今回のツーリングの目的地は常滑。今とても注目されている町です。みなさんご存知、中部国際空港(セントレア)が開港し、それに伴う鉄道や道路が整備され、近代化を続けている町。ロケを行った日は開港前だったため間近まで行くことは出来ませんでしたが、この号の発売2日前には開港し、多くの人が利用していることと思います。そして「陶都」と呼ばれるほど焼き物の盛んな町。そんな2つの顔を持った町へと向かいます。
ツーリング当日は1月下旬、まさに冬真っ直中。寒い寒いとは言いつつも、ツーリングに行きたくなってしまうのは、バイク乗りの宿命なのかもしれません…。
そんな真冬のツーリングロケに参加してくれたのは本誌ですっかりお馴染み、古谷牧子サン。普段はイントルーダー800に乗る彼女ですが、今回のツーリングのために友人からバイクを借りてきてくれました。いつもいつもありがとうございます! KAWASAKI W650、これが今回の旅のお供です。
前日から心配された雪が降ることも無く、編集部を出発したのが午前9時30分。一行は常滑を目指します。渋滞の名古屋高速にウンザリしつつ大高ICへ。そこから知多半島道路に入るとクルマの数も減り、走りは至って快適になりました。W650はその名の通り排気量が650ccのエンジンを積むバイク。高速での走行も余裕でこなします。古谷サン曰く、「意外に軽くて扱い易い」ということでしたが、高速でストレスを感じることもないので、街乗りから長距離ツーリングまでこなすオールマイティなバイク、というトコでしょうか。詳しくは後のページで。
さすがに真冬なので高速を走ると体は冷えるものです。もちろん無理は禁物。阿久比PAで温かいコーヒーでも飲んで休憩します。このコーヒーってウマイんですよね! こんなウマイコーヒーが飲めるってのも冬のツーリングの良いトコロじゃないでしょうか!? さて知多半島道路を30分ほど走り、半田常滑ICから知多半島横断道路に入ると常滑はすぐそこです。名古屋市中心部から1時間あまり。
常滑を味わい尽くす為に向かった場所は、「やきもの散歩道」という散策路。陶磁器会館をスタート地点とし、約60分でまわるAコース、2時間30分でまわるBコースがあります。今回はAコースを選択。残念ながらバイクでコースの中に進入することは出来ないので、バイクを停めて徒歩で行きます。気軽に停められるのもバイクの良い所。もちろん走り続ける事は楽しいですが、気になるスポットなんかがあったら迷わず停まっちゃいましょう。いつも通り過ぎている道にバイクだからこそ出会える何かがあるかもしれませんよ!
そんなわけで一行は散歩道の中へ。その中は至る所に常滑焼きが埋め込まれ、窯から伸びる煙突や工房もあり、一種独特な世界が広がっています。煙突は最盛期に比べ減ったとは言え、現在でも90本ほどが残っています。お薦めのスポットは次のページで紹介しているので詳しくはそちらとして、一言で感想を表すと、「自然体である」ということ。散歩道にある家や工房は旧いモノが多いのですが、旧いとは言え、人も住んでいるし、工房での作業も行われている。観光スポットでありながら、肩肘はらず自然体で町が時を積み重ねてきた…、そんなことを感じました。もちろんそれは訪れた人のマナーがあってこそですけどね!
その後、やきもの散歩道の近く、土管工場を改装した「カフェギャラリー風」にて食事。ここはパン工房も併設されたお店で、落ち着いた店内で食べる焼きたてのパンは、帰り道への元気を与えてくれます。
空港ができ、常滑を訪れる機会が増える今だからこそ、ちょっとバイクを停めて、旧き良き常滑の魅力を味わってみてはいかがでしょうか? |