バイク試乗レポート：ブレヴァV1100

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試乗レポート　モトグッチ　ブレヴァV1100

モトグッチ　ブレヴァV1100

新世代の縦置きVツイン搭載!
グッチらしさ満載のニューモデル

技術革新がもたらす
グッチ本来の味わい

「バック･トュー･ザ･フューチャー（未来に戻る）」……ブレヴァV1100が03年のミラノショーで発表されたとき、掲げられていたキーワードである。
　未完成のタイムマシンによるSFコメディのタイトルが、いったい何を意味しているのか。そのとき私が思い浮かべたのは、「歴史は繰り返す」といった類いのイメージで、ブレヴァに回帰趣味的なキャラクターを想像したものだ。
　でも、それは浅はかだった。乗るほどにキーワードの意味が強く感じられてきたからだ。新世代に進化した縦置きVツインが新しいモトグッチを感じさせるいっぽう、現実的で扱いやすく、味わいに富んだグッチ本来の世界が繰り広げられている。つまり、新しさが、忘れていたバイク本来の魅力を思い出させてくれたのである。
　とにかく、扱いやすく味わいがある。足つき性は良好で、上体が起きたライポジは無理がなく快適だ。それでいて幅広のハンドルに手を伸ばすと、マシンに乗せられているのではなく、乗りこなす気にさせられる。
　クラッチは軽くシフトタッチも軽くなり、スムーズに発進。加減速で車体が傾くトルクリアクションはほとんど気にならず、回り方のゴツゴツした不整感も小さくなっている。極低回転域から怒涛のトルクを見せつけるわけではないが、粘りがあって扱いやすく、中速からはグッチらしく太いトルクが優しく湧き出て、高回転域に伸びていく。
　前後サスには、ホッとさせられる乗り心地の良さがある。高速走行での安定性も良く、そのくせライダーに優しい車体のしなりも感じさせる。コーナリングでライダーにコントロールを要求してきても、挙動はゆったりと感じられ、味わいも豊かだ。
　ある意味、とがったバイクが多いなか、こいつはスポーティながら、ライダーを心底リラックスさせてくれるのだ。

写真・文＝和歌山利宏

オルタネーターをシリンダー間に移設、前後長を4cm短縮した縦置きVユニット。ツインプラグも新採用。

伝統でもあるシャフトドライブを踏襲。リヤホイールは片持ち式だ。ブレーキには、フロント同様ブレンボ製キャリパーを装備。

φ45と大径の正立フロントフォークを採用。ブレーキにはブレンボ製対向4ポットキャリパーをおごる。

3連メーターに加え、多機能表示の液晶パネルも備える。大きく手前に引き寄せられたハンドル形状がブレヴァの素性を物語る。

全長×全幅×全高	2130×810×1310（mm）
シート高	800mm
ホイールベース	1500mm
乾燥重量	233kg
エンジン	空冷4サイクルOHV2バルブV型2気筒
ボア×ストローク	92.0×80.0（mm）
総排気量／圧縮比	1064cc／9.8
最高出力	61.8kW／7800rpm
最大トルク	86.5Nm／6000rpm
燃料タンク容量	24L
燃料供給	電子制御燃料噴射
ミッション	常時噛合式6段リターン
ブレーキF	油圧式ダブルディスク
ブレーキR	油圧式ディスク
タイヤサイズF	120／70ZR17
タイヤサイズR	180／55ZR17
ボディカラー	レッド、ブラック、グレー
メーカー希望小売価格	2005年夏デリバリー予定

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