズは比較的小型であるのが特徴です。

異なる潤滑方式によるメリット・デメリット

ウェットサンプでは、エンジンオイルの循環に必要なパーツが少ないため、パーツ交換に大きな手間を必要としないのが魅力です。また、オイル交換のためのメンテナンスにおいても、エンジン底部のドレン口から排油した後は、注油口から直接注油するのみなので、比較的楽にオイル交換が可能です。

ただし、ウェットサンプはエンジンの放熱を受けやすいためオイルの劣化が早く、頻繁な点検やオイル交換が必要となってしまう点がデメリットと言えます。

一方、ドライサンプは放熱の影響を受けにくいためエンジンオイルの劣化が穏やかなのが魅力です。また、エンジンとオイルタンクが分離されていることでエンジン下に空間を設けやすく、車高を高く維持したい場合も対応出来る点がメリットと言えます。

ただし、必要パーツが多いことで、メンテナンスでは清掃箇所が多くなってしまう点がデメリットです。

まとめ

エンジンオイルの潤滑方式が異なれば、必要なパーツや道具はもちろん、メンテナンスの頻度も大きく異なります。2種類のエンジン潤滑方式の違いやメリット・デメリットを理解し、自身のバイクに採用されたエンジンオイルの潤滑方式を確認してみましょう。

本記事は、2017年11月30日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。