バイクの事故を防ぐアクティブセーフティ技術、トラクションコントロールシステム（TCS）｜グーバイクマガジン -公式サイト-

雨の日の走行時、「おっと！」と危ない思いをした経験はありませんか？今回は、搭載されていると安全性が高まるトラクションコントロールシステムの仕組みや、役立つ場面について解説します。バイク性能を詳しく理解したい方や、バイク選びに迷っている方、必見です。

トラクションコントロールシステム（TCS）とは

主に、自動車に搭載されているトラクションコントロールシステム（以下TCS）は、路面との接地面に掛かる摩擦よりもエンジンパワーが上回ってしまった時に、タイヤが空回りし、滑る現象を防ぐ制御装置です。近年では、エンジンパワーが大きいバイクにも導入が進み、走行時の安全性を重視したバイク選びでは、TCSの有無を確認するライダーも多くいます。

バイクの安全性を高める制御装置にはTCSの他、アンチロック・ブレーキ・システム（ABS）が代表的ですが、ABSはブレーキに対して作動する反面、TCSはアクセル開放時のタイヤの回転に作用するのが特徴です。

タイヤのスピンを防ぐ仕組み

滑りやすい地面等でアクセルを大きく開けると、稀に地面を削るようにその場でタイヤのみが回転し、転倒や横滑り等のトラブルに繋がる場合があります。このような危険を防ぐため、TCSは常にタイヤの回転数を認識することで空回りを瞬時に感知し、エンジン出力を落としたり、緩いブレーキをかけたりして、タイヤの回転数を調節しています。そのため、バイクにTCSが搭載されていると、条件が悪い路面走行時やコーナリングでスピードを出すぎてしまった際に安全性が高まると言えます。

TCSは意外な場面で役に立つ

滑りやすい路面と聞くと、雨で濡れた道路や雪道、冬場の凍結道路を想像する方は多いのではないでしょうか。もちろん、それらの路面では、TCSが搭載されたバイクなら発進時やカーブ時の予期せぬトラブルを防げる可能性が高まります。しかし、必ずTCS搭載車を選ぶというライダーは、まだまだ少ないのではないでしょうか。

確かに、悪条件の路面を走行する際はライダー自身が一層気を引き締めているので、TCSの有用性を重視する方は少ないかもしれません。しかし、たとえばツーリングで知らない土地を走行する際、想像以上の未舗装道路（オフロード）を走行するとなった場合には、TCSがあればトラブルを未然に防げる確率が高まります。

また、夜道やトンネル走行等で路面の状態を確認し辛い場合も同様で、ライダーが認識出来ない路面の異変にもTCSはいち早く感知・作動し、転倒等のリスクを低く出来ます。

まとめ

トラクションコントロールシステムは、自動車だけでなくバイクにも導入が進んできています。TCSの性能を理解して、役に立つ場面を自身の走行スタイルと照らし合わせてみましょう。ぜひ、愛車選びの参考にしてみてください。

本記事は、2016年11月16日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。