旅に温泉は欠かせない。それはツーリングだって同じことだ。うれしいことに北海道は、温泉天国といえるほど温泉が豊富である。いわゆる温泉地にある宿には、趣のある露天風呂を備えているところも少なくない。しかし、なんといっても北海道の温泉の醍醐味といえば、天然の露天風呂が至るところにあることだ。さらにうれしいのは、だれでも無料で入ることができる温泉が多く、キャンプツーリングをするには最適なのだ。
たとえば海辺の温泉なら、函館椴法華(とどほっけ)の水無海浜温泉や知床半島のセセキ温泉、相泊温泉は、大海原を目の前に湯に浸れる。同じ水辺でも湖なら、屈斜路湖畔の砂湯、コタン湯、池の湯、和琴温泉露天風呂がある。なかでも砂湯は、浜を自分で掘り返して露天風呂を作るという豪快さだ。
また山間部なら、十勝岳の中腹にある吹上温泉がよく知られている。文字どおり山の斜面にあるので、まさに絶景を眺めながらの入浴が満喫できるという趣だ。なかでも長流(おさる)川の河原に湧く蟠渓(ばんけい)温泉の露天風呂は、野趣あふれている。もちろん川が増水すれば水没する。
専用バスでしか行くことはできないが、知床半島にあるカムイワッカの湯は滝壺が天然の露天風呂。滝を登って行って入るのだが、まさに自然と一体になれるのだ。