試乗レポート　カワサキ　ZRX1200DAEG

　「ローソンレプリカのレプリカ」としても人気を集めてきたZRX1200Rが、09年型で��ダエグ"に大幅刷新された。

　車体の基本骨格は先代のRを踏襲。エンジンも先代がベースだが、燃料供給のインジェクション化（FI）をはじめ、全体での変更箇所は多岐にわたる。

　エンジンは、最高出力が15馬力もアップ。ただしこれは、高回転型とすることにともない馬力を稼いだということではなく、あくまで自主規制が撤廃された結果。エンジンの性格はあくまで低中速重視だ。街なかでひょいっと乗っても、低回転域からトルクがあって扱いやすい。そしてギュインとまわせば、先代よりもパワフル。トルク感とパワー感をバランスよく楽しめ、全域でスムーズにまわる、市街地の走行にもワインディングを遊ぶのにもマッチした、扱いやすい性格と言ってよいだろう。

　一方で車体はコンパクトで、取りまわしもよく、街で乗ってもストレスは少ない。ビキニカウルはあるが、ハンドルマウントのミラーで、すり抜けもしやすい。前後のサスペンションは、スタンダードセッティングだと適度に柔らかめな仕様となっているので、乗り心地もよい。

　ワインディングでは、積極的にスポーツ走行をうながすような味付けもされていて、ついついペースアップ。かと思えば、そんなにペースを上げなくても楽しめるリズム感もあって、ただ流すだけでも心地よい。

　荒れた路面での深いバンク時には、フロントまわりのバタつきが、少し気になるくらい。また、フロントの舵角が若干多めに付くところは好みが分かれる部分だが、決して極端すぎるレベルではなく、慣れるのに時間はかからなかった。

　これまでのローレプの流れを断ち切るかのような、どことなくニンジャ顔な新作ビキニカウルは、何気に防風効果が高い。高速道路の巡航も快適だった。

　街なかでも峠道でも高速道路でも、先代Rを超える快適性と楽しさを持つ、完成度の高いモデルだ。