いまから約20年前、16才で原付免許を取って以来、途絶えることなくバイクに乗り続けている。何事にも熱しやすく冷めやすい性格なのに、バイクだけが続いているのはなぜだろう……ふと、そんなことを考えていたら過去を振り返る旅に出かけたくなった。それが今回のツーリング、名づけて「青春プレイバック」だ!
原付免許を取った高校時代、アルバイト代を貯めて買ったのがスズキのハスラー50。50ccながらフルサイズのオフロードバイクで、もちろんギヤ付き。「原付だからといって、スクーターに乗るなんて甘いぜ」などと思っていた。
当時の自分は同じ50ccのオフロードバイクに乗る友人たちと週末ごとにやれ林道ツーリング、やれエンデューロとバイク三昧の日々を過ごしていた。ところが高校3年になると大学受験という壁が立ちはだかった。
さすがに受験勉強とバイクの両立は難しく、苦渋の思いでバイクから距離を置くことに。だけども、その前にバイクで思い出を作りたいという強い気持ちに駆られ、新潟県の祖母宅をバイクで訪ねるツーリングに出かけることを決意したのである。
しかし、ツーリングに行くと決めたものの、バイクは50ccだったので高速道路は走れない。ならば一般道だけで東京から新潟まで行くしかない。そこに17才の高校生は「男のロマン」のようなものを感じていたように記憶している。いまだったら高速道路を使わないなんて絶対にありえないし、やりたくもないのに。
さて、今回のツーリングの相棒はホンダのXR400モタード。一見してオフロードバイクっぽいところが若き日の自分にちょっと重なるが、当時は50cc、今回は400cc。しかも、モタードというまったく違った特性を持っている。さらに、違うのはバイクだけではなく、スタートから高速道路を使うことにしたこと。いまや2人乗りでも高速道路を走れる時代。「高速乗らなきゃソンソン」ということで関越自動車道を北へ駆け上がり、最初の目的地に決めた水上インターを目指した。 |