ディスクローターを挟み込むバイクのブレーキパッドの役割と交換方法
バイクの制動に欠かせないのがブレーキパッドです。このブレーキパッドも消耗部品の一つで、定期的な交換が重要になってきます。ここでは、ブレーキパッドの役割や交換時期の目安、交換方法をまとめました。
ブレーキパッドの種類
ブレーキパッドは減速時に、ディスクに直接押しつけ動きを止める働きがあります。この場合、ディスクブレーキに使われている物をブレーキパッドと呼びます。
ブレーキパッドにはいくつかの種類があります。一つ目は、金属成分と樹脂が混合されたセミメタルパッドです。コストパフォーマンスが良く、雨天時の制動性能も向上します。
二つ目は摩擦材を高温で焼き固めたシンタードパッドです。多孔性なので、水が逃げやすく雨天時でもしっかりとした制動が期待出来ます。ただ、高価な上にディスクへの負担も高く、街乗り程度のバイクに付けるのはおすすめ出来ません。
三つ目は繊維系の素材を樹脂で固めたオーガニックパッドです。柔らかい素材であるためディスクへの負担は少なく、フィーリングでのコントロールのしやすさも抜群です。ただし、急ブレーキ等、絶対的な制動力が欲しい場面では若干不安な部分があります。
ブレーキパッドにグリスは必要か
ブレーキを掛けると「キーキー」という音が響くことがあります。一般的に「鳴き」と言われる現象で、ブレーキパッドがディスクローターを挟み込んだ時に起こる「摩擦音」です。パッドの材質の違いでもこの音が発生します。「鳴き」はライダーだけでなく、周りの人も不快にさせるので、グリスアップで音の軽減を目指しましょう。使用するのはブレーキパッド専用のグリスです。固着しやすいので、くれぐれもディスクには付着しないよう注意が必要です。
ただし、グリスアップのためのブレーキパッドの着脱は手順を間違えると危険を伴います。また、「鳴き=パッドの材質とディスクの相性」でなく、ブレーキパッドの摩耗や、ディスクローターの変形というようなトラブルも考えられるので、専門家に点検を委ねることをおすすめします。

ブレーキパッドの交換時期
ブレーキパッドは、消耗部品です。快適なブレーキングを保つために定期的に交換することをおすすめします。走行状況によって交換時期は大きく異なりますので、ブレーキパッドを見て残量が5mm程度になったら交換することが大切です。他の部品の場合15000kmごとが目安と言われていますが、それ未満の走行距離でもライダーのブレーキングのクセが大きく関わってきます。そのため、ブレーキパッドの厚さは都度確認しましょう。
ブレーキパッドの交換はプロに任せよう
ブレーキは安全を司る装置です。清掃等のセルフメンテナンスが可能な場所でも着脱後にはブレーキの調整が必要になってきます。グリスアップによってブレーキのフィーリングが変わることがほとんどなので、ブレーキ周辺の点検や交換は販売店にいるプロの整備士に任せましょう。ここで知識を吸収することでバイクへの愛着も湧くはずです。
まとめ
ブレーキパッドはブレーキの性能を左右します。材質とディスクとの相性を見ながら、自分好みのパッドを探してみましょう。その時は、自分自身の走りの傾向を重視することが第一です。自分の手足のようにバイクを操縦するために、ブレーキにもこだわってみましょう。
本記事は、2016年9月16日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。