バイク試乗レポート：XR230

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試乗レポート　ホンダ　XR230

ホンダ　XR230

これからの人も、やってる人も。楽しいコンパクトで“笑”タイム!

写真=増井貴光　文=松井勉

スリム、軽量、コンパクト　ぜんぶ、標準装備です！

　そのとき、ボクは夢中になって砂利の轍をトレースしていた。SLゆずりの230ccエンジンは、クロスした6速ミッションとのコンビで、パワーバンドをキープしたまま歌い続けている。
　コーナー手前でハードブレーキングしても車体の安定は崩れない。車高が低いことに加え、動きの良いフロントフォークと落ち着きのあるリヤサスの組み合わせが、タイヤに余計な負荷を掛けずに上手にグリップする。
　荷重移動をグリップへと、こんなに楽に変換してくれるシャシーもない。だから、雨の林道をこんなに楽しんでいる。
「エンジョイ・ライト級、マイファースト・オフロード」と銘打って開発されたXR230は本当にご機嫌なバイクだ。たとえば友達、ガールフレンド、もしくは家族からオフロードを始めたいといわれたら、ボクはこれを薦めることに躊躇はない。
　だって、オフロード歴20余年のボクにとっても十分、マイ・ファスト・オフローダーとなってくれるほど走るし、ゆっくり走ってもまったく退屈しないのだ。こんなキャラのバイクは、ホントに珍しい。
　ギャップのあるコースでジャンプとなると辛いだろうが、林道でなら、もっとパワーがあってサスストロークもあるバイクを楽に追いまわすだろう。足つきがいい低く構えたオフロードモデルは、フラットな林道では侮れない俊足ぶりを発揮する。
　シート高は805mm。シート、サイドカバーなどのボディをシェイプした結果、実測よりも低く感じられるはずだ。ハンドル、シート、ステップで造るライポジの三角形も、見事にXR250の位置を下にスライドさせたような相似形をなしている。乗りやすいわけだ。
　アグレッシブなスタイルでラッピングされた楽しい走り。ビギナーからベテランまで心底楽しめるキャラ。オン・オフ伝道師の登場を祝いたい気分だ。

FTRやSLに積まれてきたこのエンジンは、全回転域でフラットで扱いやすいトルク特性が魅力。また、ギヤレシオも楽しさの秘薬だ。

805mmのシート高ながら、ステップ位置も低いため、足に窮屈さはない。ポジションは低くなったXR250というイメージだ。

SL同様、レンサル製アルミバーを採用。ハンドルに感じる振動を見事に低減し、質感も高く、曲がりにも強い、と嬉しい装備である。

リンク式サスは、減衰圧とスプリングレートを230のコンセプトに合わせて専用に設定。腰の強さと林道での接地性に富む好ましいもの。

ソフトだったSLのフロントサスよりもややハードな方向に振ったXR。追従性に優れ、安心感の強いライディングを楽しめる。

全長×全幅×全高	2080×825×1115（mm）
シート高	805mm
ホイールベース	1340mm
最低地上高	245mm
乾燥重量	111kg
エンジン	空冷4サイクルOHC単気筒
ボア×ストローク	65.5×66.2（mm）
総排気量／圧縮比	223cc／9.0
最高出力	18ps／7500rpm
最大トルク	1.9kg-m／6000rpm
燃料タンク容量	8.7L
燃料供給	キャブレター
ミッション	常時噛合式6段リターン
ブレーキF	油圧式シングルディスク
ブレーキR	油圧式ディスク
タイヤサイズF	2.75-21
タイヤサイズR	120／80-18
ボディカラー	エクストリームレッド、ブラック
メーカー希望小売価格	42万円

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