マリン後輩さんが投稿したバイクライフ

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    「あ、桜だ」
    俺はふと、満開に咲く桜を見上げて呟く。
    思わずスマホを構えて撮る。
    青い空にピンクの花びらがとても映えていた。
    「綺麗~」
    タンデムシートに座る年下の彼女も桜を見上げてウットリと呟く。
    「あぁ。そうだなぁ」
    俺達は近くのベンチに座る。
    俺は目を閉じる。
    心地よい風のそよぎと、香る春の香りに身を委ねる……
    遠いあの日が甦る──

    始まりは確か、高校2年生の春であった。
    俺は昔から勉強が出来た。
    連立方程式も古文も英文も化学も、人並みよりは理解が早く、特に復習することもなく気が付けば学年1桁代の成績となっていた。
    まぁ、アレだ。いわゆる頭が良いってヤツだ。
    ただ、俺は言われたことをやってるだけなのだがな。

    そんな時にふと、バイクに乗りたくなった。
    尾崎豊ではないのだが、ただ今を自分ってヤツを変えたかったんだと思う。

    持ち前の頭を使い、反対する両親を説き伏せて中型免許の教習をかち取る。
    そして学校に隠れて、教習を重ねて中型を取得した。
    放課後にバイト、連休に鬼シフトのバイトを組み、金を貯める。
    ニンジャ250R SEを買った。

    休日にスモークシールドのメットを被り遠出する。
    学校にはバレなかった。
    俺には友達が居たが、秘密を共有出来るような親友やバイク乗りは居なかった。
    そんな平日は優等生、休日はライダーという2面相な忍者のような生活をしていたある日のこと。

    「松重シノブです。今日からしばらくお世話になります」
    学校に研修として若い教習見習いの女の子先生がやって来た。
    「松重先生」「シノちゃん先生」
    なんて言われながら皆と打ち解ける。
    俺もやんやりと教材を運ぶのを手伝ったり、黒板を消したりとしていた。
    先生とは言え、俺達と7つしか年が変わらない。先生というよりお姉ちゃんって感じだった。

    で、とある休日に2つ隣の道の駅に行った時のこと。
    俺はベンチでソフトクリームを食べながら、愛車を眺めていた。
    「……カッケェ」
    なんて、 バイクに浸っていたら……

    「あ゜」
    俺を見て女性ライダーが声を上げる。
    「あ゛」
    俺も女性ライダーを見て固まる。
    ジャケットスタイルなシノちゃん先生がソフトクリームを持って、そこには居た。

    「ユウジ君、バイク乗ってたんだね~」
    シノちゃん先生がソフトクリームを頬張りながら尋ねる。
    「ええ、はい。まあ」
    やベェよやべぇよ。
    背中に脂汗が伝う。
    うちの高校はバイク禁止だ。
    バレないために俺は優等生を演じていた。
    加えて、バイクに乗る条件の1つに学校にバレないってのが有った。
    どうしようどうしようどうしよう。
    「ああ、そんなに怯えないで。大丈夫、学校になんか言わないよ」
    シノちゃん先生が俺の様子を察し、俺にそう言って笑いかける。
    「……ホントですか」
    「うん♪ 逆に嬉しいよ」
    ……嬉しい?
    「いや、だってユウジ君みたいな真面目な子もバイク乗るんだなぁって思ったらね」
    シノちゃん先生がコロコロと笑う。
    ──あ、これ大丈夫らしい。
    俺は胸を撫で下ろす。
    「愛車はニンジャ?」
    「はい。ですね、あのシノちゃん先生──あ、松重先生は」
    「シノちゃん先生で良いよ」
    シノちゃん先生が遠くに停まった大型バイクを指差す。
    「……マジすか」
    「うん!私の愛車!」
    ソコにはGPZ900Rが停まっていた。
    「あ、そうだ! これから一緒に走らない?」
    「ええ、でも250と大型じゃ」
    「関係無いよ! 私、乗るだけでアップアップだしヘーキヘーキ♪」
    「同じニンジャ乗り同士!仲良くしようよ♪」
    シノちゃん先生が眩しく笑う
    「──ウッス!」
    俺も笑った。

    それからは楽しかった。
    どこか息苦しかった学校も楽しく思えるようになった。
    学校ではお互い、バイクのことを尾首にも出さず、休日になると場所を選び2人でツーリングに出かける。
    ちょっとした火遊びとでも言えば良いか?
    「姉弟ツーリングですか?」
    そんなことも道中のライダーに言われたこともあった。
    なるほど、遠からずといった感じだ。

    いつからだろうか?
    そんなことを続けていくうちに。
    「あのシノちゃん先生!」
    俺の中に募るモノが有った。
    夕日を背にしシノちゃん先生を呼ぶ。
    「うん?」
    シノちゃん先生が振り返る。
    「あの──」
    上手く口が動かない!
    ええい! クソ! こんな時に!
    固まる口を、筋肉を引っ剥がすように強引に動かす!

    「俺と付き合って下さい!」

    声を上擦らせ、頭を深々と下げる。
    言った! 言っちまった!
    心臓がレブるエンジンのようにバクバクと脈打つ。
    どうだ? どうだ? どうなんだ?
    俺は少しだけ顔を上げて、シノちゃん先生を伺う……

    「……ごめんなさい」
    シノちゃん先生はそう言って頭を下げた。

    ──ああ。そうか。
    俺は体を起こし空を眺める。
    「──ですよねぇ~」
    「──うん」
    「あぁ、マジかぁ~」
    腰に手を当て深呼吸。
    そりゃそうだ。コッチは17そこらのガキ、シノちゃん先生は20半ばの大人。
    そりゃ~そうだろうよなぁ。。。

    「でもね。ユウジ君嬉しかったよ」
    シノちゃん先生が夕日を眺める。
    「俺がもう少し大人だったらOKでした?」
    「う~ん。それでもダメかな」
    「おいおいおい」
    マジかよ。大惨敗ではないか。
    「君が忍者に乗ってたらOKだったかも」……なんて。
    シノちゃんが悪戯っぽく笑う。
    2人で爆笑。

    「あ、流れ星」
    シノちゃん先生が空を指差す。
    俺は空を眺める。
    その時に

    あっ

    俺の頬にナニかが優しく触れた。
    「………」
    「………」
    「さ、帰ろうか! 少年よ!」
    シノちゃん先生がピョンピョンと跳ねながら歩いていく……
    「──ウッス」
    俺も付いていった。

    シノちゃん先生は無事に研修を終えた。
    サプライズで俺は花束を送った。
    シノちゃん先生は泣いて喜んでくれた。
    俺は学校を卒業した。
    そして大型免許を取り、忍者を買った。
    長いこと乗った。で遊び尽くして
    今度はニンジャ1000を買った。

    そして現在の俺は──
    「……ふぅ~」
    目を開ける。身に映るのは桜と大切な存在。
    俺はニンジャ250に乗っていた。

    「ユウジ君~」
    年下の彼女が俺を呼ぶ。
    「一緒に写真撮ろうよ~」
    桜の下、彼女がピョンピョンと跳ねる!
    「おう。今行くわ」
    俺は髪をかき上げて、彼女の元へと向かう。

    季節は春。
    俺はこれからもずっと。
    「いくよ~3、2」
    いつまでもずっと。
    「1!」
    何度でもずっとずっと。
    パシャっ!

    お前と共に。


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