愛車に適したバイク用エンジンオイルの選び方とおすすめオイル10選!
愛車のパフォーマンスを最大限に発揮するうえでも、適切なバイク用エンジンオイルを選び、定期的に交換することは大切なメンテンスです。ただし、バイクのエンジンオイル選びには、非常に多くのポイントがあります。
今回は、愛車に適したオイル選びのポイントを確認したうえで、コストパフォーマンスの良いおすすめのバイク用エンジンオイル10商品を紹介します。記事の後半では、エンジンオイル交換をセルフと専門店で行なう場合のポイントも解説します。バイク初心者の方は、ぜひチェックしてみてください。
愛車に適したオイルの選び方は?
バイク用エンジンオイルを選ぶときには、バイクの特徴や季節、乗り方といったさまざまなポイントにおいて適したものを選ぶことが大切です。もし合わないオイルを入れてしまった場合、バイクのパフォーマンスが発揮されないだけでなく、エンジントラブルを起こす可能性もあります。
ここではまず、バイク用エンジンオイルを選ぶときのポイントを細かく見ていきましょう。
2ストか4ストか把握する
エンジンオイル選びにおける最初の分岐点は、自分の愛車が2ストロークと4ストロークのどちらのエンジンを搭載しているかです。
2ストロークエンジンの場合、どんどん燃焼していく仕組みであるため、交換ではなく「定期的なオイル補充」が必要となります。一方で4ストロークの場合は、定期的な「オイル交換」が必要です。
2ストロークと4ストロークのどちら向けの仕様かどうかは、オイル缶のパッケージに記載されています。間違った種類を選ぶとエンジンフローの原因になるため、注意しましょう。
愛車にあったJASO規格のオイルを選ぶ
JASO規格とは、JSAE(自動車技術会)によって定められたエンジンオイルなどの規格です。JASOでは、おもにJISで制定されていない部分の規格化や、他の規格との整合化を実施しています。
JASOで定められたエンジンオイルの規格は、2ストロークと4ストロークで異なります。4ストロークの場合、以下の4種類からエンジンオイルを選びます。
2ストロークのJASO規格では、潤滑性・排気系閉塞性・清浄性を基準にベースとなるFAに加えて3つのグレードが用意されています。
用途に合わせてベースオイルを選ぶ
バイクのエンジンオイルには、以下3種類のベースオイルがあります。
全合成油
全合成油は、複雑な精製によって不純物を可能な限り取り除いた高級オイル。真冬でもエンジンの始動性が高く、オイルの劣化がしにくいといった多くの魅力があるため、レースやサーキット走行時に注目されやすい種類です。
部分合成油
全合成油と鉱物油を混合したオイル。鉱物油のデメリットを20%程度の化学合成油で補う種類となります。ロングツーリングや、高速道路に乗る機会の多い場合におすすめです。
鉱物油
原油の蒸留で精製された、古くからあるエンジンオイル。価格が安いため最も普及率が高い反面、エンジンの始動性や耐熱性能、燃費などは他の種類よりも劣ります。通勤通学程度の用途や、こまめに交換やメンテナンスをする場合は問題なく使える種類です。
季節やエンジンに合わせた粘度を選ぶ
バイク用エンジンオイルの粘度は、米国の技術者団体であるSAEの規格を目安に選びます。例えば、最も一般的な「10W‐40」の場合、10Wが低温時の始動性、40が高温時の粘度を意味します。
粘度の数字が小さいほど、オイルは固まりにくいことを意味します。例えば、10Wがマイナス25度までであるのに対して、5Wならマイナス30度までの始動性を確保します。そのため、寒冷地でバイクに乗る場合は、エンジンの始動性を向上させるために、5Wを選択してもよいでしょう。
炎天下のツーリングでは、油膜保持を目的に少し硬めの50などを選ぶこともあります。ただし、高温時の粘度が高い50の場合、燃費が悪くなる可能性があるため注意が必要です。一方、ピストンクリアランスが広い旧車の場合、50などの硬めのオイルが適している場合もあります。
API規格もチェックする
API規格は、以下の団体によって組織化されたエンジンオイルの認証システムです。
API規格は、アルファベット2文字のSAから始まり、2020年5月にはSPが施行されたことで13段階の規格になりました。後ろのアルファベットが進むほど性能が高く、最も新しいグレードほど厳しい基準で認証されていることが特徴です。
エンジンの排気量や車両のサイズによっても適したグレードが変わるため、愛車の適性をチェックしておきましょう。
容量は2年で使い切れるものを
バイクのエンジンオイルには、使用期限や製造年月日の記載がないことが多いです。しかし、オイルが空気に触れて酸化すると、本来の品質や機能が発揮できなくなってしまいます。
そのため、すぐに使うエンジンオイルを選ぶときには、2年程度で使い切れる商品を買うとよいでしょう。ちなみに、バイクのオイル交換の目安は、3,000km~5,000kmに一度が理想されています。2年間で走行する距離から逆算して、自分のバイクに合った容量のエンジンオイルを購入してください。
なお、エンジンオイルの保存期間は、入っている容器の材質によって異なります。
ただし、エンジンオイルの保存環境が悪ければ、未開封であっても金属缶自体が錆びるかもしれません。基本的にオイルを選ぶときには、5年などの長期保存を想定するよりも、やはり2年以内に使い切れる容量を買うのが理想といえるでしょう。
コスパの良いおすすめエンジンオイル10選!

バイク用エンジンオイルは、さまざまなメーカーから発売されています。ここでは、コストパフォーマンスの高さで定評のあるエンジンオイルを、全合成油・部分合成油・鉱物油のカテゴリごとに見ていきましょう。
全合成油のおすすめ4選!
全合成油なら、以下のエンジンオイルがおすすめです。
AZ MEO‐012
AZは、すべての全合成油をリーズナブルな価格で販売する、老舗のオイルメーカー。
MEO-012は、4サイクルエンジン専用商品です。ラインナップのなかでは最もベーシックなオイルとなっており、高負荷に耐える高いエンジン保護性能があります。かつては、4L/2,000円程度で購入できることから、頻繁にオイル交換するライダーの間で一躍有名になりました。
ヤマハ ヤマルーブ プレミアムシンセティック
バイク用エンジンオイルは、ヤマハなどの二輪車メーカーでも発売しています。ヤマルーブ プレミアムシンセティックは、中型や大型バイクにも対応している高粘度のエンジンオイルです。渋滞の多い道路の走行や、真夏のツーリングが多いライダーにおすすめとなります。
カワサキ Vent Vert 冴速
水冷や空冷など、全種類のKawasakiエンジンに合うように設計されています。ベースオイルを高品質にすることで、エンジン内の温度が低い冬などでもオイルを効率良く循環できるように工夫されています。通勤通学などの街乗りからサーキット走行まで、幅広いシーンで使えるところも魅力です。
モチュール 7100 4T
フランスのエンジンオイルメーカー、モチュール(MOTUL)の商品です。JASO規格ではMA2に位置付けられており、中型・大型バイク向けのエンジンオイルになります。通勤通学に使うような一般のバイクから、高性能スポーツモデルまで幅広い車両に対応できることが特徴です。
部分合成油のおすすめ4選!
続いて、部分合成油でコストパフォーマンスの良いエンジンオイルを紹介します。
カストロール POWER1
100年以上の歴史がある老舗ブランド、カストロールの商品です。カストロールは、トライアンフ(TRIUMPH)社のオイルにおける独占パートナーでもあります。POWER1シリーズの魅力は、高いエンジン保護性能と優れた加速性能の2つです。
ホンダ ウルトラG2 スポーツ
ウルトラは、規格・性能・品質の基準をクリアした、ホンダのオリジナルオイルです。ストリートからスポーツ走行まで、幅広く対応できるマルチタイプのオイルになっています。自社のエンジンに合った設計を行なっているため、ホンダのバイクに乗るライダーには特におすすめでしょう。
ホンダ ウルトラG1 スタンダード
爽快な走り出しと、低燃費性能で定評のある商品です。小排気量から大排気量まで使える高性能マルチタイプオイルになっています。低温時特性を強化していることから、寒冷地での使用にもおすすめです。
カワサキ R4
カワサキの純正オイルです。熱安定性や酸化安定性を特に重視しているため、高回転や高温の環境下でも、長時間の油膜を保持できる魅力があります。また、高温洗浄添加剤を配合していることから、エンジン内部をきれいに保つうえでも優れた商品です。街乗りだけでなくツーリングにも使えます。
鉱物油のおすすめ2選!
最後に、鉱物油でコストパフォーマンスの良い2商品を紹介します。
ホンダ ウルトラE1
4サイクルスクーター向けに開発された、ロングセラー商品です。カテゴリとしてはベーシックオイルであるものの、オイル単独の性能だけでなく、ホンダ製バイクのエンジンに最適な設計がなされています。
エクスター R5000 MB スクーター
スクーター専用に開発された、MB規格のエンジンオイルです。燃費性能に優れており、十分な油膜確保と流動性を、高次元で発揮できる商品になっています。4サイクル車や10W−40適用車であれば、他メーカーのバイクでの使用も可能です。
エンジンオイルの交換方法
バイクのエンジンオイル交換には、セルフのほかにバイクショップのプロに任せる方法があります。ここでは、それぞれの方法の特徴やポイントを整理しておきましょう。
自分で交換する場合
自分で行なうオイル交換は、自宅近くにバイク専門店がない人や、定期的にバイクをショップに持ち込む手間を解消したい人におすすめです。ただし、セルフで交換する場合、新品のオイルのほかに以下のような道具をそろえる必要があります。
オイル交換の具体的な手順は、以下の記事を参考にしてください。
プロに任せる場合
バイクメンテナンスの初心者や、先述の工具などを自分で用意するのが面倒な場合、専門店に依頼するのもおすすめです。多くのバイクショップでは、オイル交換の工賃を1,000円~3,000円程度に設定しています。時間については、他のお客様がいなければ10分ほどで作業可能です。
ただし、カウルが装着されたバイクの場合、カウル脱着の時間と工賃が追加されます。自宅近くの専門店や工賃の安い店などを調べたい人は、グーバイクの作業実績を検索してみてください。
まとめ
自分の愛車に合ったバイク用エンジンオイルを選ぶときには、以下のポイントをチェックすることが大事です。
エンジンオイルの容量については、酸化や経年劣化が生じない、2年ほどで使い切れる量にしましょう。
バイクのオイル交換は、セルフでも可能なメンテンスです。しかし、メンテナンス経験のない初心者や工具の準備が難しい場合は、バイクショップに相談してみてください。
本記事は、2022年1月29日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。