バイクにおけるECUの書き換えとは?メリット・デメリット解説
サーキット走行や峠ツーリングを楽しむようになると、走行性能を追求したくなりますよね。通勤や通学、ちょっとした買い物などの交通手段としてだけでなく、バイクにはさまざまな楽しみ方があります。
今回は、走行性能を高める「ECU(Engine Control Unit)の書き換え」について解説します。ECUを書き換えるメリットやデメリットを知り、充実したバイクライフを満喫しましょう。
ECUの書き換えとは

バイクのECUは、エンジンの駆動に欠かせないパーツです。ECUの書き換えとは、走行性能にかかわるチューニングを施すことを言い、ECUチューニングとも呼ばれています。ECUの役割や書き換えによる変化について見ていきましょう。
そもそもECUとは何?
ECUとは、Engine Control Unit(エンジンコントロールユニット)の略称で、エンジンの制御装置のことです。インジェクション搭載のバイクはECUでエンジンの各機構がコントロールされていますが、制御値はメーカーや車種によって異なります。通常、バイクが正常にパワーを引き出せるよう、出荷時は各機構が最適な制御値にプログラムされています。ECUが制御をおこなう機構を以下で確認しておきましょう。
プログラムされたデータにもとづき、ECUは走行時の状況に合わせた指示を各機構に送り、エンジンを的確にコントロールしています。そのため、ECUの書き換えをおこなうと走行時に引き出されるエンジンパワーに変化が見られ、走行性能や燃費性能にもさまざまな影響を及ぼします。ECU書き換えで変化を期待できる主な性能は、以下のとおりです。
バイクのECU書き換えをするメリット
多くのバイクは「世界基準の排気ガス規制または騒音規制」を満たすために、バイク本来のパワーを持て余してECUセッティングされています。バイクのECU書き換えをおこなうとバイクが持つパワーを十分に引きだせるため、以下のようなメリットを期待できます。
性能などが上がることで乗りやすいバイクになる
エンジンコントロールが変わり、走行性能を自分好みに変えていくことができます。特に、以下のような不満や不調を抱えている場合、ECU書き換えで性能を向上させることができれば、同じバイクでも乗りやすさを大幅に改善できるでしょう。
日本仕様モデルを海外モデル仕様にできる
日本仕様のバイクは本来、海外のバイクほどパワーが出るものではありません。「国産車でもパワーが欲しい」という場合、逆輸入バイクを選ぶ方法もありますが、ECU書き換えをおこなうと日本仕様モデルでも海外モデル同等のパワーに近づけることが可能です。
ECU書き換えによるバイクの「フルパワー化」ができると、パワーを求めて逆輸入バイクを購入するよりも費用を抑えやすいでしょう。日本仕様モデルのECU書き換えでバイクの性能を海外モデルに近づける場合は、国内の排気ガス規制や騒音規制に従って実施しましょう。
バイクのECU書き換えをするデメリット
バイクでECU書き換えをおこなう場合、以下のようなデメリットが考えられます。
費用と時間がかかる
ECUを書き換えるときは、一般的にバイクショップに作業を依頼します。そのため、バイクを持ち込む必要があります。また、一度の作業で最適なECUチューニングをおこなうのは難しいので、自分好みの乗り心地を追求する場合、何度も「トライ・アンド・エラー」を繰り返す必要があるでしょう。定期的にECUの書き換えをおこなうと費用と時間がかかります。
エンジンが壊れるリスクがある
自分の好みの性能を求めて過度なECU書き換えをおこなうと、エンジンに負荷がかかり、エンジン本体や周辺パーツを傷めてしまう可能性があります。また、ECU書き換え中にエンジンブローが起きてしまった場合、ユーザーが部品代を負担しなければならないこともあるので、作業は信頼のおけるバイクショップに依頼するほうがいいでしょう。
燃費が悪くなる
バイクショップでECU書き換えをする場合、エンジンに過度な負担がかかるパワー重視のセッティングはあまりおこなわれていません。メーカーが推奨する純正セッティングに比べると、自分好みのECUセッティングはパワーバランスが崩れやすく、燃費性能が落ちてしまう可能性があります。
まとめ
本記事は、2020年4月21日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。