豊かな自然に恵まれた広大な北海道では、どこへ行っても雄大な風景に出会うことができる。自然の圧倒的な存在感に息を呑み、牧歌的な情景に心癒される。そんな北海道は、道南、道央、道東、道北と大きく4つのエリアに分けられる。だれもが抱く北海道のイメージは、それこそどこででも目の当たりにすることができるのだが、それぞれに特徴的な風物があるのもまた事実だ。
異国情緒あふれる港町函館、運河の町小樽は、ともに道南屈指の観光地である。街並み自体に独特の風情があり、女性にはとくに人気が高い。また、豊富な海産物を味わえるのも特色で、函館朝市は一見の価値あり。
近年、外国人観光客に人気のニセコも道南エリアの観光スポット。蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山の美しい山容を眺めつつ、豪快なワインディング走行も楽しめる。
洞爺湖、支笏湖はともに有名観光地だが、それだけに景色も美しく、何度訪れても飽きることはない。温泉も豊富なのでゆっくり滞在してみるのもいい。
どこまでも続く牧草地とまっすぐな道を目指すなら、道東エリアが最適だ。かつてはライダーの聖地といわれた開陽台からは、地平線を望む大パノラマを堪能することができるし、周辺にはまっすぐに続く道がそれこそ縦横無尽にある。また、屈斜路湖や摩周湖、阿寒湖といった代表的な観光地も数多い。世界自然遺産の知床もぜひとも訪れたい場所のひとつだ。
北海道の屋根でもある大雪山系を中心とした道央エリアでは、エゾシカやキタキツネが顔を覗かせる深い原生林のまっただ中を、走ることができる。柱状節理で知られる層雲峡や、富良野、美瑛の美しい丘など見所も多い。最近では旭山動物園も脚光を浴びる観光ポイントになっている。
文字どおりさいはての地といえる道北エリアの特徴は、牧草地と海の恵み。東のオホーツク海、西の日本海ともに海の幸が豊富で、最北の町稚内ではカニ、ウニ、イクラなどをたっぷりと味わうことができる。また、日本最北端の宗谷岬に立てば、達成感を味わうこともできるだろう。
それぞれに魅力的な風土を持つ北海道なのだから、急ぎ足でめぐってしまうのはもったいない。