　日本市場に投入されたKCR125は、飛び抜けてスポーティといったバイクではない。しかし、経済性にも優れた原付2種市場をさらに活気づける可能性を秘めている。
　スタイリング的には特徴的部分は少ない。カテゴリーとしてはネイキッドということになるのだろうが、そんな呼び方よりもむしろ、ストリートスポーツとしたほうが適切かもしれない。いずれにしても、シンプルかつベーシックなので、カスタムベースには最適な素材となりうる。　このクラスのモデルとしてはゆとりあるボディで、ゆったりとした乗車感を与えてくれる。シートサイズも大きめなので、タンデムにも窮屈さはない。これならばコミューターとしてはもちろん、ツーリングにも十分に使えそうだ。
　フレーム、足まわりなどの構成に目新しさはないが、フロント18、リヤ17インチタイヤによって安定性のある走りを実現。それでいてクセのない軽快なハンドリングを兼備しているので、ビギナーにも馴染みやすいはず。
　エンジンは空冷OHC4バルブ単気筒。始動はセル、キック併用式で、5速ミッションを装備する。スイッチ類の操作性も含めてとくに問題と思える部分はない。ただし、俊敏な加速やスピーディな走りを期待すると見事に裏切られる。スムーズなレスポンスはたしかに扱いやすいのだが、そこに力を感じることはない。やはり124ccの小排気量エンジンなのだ。
　だがこのKCRというモデル、カスタマイズで面白いバイクに仕立て上げられそうだ。

ライダー・文＝栗栖国安　写真＝橋本秀法

メーターはスピードのみの単眼式。オド、トリップカウンターは内蔵するが、すべてアナログである。インジケータにはフューエルランプもある。

空冷OHC4バルブ単気筒エンジンは、124ccの排気量から12PSほどの最高出力を発生する。パワフルさはないが扱いやすい。

ホイールは前後ともキャスト。フロントブレーキは2ポットキャリパー装備のシングルディスクだ。タイヤは2・75ー18。

ゆったりとした座り心地をもたらしてくれる大型シート。タンデムも快適にできる。ちなみにシート高は780mmで足つきは問題ない。

スリムな燃料タンクは容量6.5L。やや少なめながら、低燃費なので日常使用では問題ない。ただしリザーブ切り換えコックはない。

リヤサスはサブタンク付きの2本ショックタイプ。ブレーキはドラム式だが、とくに不満を覚えることはない。タイヤは3・75ー17を装着。

全長×全幅×全高	1960×810×1050（mm）
シート高	780mm
エンジン	空冷4ストローク単気筒OHC4バルブ
排気量	124cc
最高出力	12.1ps／9500rpm
最大トルク	0.97kgm／8000rpm
タンク容量	6.5L
タイヤサイズ	F2.75-18　R3.25-17

試乗レポート キムコ KCR125

キムコ KCR125

試乗レポート　キムコ　KCR125

キムコ　KCR125